カバー画像:©2020 20th Century Studios
家族そろった旅行なのになぜか取り残されたケビン
両手を頬にあてて大きく口を開き、困ったような驚いたような表情で目を見開いている男のコ。ムンクの『叫び』か、『ホーム・アローン』のケビンか、というくらい有名なシーンだ。『ホーム・アローン』はクリスマス映画の定番にもなり、日本でも大ヒットを記録した。なんと今年で製作から30年。それだけの月日が流れたとは思えないくらい、いまだに楽しく面白い、よくできたコメディだ。
クリスマスホリデイに家族親戚揃って楽しいパリ旅行!……に行きそびれた男のコがケビン(マコーレー・カルキン)。なにしろ大人数の家族旅行で、しかも朝早くばたばたの出発、家族の誰もケビンがいないことに気づかなかった!
ケビンはケビンで、前の晩におにいちゃんとケンカ、パパとママに叱られて「家族なんかいなくなっちゃえ!」とサンタさんにお願いしていたから、気づいたらたったひとりで大きなおうちに取り残されても「やったぁ! みんな消えた!」と大喜び。
そのころ機上のパパとママは「ケビンがいない…!?」って、搭乗するときに人数が足りないことに航空会社が気づけ、などと考えたりしてはいけない。実際、自己嫌悪に気も動顚するママの胸のうちを思うと、他人ゴトでなく、心が痛む。
一刻も早く帰らねばと、クリスマスシーズンの空港でキャンセル待ちをしていたママが、チケットを譲ってもらおうと、帰りのファーストクラス搭乗券と自動翻訳機と500ドル…、と交渉をする、初老の夫人の心を動かしたのは「母親だったらわかるでしょう」という言葉だった。
泥棒二人組相手に次々罠を仕掛けるケビン
さて、家族の心配をヨソに、ケビンはホーム・アローン=“おうちにひとり”を楽しみまくる。見てはいけない映画、シャワーのあとのアフターシェイヴローション、お皿に山盛りのスイーツ、ママの心配もわかるけれど、こちらの気持ちも、よ~くわかる。
久しぶりに見直して驚いたのは、マヌケな泥棒二人組(ジョー・ペシとダニエル・スターン)と家を守るケビンとのバトル。映画の半分以上も戦っていたような印象があるのは、ケビンの泥棒対策の仕掛けあれこれが犯罪級に凝っていたこと、次々と仕掛けにひっかかる“名優”ふたりのおバカ加減にあきれながらも大笑いしてしまうこと……、などなど理由はあるけれど、とにかく家族が消えてしまった今、“うち”を守るのはボクだ!というケビンの心意気が感動的だったから。
さらに、ニセサンタに「本物のサンタさんに伝えて」とメッセージを頼む場面、教会で隣家の老人と家族の話をする場面では、クリスマスに舞い降りてきた天使にも見えるケビン役のマコーレー・カルキンがまさに一世一代、涙ものの名演を見せる。
子役からミュージシャン、一時は引退という報道もありつつ成長したカルキンくんも今年40歳。両手を頬にあてたケビンを再演して「ぼくはもう大人だよ」というSNS投稿もあったとか。まずは、元気そうでよかった。
「ホーム・アローン」4K UHD
2020年12月2日発売/6,000円+税(2枚組)/デジタル配信中
© 2020 20th Century Studios
発売:ウォルト・ディズニー・ジャパン
特典=プレス用映像(1990年)、メイキング・オブ・「ホーム・アローン」、マコーレー・カルキンの“撮影の裏側”、ケビンVS泥棒:スタント・シーンの秘密、世界中の「ホーム・アローン」、あの人は今…バズのその後、泥棒撃退グッズ:とっておきビデオ、爆笑NGシーン集、未公開シーン集