この季節にはクリスマスを舞台にした映画が気になりますよね。コメディーやロマンス編からホラーまで、様々なクリスマス映画から、これは見ておきたい作品をご紹介!(文・永千絵/デジタル編集・スクリーン編集部)

今年ももうすぐクリスマス。この一年は、『ホーム・アローン』のケビンのように、家にいて、家を守ろう、そんな気持ちになった人も多かったかも。せめて明るい新年を願って、おうちでクリスマス映画を楽しもう!

クリスマスだからって楽しいばかりじゃないぞ

全身グリーンのグリンチと並んで、クリスマスがらみで思い出されるキャラクターといえば、骸骨の姿のジャック・スケリントン、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(1993)の主人公だ。

ハロウィンの王様ジャックが企むのは、クリスマス潰しではなく、自分たちでクリスマスを作ること。人を怖がらせる存在であるジャックと、人を喜ばせるクリスマスとの組み合わせは、いかにもティム・バートンらしい。正統ではないかもしれないけれど、クリスマス映画の傑作であることに間違いなし。

怖いクリスマスで思い出すのは『グレムリン』(1984)。クリスマスプレゼントでもらった小さな生き物が、飼育方法を間違ったために、とんでもないモンスターに。グレムリンとは、いたずらをする妖精の名称らしいけれど、映画に登場するソレは、とても妖精には見えない。

画像: 「グレムリン」(1984)は怖いクリスマス・プレゼントだった

「グレムリン」(1984)は怖いクリスマス・プレゼントだった

サンタクロースが誘拐されたり、モンスターが暴れたり、穏やかならぬクリスマスといえば、これもそう、クリスマスに大事件に巻きこまれるジョン・マクレーン刑事(ブルース・ウィリス)が主人公の『ダイ・ハード』(1988)(と『ダイ・ハード2』(1990)がクリスマス)。

画像: クリスマス・アクション映画の金字塔「ダイ・ハード」 Photo by Getty Images

クリスマス・アクション映画の金字塔「ダイ・ハード」

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クリスマスほど、みんなが早く家に帰りたい日はないはずなのに、無事に帰れるかどうかさえわからない、という設定が皮肉でみごとなクリスマス・アクション映画の金字塔!だ。

ほのぼの気分に浸れる定番中の定番作品も

『ホーム・アローン』(1990)で、家でひとりになったケビンがつけたテレビで放映されている『三十四丁目の奇蹟』(1947)。一方、パリへ行った家族がテレビで見ているのが、ジェームズ・スチュアートがフランス語の吹き替えでしゃべっている『素晴らしき哉、人生!』(1946)。

どちらもクリスマス映画の定番中の定番、クリスマスをテーマにアメリカという国の一面を間違えようもなく見せてくれる作品で、特に『素晴らしき哉、人生!』(1946)はアメリカ映画の原点、古典としても名高い名作だ。

サンタクロースは存在するかしないか、ということさえも法に則って法廷で決着をつけようというアメリカ人気質。われわれにはなかなか理解しがたいものではあるけれど、結末もふくめて、思わず納得させられてしまうのが『三十四丁目の奇蹟』(1947)。

画像: クリスマス映画の定番中の定番「三十四丁目の奇蹟」 Photo by Getty Images

クリスマス映画の定番中の定番「三十四丁目の奇蹟」

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温厚で町の人たちからの信頼も篤いジョージ(J・スチュアート)がクリスマスに自殺を決意、それを思いとどまらせようと天使が地上に降りてくる『素晴らしき哉、人生!』(1946)。日本語タイトルのほのぼのとした古めかしさとも相まって、アメリカってこういう人がいた国、憧れられる国だったはず、としみじみしてしまう。今見ても、何度見ても感動がすりへらない、一度は見ておくべき傑作。

画像: アメリカ映画の原点にして古典「素晴らしき哉、人生!」(1946)

アメリカ映画の原点にして古典「素晴らしき哉、人生!」(1946)

あの人がサンタを演じてる!

『ホーム・アローン』(1990)のケビンは通りにいたサンタをニセものと知りつつ、本物のサンタさんに「家族を返して」と伝言を託す。このサンタ、特に有名な役者さんではないようだけれど、切らしたキャンディの代わりにミントを分けてくれるサンタ・スピリットにあふれた、なかなかいいサンタクロースだった。

映画のサンタ役は大きな帽子と白いひげで顔の大半が隠れるので、これはいったい「誰?」ということにもなりかねない。これぞクリスマス映画『三十四丁目の奇蹟』(1947)のサンタクロースは、この作品でアカデミー賞助演男優賞を受賞したエドマンド・グウェン、ヒッチコック映画にも出ている役者さん。

同作リメイクの『34丁目の奇跡』(1994)では、なるほど、これはお似合い!の、リチャード・アテンボローがサンタクロースだった。大きな袋からホンモノの恐竜が出てきそう。

画像: シュワルツェネッガーの「ジングル・オール・ザ・ウェイ」には大量のサンタ姿が

シュワルツェネッガーの「ジングル・オール・ザ・ウェイ」には大量のサンタ姿が

アーノルド・シュワルツェネッガーがクリスマスの超人気プレゼントの争奪戦を繰り広げる『ジングル・オール・ザ・ウェイ』(1996)。この映画に出てくるサンタクロースはジェームズ・ベルーシ。プレゼントの予約を忘れた親の弱みにつけこむ、タチの悪いサンタである。

『クリスマス・クロニクル』(2018)のカート・ラッセルは、ふさふさのシルバーヘアとひげがむちゃくちゃかっこいいサンタクロース。衣装もステキで、こんなサンタが来てくれるなら是非とも徹夜で待ちたい。

画像: 「クリスマス・クロニクル」(2018)のカート・ラッセルはむちゃくちゃかっこいい

「クリスマス・クロニクル」(2018)のカート・ラッセルはむちゃくちゃかっこいい

ロマンスも生まれるのがクリスマスのいいところ

一年に一度のクリスマスだから、人の心がふわりとするのも当然か。映画のなかでは、クリスマスを背景に、ロマンスも数かぎりなく生まれてきた。

クリスマス映画にかなりの頻度で登場するのがクリスマスセーターなるもの。トナカイや雪だるまが編みこまれた、普段だったら絶対!に着ない(着たくない)柄のクリスマスカラーの派手なセーターは、みんながイヤがるクリスマスの伝統、風物詩らしい。

『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)のブリジット(レネー・ゼルウィガー)が実家で紹介(正確には再会)されたマーク(コリン・ファース)が着ていた、なんともいえない大きなトナカイの柄が編みこまれた緑色のセーターは、ぞっとするほど印象的。恋の始まりとして、インパクトは十分すぎた。

画像: クリスマスセーターが印象的だった「ブリジット・ジョーンズの日記」(2001)

クリスマスセーターが印象的だった「ブリジット・ジョーンズの日記」(2001)

クリスマスのいくつもの出会いを描く『ラブ・アクチュアリー』(2003)もこの季節に思い出されることが多い作品。登場人物とエピソードが盛りだくさんで目移りはするけれど、肌寒い季節になぜか見たくなる映画の一本。

画像: 肌寒い季節に見たくなる「ラブ・アクチュアリー」(2003)

肌寒い季節に見たくなる「ラブ・アクチュアリー」(2003)

お互いの家を交換してクリスマスをすごそうという『ホリデイ』(2006)は、米国からキャメロン・ディアス、英国からケイト・ウィンスレットがそれぞれ相手の家にホーム・ステイすることから始まるラブ・ロマンス。美男美女にまじってジャック・ブラックがいい味を出している。

画像: リスマスに家を交換する「ホリデイ」(2006)

リスマスに家を交換する「ホリデイ」(2006)

毎年必ずこの作品は見る、と決めている人もいれば、今年はどれにしようかな、と迷う人もいるだろう。ここに紹介したものはほんの一部、是非、自分だけのクリスマス映画を見つけよう!

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