「監督にいい意味で騙されていたなという感じでした」
累計発行部数50万部突破を誇るミステリー小説「罪の声」の著者・塩田武士が、俳優・大泉洋を主人公にあてがきし、2018年本屋大賞にランクインするなど、話題・評判ともに世間の注目を集めたベストセラー小説「騙し絵の牙」(角川文庫刊)。その前代未聞の小説の実写化がついに実現。
物語の舞台は、大手出版社「薫風社」。かねてからの出版不況に加えて創業一族の社長が急逝、次期社長を巡って権力争いが勃発する。専務・東松(佐藤浩市)が進める大改革で、雑誌は次々と廃刊のピンチに。会社のお荷物雑誌「トリニティ」の変わり者編集長・速水(大泉洋)も、無理難題を押し付けられて窮地に立たされる…。
が、この一見頼りない男、実は笑顔の裏にとんでもない“牙”を秘めていた! 嘘、裏切り、リーク、告発。クセモノ揃いの上層部・作家・同僚たちの陰謀が渦巻く中、新人編集者・高野(松岡茉優)を巻き込んだ速水の生き残りを賭けた“大逆転”の奇策とは⁉
主人公の雑誌編集長・速水役には、もちろん本作の主人公としてあてがきされた、国民的人気俳優の大泉洋。他、大泉と映画初共演で吉田組には『桐島、部活やめるってよ』以来となる松岡茉優の他、佐藤浩市、宮沢氷魚、池田エライザ、中村倫也、佐野史郎、木村佳乃、和田聰宏、坪倉由幸、斎藤工、塚本晋也、リリー・フランキー、小林聡美、國村隼など日本を代表する超豪華俳優陣が大集結。それぞれがクセモノ揃いのキャラクターを見事に演じ、崖っぷち出版社を舞台に繰り広げられる、仁義なき騙し合いバトルが誕生した。
日経エンタテインメント!の「2020年版タレントパワーランキング」で男優部門第1位、まだ記憶に新しい「第71回NHK紅白歌合戦」での白組司会、2022年NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」など、もはや国民的俳優として揺るがない地位を築いたと言っても過言ではない活躍振りの大泉洋。
大泉といえば、興収30億円超えの『新解釈・三國志』などでの究極のボヤキを連想する人も少なくないだろうが、今度の大泉洋は一味違う。彼が演じるのは、売上低迷で崖っぷちの大手出版社に現れたビックマウスな男・速水。しかし、その笑顔の裏には“とんでもない“もうひとつの顔が、隠されていた! 今度は大泉洋に、日本中がダマされる‼
このたび解禁されたのは、そんな大泉洋が役作りや、共演者である松岡茉優、佐藤浩市、そして吉田大八監督について語ったインタビュー映像。またあわせて新たな場面写真も解禁され、伝統ある文芸誌編集部の一員として誇りを持って働いている高野の実家である書店に突然訪れた速水や、社内で改革派の急先鋒に立つ東松を演じた佐藤浩市の姿も切り取られている。
インタビューは以下の通り。
Q:速水を演じて
「“何を考えているのかわからない”という、そういう人を常に意識していたという感じですかね。彼なりのポリシーや真実があるんだろうけど、それがまわりには伝わらない。監督からもそういう指示がすごく多かったので。飄々としているけど、本当のところはよくわからないという人を、微妙な振り幅の中で演じていました」
Q:松岡茉優さんとの共演について
「松岡さんはいつも話をするときに『我々は』と、僕と松岡さんをまとめて言ってくれるんです。そのたびに一緒にしちゃってごめんなさいねって向こうも言うんだけど、確かに似てる。考え方がいろいろ似てる。我々みたいなのすごく苦労しますよ!みたいなことを彼女が言うんだけど、現場もたくさん気をつかって楽しくしてくれているのかなと思いながら見ていました」
Q:佐藤浩市さんとの共演について
「私の短い役者キャリアの中でも多い方ですね。佐藤浩市さんとの共演は。本当にありがたい事なんですけども。その都度緊張するというか。決して周りを緊張させることは何もしてない人なんですけどね。怒ったりもしないし、「ちゃんとやれよ!」みたいなこともないし(笑)。すごい気さくで、良い方なんだけど、やっぱ佐藤浩市という存在があまりにも僕ら役者にしてみたらすごすぎて勝手に緊張するわけですよ。なんだろうね、あの、とてつもない人を凍らせるオーラというか。僕ら世代でいうと『北斗の拳』のラオウですよね。きたねー!みたいな。オーラ怪獣きたよー!みたいな」
Q:撮影中に“騙されたこと”は?
「やっぱり監督かな。最初打ち合わせで会ったときには、ものすごい話しにくい雰囲気があったんですよね。特に一番最初に会ったときは。ところが、(実際は)大変話しやすい。すごいテイクも多いって聞いていて、実際多いとは思うんだけど、永遠に撮るってこともなかったし、とってもちゃんと気をつかってくれる方で、それは騙されたなっていう感じかな。なんかかわいいんだよね、すごいかわいい。いい意味で騙されていたなっていう感じがしました」
騙し絵の牙
2021年3月26日(金)全国公開
配給:松竹
©2021「騙し絵の牙」製作委員会