ベトナム戦争で行われた極秘作戦を知る男は、なぜベトナムで暮らしているのか…
1966年4月、ベトナム戦争で多くの兵士たちの命を救うために命を捧げた空軍兵がいた。彼の名は、ウィリアム・H・ピッツェンバーガー。英雄として讃えられるはずの彼には名誉勲章は授与されることはなかった。なぜ、名誉勲章は30年も却下され続けたのか?
『キャプテン・アメリカ』シリーズのセバスチャン・スタンが、国防総省空軍省のハフマン役で
映画初主演した本作には豪華キャストが集結。マーベル・シネマティック・ユニバースのウィリアム・ハート、サミュエル・L・ジャクソン、91歳にして先ごろ惜しくも世を去った名優クリストファー・プラマー、個性派エド・ハリスとその夫人でもあるエイミー・マディガン、三度のアカデミー賞助演女優賞候補に挙がったダイアン・ラッド、これが最後の出演作となったピーター・フォンダら、錚々たる俳優が顔を揃える。
中でもひときわ異彩を放つ退役軍人キーパーを演じているのが、ロバート・デニーロの紹介で出演したマイケル・チミノ監督作『ディア・ハンター』(78)で、ベトナム戦争で大きな傷を負った帰還兵を体現したジョン・サヴェージだ。
1999年、ハフマンの元をベトナム戦争の退役軍人タリー(ウィリアム・ハート)が訪れ、自らの命を犠牲に数多くの仲間たちの命を救ったウィリアム・H・ピッツェンバーガー(ジェレミー・アーヴァイン)に名誉勲章を与えるべきだと訴える。調査を開始した彼は、残された家族や元軍人たちの証言から、知られざる英雄の勇気ある行動に心を大きく動かされていく。やがて30年以上もの間、誰もが口を閉ざしてきた「ある作戦」のことを知る。真実を知るためには、世捨て人と呼ばれる元第一歩兵師団のキーパーに会わねばならない。ベトナムに飛んだハフマンは、コートナイ・ゴム園に暮らすキーパーの驚くべき証言を耳にする。1966年4月11日、敵兵排除を企図した「アビリーン作戦」が発動。
歩兵師団は瞬く間に敵に取り囲まれ、絶体絶命の窮地に陥る。援軍の到着が遅れる中「デンジャー・クロース(隣接至近距離への砲弾)」が要請され、空軍パラレスキュー隊も救助に向かった。囮にされた兵士たちが次々と倒れる中、ピッツェンバーガーは空軍兵でありながら、銃弾が飛び交う戦場で仲間たちを救い続けた。極秘作戦「アビリーン」は機能しなかった。過酷な戦場ですべてを目撃して生還したキーパーは、過酷を極めた戦場を語り、ハフマンをある場所へと連れて行くのだが…。
キーパーはなぜ今もベトナムに暮らしているのか。そして、彼が語る「熾烈を極めた戦場」とは。その真実をぜひ本編で目撃してほしい!
【ストーリー】1999年、ペンタゴン空軍省のハフマン(セバスチャン・スタン)は、30年以上も請願されてきたある兵士の名誉勲章授与の調査を行うことになる。1966年のベトナム戦争下、空軍落下傘救助隊のピッツェンバーガーは敵兵の奇襲を受け孤立した陸軍中隊の救助にヘリで向かうが、激戦のため降下できず、彼はその身一つで地上に飛び降り、自らの命は顧みず負傷兵たちを救出していくが、ついに銃弾に倒れてしまう。ピッツェンバーガーに救助された退役軍人たちの証言を集め始めたハフマンは、名誉勲章の授与を阻みつづけた驚くべき陰謀の存在に気付く。なぜ、英雄は歴史の闇に封印され続けたのか。今、衝撃の真実が暴かれる。
監督・脚本:トッド・ロビンソン 出演:セバスチャン・スタン、クリストファー・プラマー、ウィリアム・ハート、エド・ハリス、サミュエル・L・ジャクソン、ピーター・フォンダ、ジェレミー・アーヴァイン、ダイアン・ラッド、エイミー・マディガン、ジョン・サヴェージ
2019年/アメリカ/英語/カラー/116分/原題:The Last Full Measure 配給:彩プロ