杉山すぴ豊
アメコミ系映画ライター。雑誌や劇場パンフレットなどにコラムを執筆。アメコミ映画のイベントなどではトークショーも。大手広告会社のシニア・エグゼクティブ・ディレクターとしてアメコミ映画のキャンペーンも手がける。
ゴジラとスーパーヒーローに意外なつながり!/ゲーム映画&格闘技映画が今キテる?
この原稿を書いている時にトム・ホランドのスパイダーマン3作目のタイトルが『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(Spider-Man: No Way Home)』と発表。
え?スパイダーマンが“家に帰れない”とはどういうこと?などと盛りあがってしまいました。こういうニュースを聞くとエンタメがゆっくりとですが再び動き始めた感があります。今回は僕が予告編にワクワクした2作にまつわるトピックです。
ゴジラはアベンジャーズと戦ったことがある!
『ゴジラvsコング』の予告編がついに登場!本作はハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』(2014)『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)の続編。製作会社のレジェンダリー・ピクチャーズは『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)も手掛けています。
レジェンダリーのこれらの映画はマーベル・シネマティック・ユニバースならぬモンスターバースという共通の世界観を構成しているので両者が戦う『ゴジラvsコング』が実現というわけです。
さて東宝のゴジラ映画はアメリカに輸出されもともと人気がありました。1977年にはマーベルでアメコミ化されています。僕の持っているコミックではゴジラがNYに上陸し、アベンジャーズが迎え撃つ!どうやって撃退するかというと、ワスプがゴジラの耳の穴に入り、衝撃波を出して失神させます(笑)。
ゴジラがなぜアメリカで人気キャラになったのかは諸説あるのですが、基本アメリカのモンスター物は恐竜だったり巨大昆虫だったり、生物の延長が多い。
しかしゴジラは口から破壊光線を吐くわ、通常兵器をものともしない超存在、要は“スーパーヒーロー”っぽいんですね。この奇想天外さと強さがウケたようです。
今回の映画がなぜ『ゴジラvsコング』であって「ゴジラvsキングコング」ではないかというと、勝った方が真の怪獣王になるかららしく勝敗がまだわからない以上、コングはまだキングを名乗れない説(笑)。
アメリカ版と日本版の予告は微妙に違いがあり、アメリカ版ではゴジラがコングに殴られよろめく衝撃シーンがありますが、日本版ではその後ゴジラがビンタでコングをぶっ飛ばす描写があり、東宝さんの親心を感じます。
小栗旬さんのハリウッド・デビュー作としても話題。彼が演じるのが前作で渡辺謙さんが演じていた科学者の息子さん役。噂ではメカゴジラを操る!?
真田広之さんが忍者、浅野忠信さんが雷神という超バイオレンス格闘映画登場!
おととしの『名探偵ピカチュウ』、昨年の『ソニック・ザ・ムービー』、今年の『モンスターハンター』、来年の『アンチャーテッド(原題)』(トム・ホランド出演)とゲーム原作の映画が続きますが、アメリカでは4月16日に公開される『モータル・コンバット』なる作品もその1つ。
これは92年にリリースされて以来、カルト人気を博している同名のバイオレンス格闘ゲームがベース。人間界と魔界が存亡をかけそれぞれの代表選手による格闘トーナメントを行うというもの。1995年にクリストファー・ランバート出演、映画『バイオハザード』シリーズ、そして『モンスターハンター』の映画を手掛けるポール・W・S・アンダーソンで映画化されています。
今回はあのジェームズ・ワンがプロデュース。『ソウ』『死霊館』『ワイルド・スピード SKYMISSION』『アクアマン』と、ホラー、アクション、ヒーロー物を成功させたワン監督だけに、これらの要素がすべてつまった本作はぴったりでしょう。
真田さんはスコーピオンという復讐のために蘇った忍者。浅野さんはライデンという編み笠と法衣に身を包んだ超人役です。考えてみればこの2人、MCUに出演した日本人俳優ですね。
今年はMCU初のマーシャル・アーツ・ヒーロー『シャン・チー・アンド・レジェンド・オブ・テンリングス(原題)』も公開されるし『燃えよ!ドラゴン』のリメイクも噂され、ドラマでは『コブラ会』が人気とまた格闘技映画がブームの兆し。
そういう意味でも『モータル・コンバット』に注目ですが、元のゲームが残酷ゲームの部類なので映画も予告を観るかぎりかなりグロい!決して血と汗のスポーツ映画ではなく、血がメインのスプラッター映画でもあるのでご注意!(笑)