韓国初登場No.1! 数々のホラー映画のDNAを継ぎながらも、社会派サスペンスの傑作でもある『クローゼット』がついにパッケージ化。韓国映画の底力を見せつける本作の魅力をストーリー面そして演技面からご紹介します。(文・久保田明/デジタル編集・スクリーン編集部)

家族関係そして社会にも目を向けたストーリー

これまでにも、心霊スポット探索系の『コンジアム』(2018)や悪魔祓いモノ『プリースト 悪魔を葬る者』(2015)、耽美型の『箪笥』(2003)、学校惨劇を扱った『囁く廊下ー女校怪談ー』(1998)などそうとうにコワいホラー映画を生み出してきた韓国映画界。

そのアジアのエンタメ発信地からもう一本、ハリウッドの人気作『インシディアス』(2010)シリーズにも似たモダンホラー・タイプの注目作が登場した。それが『チェイサー』(2008)『PMC:ザ・バンカー』(2018)のハ・ジョンウと『殺人者の記憶法』(2017)『感染家族』(2019)のキム・ナムギルが共演した『クローゼット』だ。

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これもコワいよ。深夜にひとりで観ているとドカーン! と来るので、けっこうビビる。でもそれだけではなく、家族の関係や、圧迫される弱き者=子どもたちの嘆きにも目を向けたサスペンス映画でもあるのだ。

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主人公は、自分の運転ミスで妻を亡くしてしまった建築家のサンウォン(ジョンウ)。生活を立て直そうと11歳の娘イナ(ホ・ユル)を連れて引っ越した森のそばの一軒家で、ある日イナが行方不明になってしまう。手がかりもなく、マスコミからは犯人と疑われ途方に暮れるサンウォンのもとに退魔師と名乗るナゾの青年ギョンフン(ナムギル)が訪ねてくる──。

シリアスからコミカルまで名優の演技の幅に唸る

韓国映画の俳優たちはただのイケメン、ただの傍役、ただの美人女優とはちがう幅広い役柄に挑むが、それは『クローゼット』でも同じだ。

いつもスーツが似合うハ・ジョンウは今回も一流建築家というスクエアな役柄だが、杓子定規で娘の悲しみは分からない。気づいても手を差し伸べる術を知らない。

画像1: シリアスからコミカルまで名優の演技の幅に唸る

そんな男が怪奇現象を通じて成長し、娘と向き合おうとするのは実力派ジョンウならではのアプローチだろう。彼を助ける退魔師役のキム・ナムギルも大好演!

心霊現象に挑むシリアスな役柄だが、なぜかお喋りで愚痴を言ったり見栄を張ったり。ユーモアが映画のいいアクセントになっている。

画像2: シリアスからコミカルまで名優の演技の幅に唸る

サンウォンに向かって、「映画『神と共に』を観ましたか?」と尋ねたり(それ、ジョンウの主演作なんだけど笑)、異界の娘イナと交信しようとするのに「これは(同様の描写がある)『インターステラー』方式です」と解説したり。ユーモアを加味したヒット作『ポルターガイスト』という気配もある。

『無頼漢 渇いた罪』(2015)でナムギルと共演し、悪役男優として評価が高いパク・ソンウンが事件のカギを握る中年男役で特別出演。出番は少ないが、ここでもギラリとした存在感を披露する。韓国映画は俳優の王国。改めてそれに拍手を送りたくなる。

登場人物

サンウォン(ハ・ジョンウ)

画像1: 登場人物

妻を亡くした悲しみを仕事に没頭することで紛らわせようとする建築家。娘に望み通りの物を買い与えて慰めようとするが、その心中に寄り添おうとはしない。それに気づいたとき、意を決して異界へと旅立つ。

ギョンフン(キム・ナムギル)

画像2: 登場人物

霊媒師だった母親の血を引く若き退魔師。不可思議な母の死因を調べる目的もあり、各地の心霊事件を追っている。祈祷やお札だけでなく、科学装置や監視カメラを利用して調査をする現代的な理系エクソシストでもある。

『クローゼット』Blu-ray&DVDコンボ
2021年4月28日(水)発売

監督:キム・グァンビン
出演:ハ・ジョンウ(声:内田夕夜)、キム・ナムギル(声:平川大輔)、ホ・ユル(声:溝口華央)

価格:5,720円(税込)
販売元:ハピネット・メディアマーケティング
映像特典:予告編(日本版/海外版)、キャラクター予告、メイキング映像、海外版特報

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