17歳の少女たちが向き合う世界を鮮やかに活写した物語
主人公はペンシルベニア州に住むオータム。愛想がなく、友達も少ない17歳の高校生だ。ある日、オータムは予期せず妊娠していたことを知る。
ペンシルベニア州では未成年者は両親の同意がなければ中絶手術を受けることができない。同じスーパーでアルバイトをしている、いとこであり唯一の親友スカイラーは、オータムの異変に気づき、ふたりで事態を解決するため、ニューヨークへ向かう……。
少女ふたりの旅路は、どの国にも通じる思春期の感情と普遍的な問題をあぶり出す。17歳の少女の瞳を通して浮かび上がるこの世界をみずみずしく活写した作品だ。
解禁となったポスタービジュアルは、主人公オータム(ビジュアル右:シドニー・フラニガン)といとこのスカイラー(左:タリア・ライダー)が肩を寄せ合う、少女たちの信頼関係が伝わってくる印象的なビジュアルとなっている。彼女たちの瞳には、一体どんな世界が映し出されるのか――。
『ムーンライト』のバリー・ジェンキンスが製作に名を連ねる
また、「自分で選ぶ未来のために」という彼女たちのこれからを想起させるキャッチコピーが添えられている。
解禁となった90秒予告編は「男だったらと思う?」というスカイラーの問いかけから始まる。次のショットではエコー画面とオータムの腹部から顔のアップまでが印象的に映し出される。「母親になる自信がない」という言葉に呼応するように、いとこのスカイラーがお金を盗み、ふたりはバスに乗り込んでニューヨークへ向かう。
ニューヨークに着いたふたりは、重いスーツケースを抱え、慣れない土地で一夜を過ごす場所を探すなど、なんとか目的を果たそうとするが、地下鉄では男性にニヤついて見つめられ、時には太ももを触られるなど、女性ならではの痛みにも向き合わなければならない。
たどり着いたクリニックでのやり取りが秀逸だ。「4択で答えて――“一度もない、めったにない、時々、いつも”」という原題でもある問いにオータムは涙を流す。「悲しみに気づいたとき、ただ隣にいてくれた」というナレーションと共に最後は笑顔が見られる、少女ふたりの連帯感を感じさせる予告編となっている。
主役のオータムを演じたシドニー・フラニガンは、本作が長編映画デビューでありながら、等身大の演技が絶賛され、第86回ニューヨーク映画批評家協会主演女優賞、第41回ボストン映画批評家協会主演女優賞など、数々の俳優賞を獲得している。
監督のエリザ・ヒットマンは、性的アイデンティティに悩む青年を描いた第二作「ブルックリンの片隅で」(17/Netflix配信)で、2017年サンダンス映画祭監督賞を受賞し、一躍注目を集めた新進気鋭の女性監督。また、『ムーンライト』の監督・脚本のバリー・ジェンキンスをはじめ強力なプロデューサーが製作に名を連ねている。
17歳の瞳に映る世界
2021年7月16日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー
配給:ビターズ・エンド、パルコ
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