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かつて地球を破壊した未知の生命体・ガウナと、生き残った人類が暮らす巨大宇宙船「シドニア」を守る者たちとの戦いを描くアニメーション作品『シドニアの騎士』。弐瓶勉の人気マンガを原作とする同シリーズの完結編『シドニアの騎士 あいつむぐほし』が6月4日(金)より劇場公開される。本作で監督をつとめた吉平"Tady" 直弘はどんな想いで作品づくりに臨んだのか。インタビューをお届けする。

この作品への愛の深さは誰にも負けない

― テレビシリーズから『シドニアの騎士』の制作に参加されていますが、完結編ともいえる本作で監督を務めることになった際のお気持ちはいかがでしたか。

『シドニアの騎士』は、TVシリーズ第1期が静野(孔文)監督、第2期が瀬下(寛之)監督と引き継がれ、それぞれの監督の個性によって描かれながら作品が大きくなり、熟成してきた作品だと思っています。そこにさらに自分が個性や色を出すという監督としての重責をすごく感じました。

画像1: この作品への愛の深さは誰にも負けない

それと同時に『シドニアの騎士』は自分の人生を変え、監督業に入っていくきっかけとなった作品でもあるので、「この作品への愛の深さは誰にも負けない」「自分が責任を持って完結させるぞ」という大きな喜びもありましたね。

―監督は本作におけるラブストーリーの立ち位置をどのように考え、作品を作り上げていかれたのでしょうか?

企画段階から、この完結編は派手な戦闘アクションによる帰結ではなく、SFの世界で描かれるラブストーリーであることを、原作者の弐瓶さんも含めみんなが強く意識していました。

本作においては3つの軸を考えていて、まず1つ目に人類対ガウナの壮絶な戦い、2つ目に小林艦長や落合たちの抱え続けてきた想いの物語があり、3つ目として長道とつむぎのラブストーリーが主軸として加わり世界が完結していく。3軸が絡みあう複合的なストーリー構造でもあります。

画像2: この作品への愛の深さは誰にも負けない

また、ラブストーリーの感情や心情をどうやって描くか、これまでのシドニアの世界の描き方にも寄り添いながら、プレスコ(*音声を画よりも先に録音すること)やコンテワークによって、本作ではより豊かで強い情感表現にしていこうと。台詞だけでなく、言葉の外にあるキャラクターの想いを大切にして描こうと作品を作っていきました。

完結編として最高のシドニアを

―主人公・谷風長道役の逢坂良太さんには、どのような指示をされましたか。

逢坂さんには「“長道自身の朴訥さ”と“何かに立ち向かう際の強さ”という異なる面を持つ長道の性質はそのまま変えずに、それを10年成長させて演じてください」と難しい注文をしました。それに見事に応えてくださって、長道らしく、さらに凛々しく、そして感情に溢れた、今の逢坂さんだからこその素晴らしい演技をしてくれたと思います。

―ヒロイン・⽩⾐⽻つむぎ役の洲崎綾さんにはどのようなオーダーをされましたか。

台本にはつむぎの内面の感情まで記載していて、その感情の強さがどのようなものなのか、自分の本音を何割出しているか、まわりのキャラクターたちとの関係において、感情を何パーセント出して言葉で伝えるのかといった、とても難しいオーダーをしています。洲崎さんはこちらの要望以上の素晴らしい演技でそれに応えてくれて、つむぎの感情をとても豊かに表現してくれました。

画像: (左から)⽩⾐⽻つむぎ(声:洲崎綾)、谷風長道(声:逢坂良太)

(左から)⽩⾐⽻つむぎ(声:洲崎綾)、谷風長道(声:逢坂良太)

―つむぎの感情表現がとても豊かだと感じました。

人間と違い目や口、さらに眉毛も表情筋もないキャラクターなので、前シリーズからの表現に加えて、洲崎さんの演技のトーンや声色の変化、つむぎのシルエットやポーズの見せ方、さらにそれを受け取るまわりの演技も含めて、今回は感情表現をコンテ段階でしっかりと練り上げるかたちで進めました。さらにアニメーターたちに深い「つむぎ愛」があったので、どんどんアドリブで可愛らしい仕草が加わっていきました。楽しく表現の追求ができたと思います。

―本作はTVシリーズ第2期の10年後を描いていますが、長道、つむぎをはじめとするキャラクターを描く中で10年という時間をどのように意識されましたか?

まず長道が少年から青年に変わったことが本作の非常に大きなポイントだと思います。僕らの生活でもそうですが、例えば社会人になったときに向き合う葛藤ややるせなさ、あるいは「こんなはずじゃなかった」という感情など、自分の内面や振る舞いは環境の変化によって影響を受けて変化していきますよね。

画像1: 完結編として最高のシドニアを

また、祖父である斎藤ヒロキが仲間と離れて過ごした時間とは違う10年があります。仲間たちと一緒に暮らす楽しさもあれば、シドニアの英雄として社会的な責任を負わされ、内面の成長を含めて本当の意味で大人になっていく成熟の途中でもあります。そこで生まれる長道本来の朴訥とした性格と社会的人格とのギャップや葛藤もキチッと描いていこうと意識しました。

―実際にTVシリーズ第2期から6年が経っていますが『シドニアの騎士』への想いに変化はありましたでしょうか?

今回はまず完結編として今までで最高のシドニアをという強い熱量があって、そして静野監督や瀬下監督の作品の描き方も継承しつつ、自分なりの描き方も取り入れて、作品全体の大きなサーガとして編み上げていこうと、監督としてそんな想いで必死に取り組んでいましたね。

―最後に読者に向けてメッセージをお願いします。

本作は原作・弐瓶勉さんの唯一無二の世界観の中で、仮想未来の人々の振る舞いや想いがどんな形で結実するかを意欲的に描いたドラマ作品です。

画像2: 完結編として最高のシドニアを

アクションシーンは音響演出と映画館の音響によって圧倒的な迫力があり、ドラマシーンは声優さんたちの素晴らしい芝居をもって深い心理描写ができていると思います。ポリゴン・ピクチュアズとしてもセルルックCG技術の集大成的な作品として、また作品への情熱を込めて本作の映像を作り上げてきました。ぜひ劇場で、この世界を体感してください。

画像3: 完結編として最高のシドニアを

PROFILE
吉平"Tady"直弘(よしひら たでぃ ただひろ)

映像演出家。『シドニアの騎士』シリーズには、テレビシリーズ第1期(2014)より参加。テレビシリーズ第2期『シドニアの騎士 第九惑星戦役』(2015)では副監督/演出を務めた。その他代表作に、テレビアニメ『空挺ドラゴンズ』(2020、監督)、劇場アニメ『BLAME!』(2017、副監督/CGスーパーバイザー)、劇場アニメ『GODZILLA』3部作(2017~2018、演出・副監督など)がある。

『シドニアの騎⼠ あいつむぐほし』は6⽉4⽇(⾦)全国公開!

『シドニアの騎⼠ あいつむぐほし』
6⽉4⽇(⾦)全国公開

画像: 『シドニアの騎士 あいつむぐほし』 | 劇場アニメーション映画 本予告① www.youtube.com

『シドニアの騎士 あいつむぐほし』 | 劇場アニメーション映画 本予告①

www.youtube.com

【STAFF】
原作/総監修:弐瓶勉『シドニアの騎⼠』(講談社「アフタヌーン」所載)
総監督:瀬下寛之
監督:吉平"Tady"直弘

【CAST】
⾕⾵⻑道:逢坂良太
⽩⾐⽻つむぎ:洲崎綾 ほか

【STORY】
未知の生命体・ガウナに地球を破壊され、生き残った人類は巨大な宇宙船「シドニア」で旅を続けていたが、100年ぶりにガウナが出現。再度危機に瀕する人類だったが、人とガウナから生み出された白羽衣つむぎや人型戦闘兵器・衛人のエースパイロットである谷風長道の活躍により、ガウナをいったんは撃退する。

それから10年。シドニアの人々はつかの間の平和を楽しみ、つむぎも、今やシドニアの英雄となった長道に想いを寄せながら、穏やかな日々を過ごしていた。しかし、ガウナがいる限りこの平穏は長くは続かない。シドニアの艦長・小林は最終決戦を決断し、最後の戦いがついに始まる。

©弐瓶勉・講談社/東亜重⼯重⼒祭運営局
配給:クロックワークス

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