8.13公開『ジュゼップ 戦場の画家』予告編
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愛する人との再会を胸に、どんな現実も描くことで生き抜いた男の感動の実話
1939年スペイン内戦により、避難先のフランスの強制収容所で難民となった実在の画家ジュゼップ・バルトリ。愛する人との再会を胸に、どんな現実も描くことで生き抜いた男の感動の実話。メガホンをとったのは、フランスの全国紙「ル・モンド」などのイラストレーターとして活躍してきたオーレル。ジュゼップが収容所で記した鮮烈なスケッチに触発され、10年の歳月を費やし本作を完成。長編アニメーション監督デビューにして、セザール賞やリュミエール賞などヨーロッパの映画賞を総ナメし、東京アニメアワードフェスティバル2021で審査員をつとめた片渕須直監督が絶賛し、コンペティション部門長編アニメーショングランプリを見事獲得した。また、公開を前にして「文部科学省選定（青年向き）」、「文部科学省特別選定（成人向き）」を獲得。文化も社会背景も異なるここ日本で、数ある作品の中から、本作の普遍的なテーマが教育上ふさわしいものとして選ばれた。
フランスの全国紙「ル・モンド」などのイラストレーターとして活躍してきたオーレル監督。監督は、権力、国家、宗教、臆病な国際社会のリーダーたちへの批判が内包されたジュゼップのスケッチに、彼の想いを理解し、引き継ぎ、自分のペンによって現代によみがえらせたいという衝動に突き動かされ、10年の歳月を費やしアニメーション映画化。それには、スケッチでは表現できない動き、音響、音楽、呼吸、リズムなどあらゆるものが必要だったが、ジュゼップの作品に敬意を表し、本作を手がけるうえで多くの挑戦をした。
「実写には決してない、絵が全てを伝える力を伝えたい。」
オーレル監督は、「私はアニメーションを選択したことだけでなく、絵が本質的に全てを伝える力を持っているという点を主張したい。これは実写映像には決してない力だ。」と語り、続けて「本質をむき出しにするため色彩すら最低限に抑えた。色彩は絵を補強するが、埋没させたり置き換えたりしてはならない。絵はショートカット（近道）の芸術だ。道を急ぐための近道ではなく、観客や読者の視線を本質へと導く近道だ。」とアニメーションの魅力を力強く語る。
具体的には、ジュゼップの精神世界を投影するため、ジュゼップが絵を描くシーンを多用し、彼のスケッチや絵画をスクリーンに映しアニメ化した。ジュゼップの人生のステージに合わせてグラフィックも発展させ、線の描き方も色の使い方も物語の展開に合わせて変えていった。こうして雰囲気を変えることによって、観客は映画に描かれる５つの時代を理解し、時代ごとのジュゼップの作品が持つ魂を感じとることができるよう表現した。
アニメ作品としてもユニークな特徴が際立つ本作は、時代ごとに変化を遂げるヴィジュアルの豊かさにも目を奪われる。デッサンや水彩画を彷彿とさせるオーレルの素朴にして繊細な画風は、収容所の悪夢的な閉塞感を生々しく表現する一方、ジュゼップが亡命先のメキシコでフリーダ・カーロと愛を育んだ日々をヴィヴィッドな色使いで描き上げた。
戦禍の時代と、20世紀をペンを握りしめ生き抜いたアーティストの”魂の旅”を映像化した本作は、絵を描くこと、そして生きることの素晴らしさを伝えてくれる。混迷の時代、今こそ語り継ぎたい、あなたへ贈る希望の物語。続報に注目だ。
ジュゼップ 戦場の画家
2021年8月13日(金) 、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
配給：ロングライド
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