主演のちさとを演じる髙石あかりさんに登場いただき、役柄について語っていただき素顔にも迫りました!
‟殺し屋映画のイメージを覆してくれると思います!”
――高校を卒業したばかりの殺し屋コンビの映画と聞くと、アクションやバイオレンスを想像すると思いますが、フツーに女子同士の友情物語なんですね?
そうです、そうです!
――相棒を演じた伊澤彩織さんとは以前にも共演なされていますよね? どのぐらいぶりだったんですか?
前作の『ある用務員』の撮影から1~2か月後にオファーを頂き、『ある用務員』の公開時には既に撮影し終わっていました(笑)。前作の撮影時に、本作の阪元(裕吾)監督とも初めてお会いしました。『ある用務員』を観た関係者の方が、‟二人の殺し屋コンビがまた見たい”とおっしゃってくれたみたいで、また伊澤さんと共演することができました。
――その作品の時とキャラ的なものは違いはありましたか?
もしかしたら、「同じ人」って思われる可能性もあるかもしれませんが、演じている側からすると違う人の印象ですね。伊澤さんもそれはおしゃってました。
――お二人にスポットを当てた今作のお話を聞いて、いかがでしたか?
前回の撮影が、すごく楽しくて。監督が「好きにやっていいよ」と私たちに色々と委ねて下さる方だったので、また自由に演じさせてもらえるということにワクワクし、ポジティブな感情の方が大きかったです。
――アクションとか激しい動きが多かったのですが、アクションの経験は?
元々、動くのが大好きだったんです、こんなに本格的なアクションは初めてでした。今回、ガンアクションをしっかりやれると伺って嬉しかったですね。ただ、やってみると思った以上に難しくて(笑)。
――普段手にしないものを持って動きますもんね!
正解が分からなかったんです(笑)。伊澤さんとアクション監督の園村健介さんに、立ち方とか、銃を使った時の振動の伝わり方とか細かい動きまで教えてもらいました。
――普通の生活の平行線上に殺し屋のお仕事がある二人ですが、演じ分けとか難しくなかったですか?
演じたちさとちゃんは、日常の中に「殺し」がある女の子なので、むしろはっきり切り替えない方が面白いなと思っていました。トーンは基本変えずに、ただ撃つときは目力は少し強くなど意識しながら演じていました。
――じゃあ、一般の社会人を演じる方が大変(笑)?
はい。絶対そうだと思います(笑)!
――社会を知らない、ちょっと不適合者な子たちですもんね。そんな二人に共感できるところってありました?
喋っている日常会話で言うと、「殺し」のことは、当然わからないんですけど(笑)。二人のお家での日常パートで、洗濯機が壊れたから殴ってみようっていうシーンがありましたよね? 実際、私も似たような経験がありました(笑)。あと、‟肉のハナマサ”さんが最高というところ(笑)。自分もお肉を食べると「うまいうまい!」と幸せに言うところとか、分かる~と思いました。
――ちょっとダメな女としては、自分もわかりみがありました(笑)。
職業にかかわらず、学校を卒業して自立生活を始めるって難しいですよね(笑)。そういう細かいところにも、監督はイメージを膨らませてくれるんですよね(笑)。
――細かいところで、他に遊んでいるシーンってありますか?
だいたい遊んでましたけど(笑)。最初の方で、喫茶店の店員としてバイトをしているシーンで、辻(凪子)さん演じる先輩に「マンゴーを取って」と言われて、探しても全然見つからないシーンがあったんです。ふざけて、何回も探して、結構長くやっていたら、編集できられず、そのまま生かされました(笑)。
――髙石さんって、あまりバイトの経験ないと思うんですけど、憧れてるバイトってありました?
マクドナルドの店員さんか、誰も知らないような喫茶店の店員さんとかやってみたかったですね。
――じゃあ、辻さんのシーンとかで実現できたのでは?
そうですね! 理想はもっと、白髭の渋いマスターとかがいるコーヒー屋さんですね。あと、ガソリンスタンドとかの店員さんもやりたかったですね。
――大変そうじゃない? 結構短時間でやることがあって。
言葉遣いとかも大変そうですよね。でも、やりたいです。いちばん最後に、元気よく「ありがとうございましたぁ!」って言ってみたい(笑)。
――逆に、苦手そうなバイトは?
厨房とか。調理する方ですね。人と会話がない仕事が苦手……というか、バイトするなら人と関わっていたいです。
――ちさとを見ていて、特徴的だと思ったのが、メイクだったんですけど。
確かに、赤色とかピンクとか、暖色系の目立つ色を使いつつ、目元がギラギラするように……。
――そう。目元が落ち着いた色味なんですが、ラメが効いててすごく強調されてた気がしたんですよね。
それは、メイクさんと話していたことかもしれません。ちさとの元気さや若さを出したいねと話しました。
――対して、まひろちゃんはヘアスタイルは特徴的ですが、アクション部分以外は脱力(笑)。でも、お二人の気心も知れているからか、会話も空気も自然でした。髙石さんが自分の親友に求める条件ってあります?
1人親友がいるんですが、すごく女の子らしい子ですね。守ってあげたくなるような女友だちです。そうするとまひろにも近いと言えるのかな? どちらかと言えば、自分が男で、相手が女の子みたいな立ち位置の友人関係はあるかもしれませんね。映画の中でも、まひろとのシーンで、頭をよしよしよし!ってわしゃわしゃするシーンがあるのですが、私は相手にそうしたくなるタイプですね。
――実際の親友とはどういう話題で盛り上がってる?
私も親友の子もアニメが好きなんですけど、アニメの話を永遠にしていますね。
――好きな話がずっとできる相手!
同じアニメにしても、見方がお互いに違うし、自分と似ていないので……そこが彼女の魅力ですね。
――ちなみに、SCREENはアニメ映画なども紹介している映画雑誌なのですが、好きな作品ってありますか?
ブラック・ウィドウの表紙(8月号)にゾクゾクしていました。最近、『アベンジャーズ』を全部観たばかりです。ステイホームの時期になって、ようやく観たかった作品に手を出すことができました。作品としてすべて面白いんですけど、役者さんもすべて魅力的で。自分たちより何ステージも高いところでのお芝居にワクワクして夢中で観ています。
――参考にしたアクションスターとか、ヒーローとかいます?
ちさととまひろは、絶対スーパーヒーローにはなれないんですけど(笑)。実はちさとはアニメっぽく役作りしたんです。人間らしさとはちょっと離れた部分があったので、演じる上で「アニメを見て育ってきてよかった」と思いました。ひとつ、監督からも、あるアニメ作品でのバディを参考に観ておいてと言われていたんですよね。
――ちなみに、好きなアニメ作品って何かあります?
毎回‟好きって何だろう”って悩むんです。知識があればそれは好きなのか? 観終わった後の感情の高ぶりが好きってことなのか? 知識だけで言うと、『銀魂』がいちばんだと言っていいのでは? と(やや早口で語る)。
――では、最近、感情が揺さぶられた作品は?
『ブラッククローバー』というアニメです。ジャンプ作品なのですが、ヒーローものです。小さい頃からジャンプ系のアニメ作品が好きで、今でもよく見ます。
――役柄もそうですが、男の子っぽい部分も多いんですね!
そうかもしれません。
――最後に、映画の中で観て欲しいアピールポイントは?
高校を卒業したばかりの二人の女の子の殺し屋が、ただただお鍋を食べたり、ソファで寝転んでいたりする、そういう日常的なシーンが多く含まれている作品です。殺し屋映画というイメージを大きく覆してくれると思います。男性女性関係なく、多くの人に楽しんでもらえるような作品になったと思います!
髙石あかり
2002年12月19日生まれ、宮崎県出身。2014年、『キラットエンタメチャレンジコンテスト2014』にてナルミヤオンライン賞を受賞。2019年より女優として活動を始める。2020年、舞台『鬼滅の刃』にて竈門禰豆子役を演じ注目。上演中の舞台『「鬼滅の刃」其ノ弐 絆』にても禰豆子役を続投。
ベイビーわるきゅーれ
8/20(金)~池袋シネマ・ロサにて公開
※8/20(金)~シネ・リーブル梅田ほかにて公開
出演:髙石あかり、伊澤彩織、三元雅芸、秋谷百音、うえきやサトシ、福島雪菜/ 本宮泰風
監督・脚本:阪元裕吾
アクション監督:園村健介
配給:渋谷プロダクション
(c)2021「ベイビーわるきゅーれ」製作委員会