平凡な男が“スパイの掟”を遵守しながら任務に挑む本編映像
米ソ冷戦下を背景に、CIAとMI6からスパイとしてリクルートされたイギリス人セールスマンのグレヴィル・ウィン(ベネディクト・カンバーバッチ)。新規顧客の開拓という名目でモスクワ入りした彼は、ソ連の高官オレグ・ペンコフスキー(メラーブ・ニニッゼ)と接触を図る。ペンコフスキーこそ、世界平和のために祖国ソ連を裏切り、命を懸けてアメリカにソ連の核爆弾情報を暴露した密告者だった。
今回解禁された映像で描かれるのは、ペンコフスキーの説得を受けスパイとしてモスクワ往復を引き受けたウィンが、ペンコフスキーが語る“スパイの掟”を思い出しながら任務をこなしていく場面。
「誰もがKGBだと思え。店員、ホテルの従業員、運転手、全員だ。捜査官ではなくても、タレコミ屋かもしれん。みんな監視し合っている」、「屋内では盗聴に警戒を。イギリス大使館は特にだ。誰が読唇術を使っているかわからない」、「ありふれたビジネスマンとしての存在を売り込め」。
掟を守り、クーリエ(運び屋)としての任務を黙々とこなすウィンだが、CIAとMI6のリクルーターに「一つ約束してほしい。僕に万一のことがあったら、妻子の生活を保証すると」と念を押す。彼が平凡な男であることを思い出させる重要なセリフとなっている。
「イギリス」「スパイ」といえば、スパイ映画の代名詞『007』シリーズが思い浮かぶが、カンバーバッチもスパイものに憧れを抱いていたようで「役者にとってスパイは興味深いごちそうだよ! 本性を隠して他人になりすます場面が必ずあって、しかもその転換が素早く突然だからね」と本作でのスパイ役を演じる喜びを語っている。
念願のスパイ役を手にしたカンバーバッチ扮するウィンは、最後までスパイの掟を守り、自らの家族を、そして世界を救うことができるのか?ぜひ劇場で確かめてほしい。
小島秀夫、池田邦彦、津久田重吾ら各界著名人からのコメントも到着
また、本作に魅せられた各界の著名人からのコメントも到着。 核の脅威に晒された世界を舞台にしたゲーム「メタルギア」シリーズの生みの親でありゲームクリエイターの小島秀夫や、ソ連と米英によって分割統治を受けた架空の戦後日本を舞台にした漫画「国境のエミーリャ」の作者・池田邦彦、その監修協力の津久田重吾。さらに、ロックミュージシャンの大槻ケンヂ、作家の森村誠一、軍事評論家の小泉悠、さらには作家・国際政治ジャーナリストの落合信彦など、多種多様なジャンルの著名人からコメントが寄せられた。
東西分断、冷戦、鉄のカーテン、キューバ危機。ほんとうに世界が破滅するかもしれないという当時の緊迫感は、本で読んでもなかなかピンとこないのですが、この作品ではひりつくような恐怖として肌に感じられ…。いやあ、凄い映画です。
―池田邦彦(漫画家「国境のエミーリャ」)
キューバ危機の前、核戦争で人類は滅びるだろうとみんな何となく思っていた。でも、喉元過ぎると忘れてしまう。この映画を観て、あの時代のひりひりした感じを思い出してほしいと思う。
―内田樹(思想家)
静かに、だが確実に熱く高まって行く冷戦スパイ・サスペンス。歴史の勉強にもなりますね。そしてベネディクト・カンバーバッチが体張ってる。
―大槻ケンヂ(ロックミュージシャン)
1962年10月のキューバ危機、アメリカの大学生であった私は当時の緊迫した空気を生に感じていた。学生達は真剣であり、泣き出す女子学生達もいた。史上最も危険な13日間であったことは事実である。良くぞケネディはフルシチョフとの交渉で回避ができたものだ。その回避に命を懸けた者達の映画であり、今後起こり得る米中戦争、日本の立ち位置を暗示させる貴重な映画だ!
―落合信彦(作家/国際政治ジャーナリスト)
どこで盗聴され、誰に監視されているかわからない――。いまや歴史の物語になった「冷戦」をスリリングに活写。かつて「ソ連」を現地で垣間見たことのある者として、あの社会独特のピリピリした緊張感を思い出した!
―黒井文太郎(軍事ジャーナリスト)
終始不穏な気配に支配されたスパイ映画として。人類の運命を担うことになった二人の男の物語として。そして彼らが愛した家族の物語として。本作の読み解き方は多様であろう。あなたならどう読むか、是非お試しあれ。
―小泉悠(軍事評論家/東京大学先端科学技術研究センター特任助教)
冷戦下を舞台にした諜報映画の傑作がまた生まれた。史実に基づいた作品であり、全盛期のスパイ小説の面白さに匹敵する。キューバ危機は僕が産まれる直前の事件だが、幼少期、米ソ間の核戦争勃発の危惧は日常的に感じていた。あの頃の恐怖と緊張が蘇る。
―小島秀夫(ゲームクリエイター)
スパイの最大の武器は友情である。強い絆があるからこそ彼らは命をかける。それが祖国を裏切る行為であっても、家族を欺く行為であっても、いつか平和をもたらすと信じている。これはそんな男たちの映画だ。
―津久田重吾(小説家/「国境のエミーリャ」監修)
個人的に終始淡々としたこんなスパイ物語がいちばんしっくりきます。また1960年頃のロンドンがとても正確に描かれていて幼少期が甦ってきます。キューバ危機の舞台裏にある実話に基づく静かな緊張感が素晴らしいです。
―ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
身震いするほど緊張感にあふれた怖い怖いスパイサスペンスだ。平凡なセールスマンがなけなしの勇気を振り絞って大国を相手にする姿はあまりに尊く、カンバーバッチとニニッゼの名演は見る者の魂を激しく揺さぶるだろう。
―深町秋生(ミステリ作家)
主人公二人の関係は相手のために生きて、苦しむことをいとわない深さにある。人間の条件についての物語となっている。彼らの根底にあるのは、人のために世界をより良い場所にしようとする心なのだ。
―森村誠一(作家)
東西冷戦の最中、家族と母国、そして世界を核戦争から救うために、極限の勇気を奮って行動することを選んだ二人の男。勝ち取られた成功と、その大きな代償。彼らの高潔な闘いの足跡を、われわれは忘れてはならない。
―山崎雅弘(戦史/紛争史研究家)
国家、機密、人情――これほど見事にディテールを描き切ったスパイ映画はまずお目にかかれない。この作品からは現代のスパイにも通じる諜報活動の「リアル」を体験できる。
ー山田敏弘(国際ジャーナリスト/研究者)
『クーリエ:最高機密の運び屋』は、9月23日(木・祝)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
【スタッフ&キャスト】
監督:ドミニク・クック
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、メラーブ・ニニッゼ、レイチェル・ブロズナハン、ジェシー・バックリー
2021年|イギリス・アメリカ合作|英語・ロシア語|
カラー|スコープサイズ|5.1ch|112分|原題:THECOURIER|G
配給:キノフィルムズ 提供:木下グループ© 2020
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