声を殺しての筆談。そしてタバコの箱に隠されたものとは?緊迫感高まる本編映像
本作は、キューバ危機の舞台裏で繰り広げられた知られざる実話を基に、核戦争回避のために命を懸けた男たちの葛藤と決断を描いたスパイ・サスペンス。今回解禁されたのは、盗聴を警戒して喋らず、計画書はタバコの箱に隠して渡すなど、緊迫した瞬間が映された本編映像。
映像は、CIA(アメリカ中央情報局)とMI6(英国秘密情報部)からスパイとしてリクルートされたイギリス人セールスマンのグレヴィル・ウィン(ベネディクト・カンバーバッチ)が、CIAのエミリー(レイチェル・ブロズナハン)がモスクワのアメリカ大使館でグレヴィル・ウィンと秘密裏に筆談で会話を交わすシーンからスタート。二人っきりの一室でなぜ筆談なのか?それは大使館であっても盗聴されている可能性があるからだ。
グレヴィル・ウィンが紙に「彼に伝えた」と素早く記すと、エミリー・ドノヴァンは静かに一箱のタバコを渡す。しかしタバコはソ連当局の目を欺くフェイク。中にはソ連からの脱出計画書が隠されている。それを渡す相手である“彼”こそ、ソ連高官の一人であるオレグ・ペンコフスキー(メラーブ・ニニッゼ)。世界平和のために愛する祖国を裏切り、命を懸けてアメリカにソ連の核爆弾情報を暴露した密告者だ。ペンコフスキーの身に危険が迫ったことを察知したウィンたちは、一家を亡命させることにするのだが・・・・・・。
脱出計画を進める緊迫シーンと並行して描かれるのは、ウィンとペンコフスキーが脱出前夜に観劇するバレエ。このシーンに関してドミニク・クック監督は「実際にウィンがペンコフスキーにボリショイ・バレエに連れていってもらったという記録が残っているんです。演目を“白鳥の湖”にしたのは、何か恐ろしい結末が待っているんじゃないかということを感じさせる演目なので、選びました。」とインタビューで語っている。
美しくも切ないカンパニーたちによる演目が、スパイ活動を通して一人の人間として心を通わせるようになったウィンとペンコフスキーの心中を浮かび上がらせ、二人を待つ波瀾を予感させるような効果を生んでいる。舞台演出家としても名を馳せるクック監督だからこそ表現可能だった贅沢な名シークエンスといえるだろう。果たしてペンコフスキー一家の脱出計画は成功するのか。 そして政治体制を越えた二人の友情の行方は?いよいよ今週9月23日(木・祝)より始まる劇場公開を楽しみにしてほしい。
『クーリエ:最高機密の運び屋』は9月23日(木・祝)全国ロードショー
監督:ドミニク・クック
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、メラーブ・ニニッゼ、レイチェル・ブロズナハン、ジェシー・バックリー
2021年|イギリス・アメリカ合作|英語・ロシア語|
カラー|スコープサイズ|5.1ch|112分|原題:THECOURIER|G
配給:キノフィルムズ 提供:木下グループ
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