話題作が出揃う正月映画の中からSCREENイチオシタイトルをピックアップ! 英国の鬼才エドガー・ライト監督の4年ぶりの新作『ラストナイト・イン・ソーホー』は監督の映画・音楽愛が溢れる必見作です。

異なる時代を生きる二人が出会ったとき果たして彼女たちに何が起きるのか

『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004)『ベイビー・ドライバー』(2017)など多彩なジャンルの作品を手がけるヒットメーカーであり、世界でもっとも新作が待たれる監督の一人となった英国の俊英、エドガー・ライト。その最新作は、60年代と現代のふたりの女性の物語が交錯するタイムリープ・サイコ・ホラー。「愛なき世界」「恋のダウンタウン」など60年代の英国のヒット曲がふんだんに使用され、「最高の音楽映画」との絶賛も浴びている話題作だ。

画像: “スウィンギング・ロンドン”と呼ばれ英国の若者文化が花開いた「60年代」がテーマ

“スウィンギング・ロンドン”と呼ばれ英国の若者文化が花開いた「60年代」がテーマ

物語の舞台はロンドンの歓楽街ソーホー地区。ファッションデザイナーを夢見る田舎暮らしの少女エロイーズは都会の専門学校に入学するが、同級生たちとの寮生活に馴染めず、街の片隅で一人暮らしを始めることに。ある夜、彼女が夢の中で出会ったのは、60年代のソーホーに生きる魅惑的な女性サンディ。エロイーズは夢の中でサンディと身体も感覚もシンクロさせ、彼女の人生を体験していくが、それは悪夢のような出来事の始まりだった。

画像: 田舎から都会にやってきた主人公エロイーズに想像を絶する恐怖が襲いかかる

田舎から都会にやってきた主人公エロイーズに想像を絶する恐怖が襲いかかる

エロイーズ役には『オールド』(2021)のトーマシン・マッケンジー、もう一人の主人公サンディ役に『スプリット』(2016)のアニャ・テイラー=ジョイと今を時めく最旬女優の競演が実現。劇中には歌手役を演じるアニャの歌唱シーンも登場する。またマット・スミス、テレンス・スタンプ、ダイアナ・リグらイギリス映画界の大物たちが脇を固めているのにも注目。ダイアナは昨年9月に亡くなり、これが遺作になった。

画像: トーマシン・マッケンジー&アニャ・テイラー=ジョイという2大最旬女優が共演

トーマシン・マッケンジー&アニャ・テイラー=ジョイという2大最旬女優が共演

ロマン・ポランスキー監督の『反撥』(1965)、ニコラス・ローグ監督の『赤い影』(1973)などにインスパイアされたという本作は、ライト監督にとって思い入れが強い60年代英国の映画、音楽、カルチャーへの愛がたっぷり込められている。監督はこう語っている。「観客の皆さんにもエロイーズと一緒に旅をしていただきたいと思っています」。魅惑的でありながら恐ろしくダークな60年代ソーホーへの旅は、覚めることのない強烈な「夢」としてあなたの心に焼きつけられるはずだ。

映画をもっと楽しむための注目ポイント3

ポイント1:タイトルの由来はタランティーノ監督

画像: ポイント1:タイトルの由来はタランティーノ監督

本作のタイトルの基になったのは、イギリスのバンド、デイヴ・ディー・グループの1968年のヒット曲「Last Night in Soho(ソーホーの夜)」。この曲の使用をライト監督に勧めたのは友人でもあるクエンティン・タランティーノ監督で、「まだ作られていない最高の映画タイトル曲」として紹介したのだという。この曲は本作のエンドロールで流れ、感謝の印としてタランティーノの名前もクレジットされている。

ポイント2:映画『007』へのオマージュが満載

画像: ポイント2:映画『007』へのオマージュが満載

映画『007』シリーズが誕生したのは1962年。“スウィンギング・ロンドン”のシンボルともいえる『007』のイメージは本作に様々な形で引用されている。60年代に迷い込んだヒロインの目に飛び込んでくるのは『007/サンダーボール作戦』(1965)上映中の劇場。また出演者のダイアナ・リグは『女王陛下の007』のボンドガールである。ちなみにライト監督は次の『007』映画の監督に興味を示す発言もしている。

ポイント3:当初はアニャが主人公の予定だった

画像: ポイント3:当初はアニャが主人公の予定だった

監督によれば、当初はアニャ・テイラー=ジョイをエロイーズ役に考えていたという。しかし脚本完成時には、“絶叫クイーン”のイメージが定着していた彼女がエロイーズを演じるよりも、サンディの方が相応しいと感じるようになったという。脚本を読んだアニャもサンディを演じたいと言ったのだとか。結果として監督は「二人の役の“二重性”という意味でピッタリだと思った」と語っている。

登場人物紹介

この二人に注目!

画像: この二人に注目!

ファッションデザイナーを夢見る現代の学生
エロイーズ(トーマシン・マッケンジー)※画像左
華やかな60年代ロンドンに強い憧れを抱く現代の学生。引っ込み思案な性格で、同級生たちになじめない。普通の人には見えない“何か”が見える不思議な力の持ち主。

トーマシン・マッケンジー プロフィール

タイカ・ワイティティ監督作『ジョジョ・ラビット』(2019)のヒロイン役で注目され、『オールド』(2021)『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(2021)と話題作への出演が続く。父親は映画監督で母は女優。次回作はオリンピック体操選手ケリー・ストラグを演じる『パーフェクト(原題)』。2000年7月26日生まれ、ニュージーランド出身。

歌手になることを夢見る60年代ロンドンの女性
サンディ(アニャ・テイラー=ジョイ)※画像右
エロイーズが夢の中で出会う女性。60年代のソーホーで歌手を目指している。才能に満ち溢れた自信家。彼女とシンクロするうちに、エロイーズの現実も変化していく。

アニャ・テイラー=ジョイ プロフィール

本格デビュー作『ウィッチ』(2017)やM・ナイト・シャマラン監督の『スプリット』(2016)などで“若きホラークイーン”として人気に。Netflixドラマ『クイーンズ・ギャンビット』(2020)でスター女優となり、『マッドマックス』シリーズ最新作『フュリオサ(原題)』の主役にも決定済み。1996年4月16日生まれ、米フロリダ州出身。

ヒロインを取り巻く「ソーホー」の住人たち

画像1: ヒロインを取り巻く「ソーホー」の住人たち

ジャック(マット・スミス)
ソーホーのクラブ界に顔の利くマネージャー。歌手を夢見るサンディを世話し、恋仲になる。

画像2: ヒロインを取り巻く「ソーホー」の住人たち

ミス・コリンズ(ダイアナ・リグ)
寮生活になじめないエロイーズに屋敷の一室を提供。軽率な行動は許さない厳格な性格。

ラストナイト・イン・ソーホー
2021年12月10日(金)公開

イギリス/2021/1時間58分/パルコ、ユニバーサル映画
監督:エドガー・ライト
出演:トーマシン・マッケンジー、アニャ・テイラー=ジョイ、マット・スミス、ダイアナ・リグ、テレンス・スタンプ
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