『メン・イン・ブラック』シリーズ、『アラジン』(19)などのメガヒット作に出演し、世界的な人気俳優であるウィル・スミス(以下ウィル)。これまで『幸せのちから』(06)やボクシング界のレジェンドを演じた『ALI アリ』(01)など、人々の心を震わせる実話にも挑んできた演技派でもある彼が今回演じるのは、2人の娘を世界チャンピオンに育てあげた破天荒な父親リチャード・ウィリアムズ。
ウィルは実在する人物リチャードの役作りのために、単に本人を真似るのではなく、彼が歩んだ道筋を辿ったという。「彼はテニスについて何も知らなかった。ビーナスが生まれる前の2年間、彼と妻のオラシーンはテニスについて独学で学び、一緒にそのスポーツを習得したんだ。家族で学んでいて、その一歩一歩が新しいことばかりだった」と、テニス経験ゼロで挑戦した父と母の奮闘を心に刻んでいる。
リチャードの役作りのヒントになったのは、自身の実娘とのつながりだった。「何がその役に入り込めるきっかけになるのかわからない。警察官を演じる場合、初めて銃を腰につけて歩くことで、何かが目覚め、その心情を理解することができる。リチャード役の場合、僕の実娘ウィローとのつながりが役づくりのきっかけになったんだ」と、劇中でのビーナスやセリーナと距離感を実娘とつながりから見つけたと明かしている。
ウィルが感銘を受けたのは、「押し付けたり、追い込んだり、叩き込んだりしない」リチャードの教育方針だった。「ビーナス本人から聞いたすばらしい逸話がある。彼女たちが子どもの頃に問題を起こしたとき、その罰はテニスができないということだったそうだ。そこでリチャードは、押し付けるのではなく、家族として選んだ夢に向かう彼女たちに従っていくという、すばらしい考え方を見つけたんだ」と、リチャードのユニークな教育法を演技に取り入れた。
今回、解禁されたメイキング写真2点では、ピンクのシャツに赤い短パン、ハイソックスを着用しているウィルの姿がとらえられている。ウィルの役作りについて監督は、「役にふさわしい老け方を見せてくれた。それはウィルだと見てわかるが、今までとは違った感じに見える。外見上の変化は信じられないほど微かなのに、ウィルは完全に役に没入していた」と俳優としての姿勢を讃える。ウィルは南部なまりのアクセントや細やかな変化を多く取り入れることで見事にリチャードに変貌していったと語った。
最後に「ショートパンツは、リチャードについて僕がピンと来たことなんだ。なぜかはわからないけど、ショートパンツはいつもぴっちりしていて、それが彼のテニスのスタイルだ。タイトなショートパンツとハイソックスが、僕をリチャードの考え方に導いてくれた」とウィルがリチャードになりきる“秘訣”を教えてくれた。
『ドリームプラン』
2022年2月23日(水・祝)より全国ロードショー
製作:ウィル・スミス、ティモシー・ホワイト、トレバー・ホワイト、セリーナ・ウィリアムズ、ビーナス・ウィリアムズ
監督:レイナルド・マーカス・グリーン
脚本:ザック・ベイリン
撮影:ロバート・エルスウィット(『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』)
出演:ウィル・スミス、アーンジャニュー・エリス、サナイヤ・シドニー、デミ・シングルトン、トニー・ゴールドウィン、ジョン・バーンサル
映倫区分:G
配給:ワーナー・ブラザース映画