大阪の下町で平穏に暮らす原田智と中学生の娘・楓。「お父ちゃんな、指名手配中の連続殺人犯見たんや。捕まえたら300万もらえるで」。そう告げた翌朝、父は娘をひとり残し、姿を消した。孤独と不安を押し殺しながら、娘は父の行方をさがし始めるが、警察は相手にしてくれない。必死に探す楓は、日雇い現場に父の名前があることを知り、その男に声をかけるが・・・・・そこにいたのは、父になりすました見知らぬ若い男。失意に打ちひしがれる楓は無造作に貼られた「連続殺人犯」指名手配チラシを見る。そこにはあの日雇い現場にいた男の顔写真があったー。
父・原田智を演じるのはマルチに活躍を続ける佐藤二朗。本作ではユーモラスなパブリック・イメージを封印し、底知れない凄みと可笑しみがせめぎ合う演技で、姿を消した父の苦悩や矛盾を説得力あふれる演技で表現。智の娘・楓には『湯を沸かすほどの熱い愛』で映画賞レースを席巻し、現在公開中の映画『空白』での古田新太の娘役や「おかえりモネ」が話題の伊東蒼をオーディションで抜擢。指名手配中の連続殺人犯・山内照巳には『東京リベンジャーズ』や「おかえりモネ」など数多くの話題作に出演し、独特の存在感を放ち続ける清水尋也。自殺志願者・ムクドリをNetflixドラマ「全裸監督」で注目を浴びた森田望智。多彩なキャストによる繊細な演技が、衝撃的な物語に圧倒的なリアリティを与える。本作の監督を務めるのは長編映画監督デビュー作『岬の兄妹』が国内外から高い評価を受け、日本映画界、そして映画ファンに激震を与えた片山慎三。ディズニープラス スターで配信予定の「ガンニバル」の監督抜擢が発表されるなど次世代を担う最注目の監督だ。
このたび解禁されたのは、日本を代表する映画監督たちや役者たちなど、そうそうたる著名人からの映画『さがす』への絶賛コメントが寄せられ本編映像を交えて紹介する特別映像。
映像の中で紹介されるコメントで、行定勲監督は「スリラーでありサスペンスであり青春映画でもある見応えのある映画」とジャンルを横断するストーリーに驚き、いのうえひでのり(劇団☆新感線主宰/演出家)は「アッと驚く展開にこっちが結末を探す旅に!」と予測不能のラストに驚嘆、深町秋生(ミステリ作家)は「観客に詰め寄る怖い感動作」とコメント、「本作がタブーを語り合う糸口になれと願う」と鈴木大介(ルポライター/「ギャングース」原作)、「自分の感情がグチャグチャにされてしまった」と女優の小池栄子も心をかき乱されてしまった様子。さらに『悪魔を見た』で知られる韓国の映画監督キム・ジウンも「恐ろしく、そして驚くべき映画だ。日本映画界に恐ろしい新鋭が現れた」と大絶賛している。一部抜粋して紹介したコメントだけでも、『さがす』が観た者の心を鷲掴みにしていることが伝わってくる。
また今回新たにジョン・キャメロン・ミッチェル監督(『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』)や、漫画家の藤本タツキ(「チェンソーマン」「ルックアップ」)、俳優の高良健吾らからもコメントが到着。ジョン・キャメロン・ミッチェル監督は、「演技が非常に強力で、素晴らしくエモーショナルな場面もあり、そして結末は完璧に近い。不穏であると同時に感動的で、とても斬新な作品だ!」と熱く語り、藤本タツキは「見たくない問題をドラマに昇華できるのが片山監督の才能」と称賛を惜しまない。OKAMOTO’Sのオカモトコウキは「様々なイシューが重層的に盛り込まれながらも、あくまでもエンタテイメントとして昇華させた監督の手腕に脱帽」と語る。
商業映画デビュー作にして、他に類を見ないオリジナリティと強度あふれる演出により創り上げられた片山慎三監督の最新作は、同じクリエイターの間ではすでに前作以上の衝撃を与えている!いよいよ公開が近づいてきた本作に期待大だ。
映画『さがす』は1月21日(金)よりテアトル新宿ほか全国公開。
【新規解禁コメント一覧(敬称略/順不同)】
この映画は確かに凄い。数多くの面で成功している。喜劇であり悲劇でありホラーでもあり、大胆などんでん返しがいくつもある。
演技が非常に強力で、素晴らしくエモーショナルな場面もあり、そして結末は完璧に近い。不穏であると同時に感動的で、とても斬新な作品だ!ありがとう!
ジョン・キャメロン・ミッチェル(映画監督/『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』)
父の葛藤や愛に心をえぐられて、娘の強さと無垢さに心をえぐられて、自分の感情がグチャグチャにされてしまった。
でもこの親子には幸せになってほしいんだ。素晴らしい作品に出逢えて感謝です。
小池栄子(女優)
この映画に出てくる様々な顔を見たくて、知りたくて、最後まで目を離せなかった。感想を伝えたくても僕自身辿り着けないなにかがある。そのなにかがとてつもなく大きな映画です。好きだなあ。
高良健吾(俳優)
前作『岬の兄妹』でもそうですが、ずっとすぐそばにあるのに見えにくい、見たくない問題をクローズアップしてドラマに昇華できるのが片山監督の才能だと思います。必然的にキャラクターの実在感が求められると思うのですが、舞台、役者選び、音の使い方も間違いがないので大きい映画館の画面で細かいところまで見て欲しいです!
藤本タツキ(漫画家/「チェンソーマン」「ルックバック」)
濃密な悪意と、薄っぺらな狂気。
それと、ほんのひと摘みの愛情。
人間は誰しも、そんなこんなの狭間で生きているのかもしれない。
佐藤二朗の挑戦、伊東蒼、清水尋也の躍進も嬉しいが、今回は森田望智の凄みにやられた。
誉田哲也(小説家)
面白かった!食い入るように観てしまった!
前作、『岬の兄妹』でショックを受けてこの監督は凄いと思ってはいたけど 益々好きになった!
前作よりグッとメジャー感が増していて、やはり前作と同様社会の暗部に焦点を当てる作りも健在。佐藤二朗も迫真の演技!片山慎三監督はポン・ジュノと並んでこれから絶対追っかける監督の1人になった!
奥浩哉(漫画家)
命の重さはみんな同じ。
私たちはそんなふうに教えられてきた。
だが実際のところ、それが建前だということも知っている。
建前と現実の狭間にある自分の本音を
直視しろと言われているようだった。
高橋ユキ(フリーライター/「つけびの村」)
本気の「生きていたくない」に、他者はどう向かい合うのか。
死の尊厳を法が担保しない唯一の先進国で、個人にそのこたえを「さがさせる」ことの残酷を、誰が償うのか。
本作がタブーを語り合う糸口になれと願う。
鈴木大介(ルポライター/「ギャングース」原作)
「殺人鬼を見つけた。賞金が入る」と言い残して消えた現場作業員の父。じゃりん子度高めな娘は西成中を走り回って父を捜し……やばい殺人鬼とぶつかる。スリラー映画かと思って見ていると事態は思わぬ方向へ。前作『岬の兄妹』のように、「あなたは答えをさがし当てられるか?」と観客に詰め寄る怖い感動作だ。
深町秋生(ミステリ作家)
鈍器で殴られたような衝撃だ。
様々なイシューが重層的に盛り込まれながらも、
あくまでもエンタテイメントとして昇華させた監督の手腕に脱帽。
オカモトコウキ(OKAMOTO’S/ミュージシャン)
最悪最低な状況になった時、笑いが止まらないときがある。
そこに人間の光りやエネルギーを垣間見るのです。
だからお笑いなんぞやっとるのかもです。
土手っ腹にぶっささる映画でございました。
間違いなく、人間映画でございました。
映画史上に残るラストシーンっす。
ありゃ、すげーよ。
ダイノジ 大谷ノブ彦(芸人)
面白いドラマとの出会いをさがしつづけている私達を、この作品は思いもよらない結末へと誘ってくれる。
片山慎三監督の作る独特の緊張感が心地よく、役者たちの才能を引き出す天才だと感じた。
ピンポン玉の音が耳から離れない。
もっちゃん(映画YouTuber)
誰しもが何かしらを探し続けて生きていると思うが、
本当の意味で見たくないものまでを、その意志で見ようとするだろうか。
それほどの誠実な眼差しで片山監督は常に画面のこちらに何かのサインを送ってる。きっと観客自身が最後に見つけるものを信じている人だと思う。
山田智和(映像作家)
重いテーマの作品なのか、サイコサスペンスなのか……得体が知れないまま鑑賞したが、
重そうで重くない、実に巧みなプロット――
よく練られた立派なエンターテインメント作品である。
長崎尚志(脚本家・小説家/『キャラクター』原案・脚本)
綺麗にはまることのないパズルのピースを、
ひとつ、またひとつと押し込んでいくようだ。
謎に謎が絡まり、家族の為、欲望の為と、
自らを騙しながら予測不可能のそのまた向こう側へと物語が歩みを進めていく。
行き着く先の闇で、
私たちは一体何を「さがす」のだろうか?
テラシマユウカ(GO TO THE BEDS)
底なしのヘドロに身を置けば、誰もがヘドロにまみれて沈んでいく。日本にそんな街があることと、そんな人生があることを、本作は残酷なまでのリアリティーをもって教えてくれる。
石井光太(ノンフィクション作家/「物乞う仏陀」)
「岬の兄妹」を見た人は絶対に見たほうがいい。この作品で片山監督は大きく飛
躍しているから。
「岬の兄妹」を見てない人も絶対に見てほしい。あなたにとって新たな才能の発
見になるから。
とにかく皆さんに『さがす』を見てほしい。
大谷卓也(テアトル新宿 支配人)
映画の不穏でいてちょっとシュールなはじまりから一気に引き込まれ、予測できない展開に目が離せなくなる。
わたしは映画のなかでいったいなにを、だれを探していたのか。なにかを探していたはずが、いつのまにか迷子になり、観終わったあとも“さがす”というタイトルが脳内でぐるぐると回っている。
川添ゆうき(京都シネマスタッフ)
監督の確かな演出や役者たちの強烈なアンサンブルなど特筆すべき点は数知れず。
中でも素晴らしかったのは緻密かつ大胆な脚本だ。
ドライブしつづけるストーリー、そして観る者の倫理観が試される衝撃のラスト。
新たな地平を切り開いた片山慎三監督に、最大限の拍手を送りたい。
松岡宏起(㈱パルコ 渋谷シネクイント編成担当)
次の獲物を“さがす”連続殺人犯。
懸賞金目的で殺人犯を“さがす”ため家を飛び出した父。
その行方不明になった父を“さがす”娘。
観客である我々もこの異質なロードムービーの
着地点を”さがす“がまったく先のみえない展開で暗い画面を彷徨う。
さがしてはいけない。 みつけてはいけない。
深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだから。
青松俊哉(kino cinéma天神 支配人)
これはひとをさがす様子を傍観するように見る映画ではありません。
二朗さん、ほんとうにいなくなりますから、一緒に必死でさがしてください。
リアルとモラルとエンタメを共存させている片山監督おそるべし。
椿原敦一郎(立川シネマシティ 番組編成)
何が正義で何が悪なのか、本作は多面的に観る者の心と頭に色んな感情や思いを駆け巡らせ、後戻り出来ない人生の選択について自らの身に置き換えて正解のない答えを模索させられる。痺れるような映画体験を是非。
瀧川佳典(テアトル梅田 営業係)
さがす
1月21日(金) テアトル新宿ほか全国公開
配給:アスミック・エース
©2022『さがす』製作委員会