クリント・イーストウッド監督・主演最新作『クライ・マッチョ』が好評公開中。今回同作より約5分の本編冒頭映像が到着した。

クリント・イーストウッドはいつも崖っぷちにいる。1976年「最後の西部劇」と銘打って製作された『アウトロー』は、愛する妻と息子を奪われすべてを失った農夫が復讐に立ち上がる。約10年後の『ペイルライダー』(85)では、祭服を着たイーストウッドは、メキシコの金採掘城をめぐる利権闘争で虐げられた“崖っぷち”の人々の前に神父姿で現れた。『センチメンタル・アドベンチャー』(82)は、再起を賭けてオーディションを目指すカントリーシンガーを演じた。

初のオスカー受賞作『許されざる者』が全米公開されたのは1992年。年老いた元悪党マーニーには子どもがふたり。夭折した妻との出会いで心を入れ替え、貧しい土地を耕し、豚を飼って生計を立てている。このままでは幼い子どもたちの将来はない。人生崖っぷちの男の前に若きガンマンが現れて「娼婦を傷つけた男」に懸賞金がかかっていると囁いた。二度目のオスカー受賞作『ミリオンダラー・ベイビー』(04)では、逸材を育てながらも他のジムに移籍されてしまったボクシングジムを経営するトレーナーを演じた。ある日、毎日教会に通う彼の前に、人生の“崖っぷち”から這い上がろうとする女性ボクサーが現れる。

老い先を見定めることの出来ない退役軍人が、モン族の少年と出会うことで生きる意味を見出した『グラン・トリノ』(08)。農園も自宅も抵当に入り、疎遠となった家族からも見放された“崖っぷち”の男はメキシコの麻薬カルテルの『運び屋』(18)を引き受ける。実話の映画化作品『リチャード・ジュエル』(19)では、爆破物を発見して英雄とされた警備員が、メディアによってテロの容疑者とされ崖っぷちに追いつめられた。

イーストウッドは、人生の“崖っぷち”にいる人物を描いてきた。現在公開中の『クライ・マッチョ』でイーストウッドが演じているのは、落馬事故で人生が暗転した元ロデオスターのマイク・マイロだ。

今回、イーストウッド作品史上初解禁となる『クライ・マッチョ』5分の本編冒頭映像は、朝日を浴びながらテキサスの広大な白然を悠々と走る一台のピックアップトラックの姿から始まる。

画像: 映画『クライ・マッチョ』本編冒頭5分映像 絶賛公開中! youtu.be

映画『クライ・マッチョ』本編冒頭5分映像 絶賛公開中!

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牧場に到着したマイクが車から降りる。1979年、いつものように仕事場に到着した彼を、雇用主のハワード(ドワイト・ヨーカム)が待ち受けている。腕時計を確認し、遅刻だと文句をつける。彼の横にはカウボーイがひとり。「昔は競争相手がお前を狙ったよ。2歳馬レースで5度も優勝。“今度こそマイクを失う”と毎回おびえたぜ。“引き抜かれる”って。遥か昔の話だよ」と一気呵成にまくし立てる。ハワードの勢いは止まらない。「そうとも。馬での事故の前だ。薬漬けになる前。酒におぼれる前。今、うちの厩舎には二流の馬しかいない。調教師も同じだ。もうお前を失っても構わん。何の価値もない。新しい血が必要だ」「荷物の整理だ。済んだら出ていけ」とクビを宣告する。「あんたは昔からケチでヤワな根性なしだったな。だが、今さら言っても直りゃしねえだろう」とマイクはもはや未練はないとばかりにその場を後にする。

一年後、マイクの前に現れた元雇用主が「メキシコにいる息子を連れ戻して欲しい。金も用意した」と依頼する。ハワードへの恩義を返すためにマイクはメキシコへと向かうことを決意する。少年ラフォ (エドゥアルド・ミネット)とアメリカ国境を目指すふたりの旅路には、どのような結末が待ち受けるのか? 映像の続きは、ぜひ劇場でご確認頂きたい。

『クライ・マッチョ』は新宿ピカデリーほか大ヒット上映中!

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