カバー画像:『犬ヶ島』(2018)ディズニープラスで配信中 ©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
アンソニーのハッピー・モーテル(1996)
お洒落で少しメランコリックなウェス映画はここに始まる
テキサス大学の同級生オーウェン・ウィルソンと脚本を共同執筆して13分の短編を監督、それを長編に作り直した映画デビュー作。そしてこれはルーク、オーウェンのウィルソン兄弟の俳優デビュー作でもある。精神病を病むアンソニーは仲間の誘いで強盗の話に乗り、ミスが重なって大失敗。仲間は刑務所送りになった。
天才マックスの世界(1998)
ウェス映画の常連ビル・マーレイの初登場作
ラシュモア高校に学ぶ15歳の天才少年マックス(ジェイソン・シュワルツマン)は、様々な部活が忙しくて落第寸前。しかも新任教師のローズマリー・クロス先生に夢中になるが一年前に夫を亡くした先生にその気はない。ジェイソンだけでなく、ビル・マーレイが早くも友人の父親役で登場してマックスの恋の邪魔をする。
ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001)
ウェスはやはり人間と犬が好き。彼の映画に猫はいない!?
絶縁状態で死が近いという父親の行動をきっかけに家族が再集合。父ロイヤル・テネンバウムを演じるのはジーン・ハックマン。母がアンジェリカ・ヒューストン。子供たちはビジネスマンの長男がベン・スティラー、かつて天才テニス選手だった次男がルーク・ウィルソン、娘グウィネス・パルトロウの夫がビル・マーレイ。
ライフ・アクアティック(2004)
制服、制帽で海に出て映画を撮る男たちが可愛い
ヒット作に恵まれない海洋映画の監督がビル・マーレイ。ストップモーションで描かれる架空の海洋生物が「幻のジャガー鮫」。短パンのウィレム・デフォー。監督の隠し子を名乗るネッドはオーウェン・ウィルソン。ウェスが子供の頃から憧れたフランスの海洋映画の名匠ジャック・イヴ・クストーを監督のモデルにしている。
ダージリン急行(2007)
インド旅行は急行列車に乗って。でもバイクにも乗るけど!
父の死後、疎遠になっていた(大人になりきれない)三兄弟が列車でインド旅行をする。なぜ、絶交したのかな、俺たち?と首をかしげるのは、オーウェン・ウィルソン、エイドリアン・ブロディ、ジェイソン・シュワルツマンのおなじみ三人組兄弟。信じあえなかったからさ、という答えが出るが、不仲でも映画は楽しい。
ファンタスティックMr.FOX(2009)
繊細でおしゃれな初のストップモーション・アニメ
ロアルド・ダールの児童文学「父さんギツネバンザイ」が原作のストップモーション・アニメ。妻子のためにそれまでの泥棒生活をあらため、真面目に暮らすMr.FOXだったが、よい生活を望んで丘の上の家が欲しくなったところから本性が現れる。Mr.FOXの声はジョージ・クルーニー。奥さんがメリル・ストリープ。
ムーンライズ・キングダム(2012)
少年少女の「小さな恋のメロディ」に大人たちは大あわて
1960年代アメリカ東海岸の小さな島のサマーキャンプが舞台。駆け落ちした12歳の少年と少女をめぐって子供たちは応援しても大人たちは理解できなくて大騒動。少女の両親がビル・マーレイとフランシス・マクドーマンド。養い親に捨てられた孤独な少年を引き取る心優しい警部がウェス映画の新人ブルース・ウィリス。
グランド・ブダペスト・ホテル(2014)
老舗ホテルの人気コンシェルジュが闘うお客様の希望と陰謀
欧州大陸の東の端にある架空の国ズブロフカ共和国にある高級ホテル“グランド・ブダペスト”の長年の顧客、マダムD(ティルダ・スウィントン)が死去。遺言で高価な名画を贈られたホテルのカリスマ・コンシェルジュ(レイフ・ファインズ)がマダムの息子(エイドリアン・ブロディ)の反感を買って事件に巻き込まれる。
犬ヶ島(2018)
大好きな黒澤明監督と宮崎駿監督に憧れ日本を舞台に
犬インフルエンザが大流行中の近未来日本のメガ崎市。人間への感染を恐れた小林市長がすべての犬を“犬ヶ島”へ追放。12歳の少年小林アタリが小型機で愛犬の親友スポッツ救出のため、島に降り立ったというストップモーション・アニメ。ボス犬の声はビル・マーレイ、予言犬オラクルの声はティルダ・スウィントン。