愛すべき映画オタクな監督がまた現れた!
前作『オオカミは嘘をつく』でクエンティン・タランティーノ監督から絶賛されたイスラエル出身の鬼才ナヴォット・パプシャド監督。彼の最新作『ガンパウダー・ミルクシェイク』もタランティーノ監督が気に入ったことで、35㎜フィルム版を作成し、タランティーノが所有する映画館「ニュー・ビバリー・シネマ」でプレミア上映された。
1929年より続く、米ロサンゼルスにある「ニュー・ビバリー・シネマ」は、2007年に閉鎖の危機に瀕した際、タランティーノが劇場ごと買い取って存続させた映画館。若き日のタランティーノも常連だったという同劇場は、35mmフィルムの2本立て上映にこだわっていることから、映画ファンの聖地となっている。
本作のプレミア上映とQ&Aに登壇したカレン・ギランとナヴォット・パプシャド監督。その時のことをギランは「THE EMPIRE FILM PODCAST」で次のように語っている。「クエンティン・タランティーノが『ガンパウダー・ミルクシェイク』を気に入って、彼の所有する映画館で35㎜フィルム版を上映した。そこで彼に会った時、彼が私の演じた役(主人公サム)の台詞を言ってくれた。もともと私は彼の大ファン。人生で最高に興奮した瞬間だった!」と喜びをあらわにしている。
パプシャド監督はイベント当日のことを「映画好きにとって、“地球上で最も幸せな場所”と呼べるような映画館でプレミア上映ができた」と回顧し、タランティーノについては「良い友人で、もちろん今作のインスピレーションの源にもなっている。殺し屋の映画を作る時に『キル・ビル』の影響を受けずにできることはない」と尊敬の念を隠さない。
その他に影響を受けた作品として、「セルジオ・レオーネ、黒澤明、そしてヒッチコック作品にインスパイアされたんだ。マカロニ・ウエスタン、フィルム・ノワール、そして侍/浪人というジャンルの融合だね」と語るパプシャド監督は現在も本作の続編の脚本を執筆しながら、一日に1~2本は欠かさず映画を観ているという。そんな映画オタクとしてブレない姿勢が、ピュアな映画オタクであるタランティーノと波長が合うのかもしれない。
ガンパウダー・ミルクシェイク
3月18日(金)
監督・脚本:ナヴォット・パプシャド
出演:カレン・ギラン、レナ・ヘディ、カーラ・グギーノ、ミシェル・ヨー、アンジェラ・バセット、ポール・ジアマッティ
配給:キノフィルムズ
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