――雨に打たれ、足元が悪い中で歌って踊るというとてもハードなステージかと思いますが、体力づくりや、体調管理など意識・気をつけていることはありますか?
アダム「まず第1は、睡眠をしっかりとり、ステージ上にいない時はしっかり休むということ。やはり声も身体も、とても要求の多い役なので、気をつけています。この役は初演から僕が演じていて、僕のためにつくられた、僕がつくったステージングでできているので、自分にとっては自然な形でできる役でもあるので。自分自身の健康や体力を維持していけば、大変ではありませんし、自分自身を維持していくことが大切だと思っています。例えば、マッサージを定期的に受けるとか、ステージに立っていない時はしっかり休むために最小限のことしかしないということを心掛けています」
――誰もが聴いたことのあるメロディー〜SINGIN’ IN THE RAIN〜♪の楽曲シーン以外のお気に入りのシーンを教えてください。
アダム「難しい質問です。たくさんあり過ぎて挙げるのは本当に難しいのですが、2つあります。まず、キャシーがはしごに登って歌うシーンです。そこでは、ドンとキャシーの2人の関係が発展して、そこから歌にも繋がるシーンとなっており、素敵でとても好きです。もう1つは、コズモと一緒に歌うナンバーのシーンなのですが、楽しいシーンなのでそこも好きです」
――本作で過去2回の日本公演を経験されて、日本の観客・日本のファンはどのような存在ですか?
アダム「初めて日本に行った時から日本のお客様は変わらずずっと応援してくださっているのが、本当にありがたいです。僕はまず初めにバレエダンサーとして、その後いくつかの作品、
『SINGIN’ IN THE RAIN ~雨に唄えば~』でも、何度も日本に来ています。作品はその日のお客様の反応によっても変わってきます。毎回毎回違う公演になると思っているので、お客様の存在は大きいです。日本のお客様は、僕の旅路のようなもので、ポジティブな気持ちでついてきてくださっていることがありがたいです。だから日本に行くのがとても好きなんです。いつまでも僕の作品を観に来てくださるし、だから僕も何度も何度も日本に帰りたいと思っています」
――毎公演毎公演、お客様やキャストによっても変わるということですが、年齢を重ねたことによっての変化はありますか?
アダム「まず年齢を重ねたことの変化としては、経験値が違うだけだと思っています。作品やキャラクターをより知れて演じることができるので、自分自身は良くなっていると思っています。アプローチの仕方という意味では、10年前から今も変わっていないです。先ほどのドンの脆さが大きくなったというのは、キャシーと公園のベンチで話をするシーンがあるのですが、キャシーはドンが実は自分に対して自信がなく、自分がなりたい役者でないと自信を持っていないということを見抜いているんです。キャシーがドンの中にその弱さをぶつけるということがあって、これまでお稽古の中で追求してこなかった部分なんですけど、今回のお稽古の中で出てきている新しい点です」
――アダムさんはバレエダンサーからスタートされていますが、バレエとミュージカルのダンスの違いをどう考えていらっしゃいますか?
アダム「バレエとミュージカルのダンスはまったく違うものです。ミュージカルと一言で言っても作品によってさまざまなスタイルの踊りがあります。大きな違いは、バレエダンサーの場合はモダンバレエならモダンバレエの特化されたスキルが必要ですが、ミュージカルでは『SINGIN’ IN THE RAIN ~雨に唄えば~』でいうとタップも踊るし、ジャズも踊るし、バレエ風の踊りもといういくつものスキルを持っていなくてはいけません。ミュージカルダンサーは、踊りのすぐ後に歌ったりしゃべったりしなくてはならないというスキルも必要という違いがあると思います。個人的に言うとバレエダンサーだったことやバレエダンサーとしてのトレーニングを受けたことで、使われ方が特別になってくると思います。踊りもそうですし、ペアになってパ・ド・ドゥという2人のステップができるということや、例えばほかの人をキャスティングした場合には、そこまでバレエ的な踊りをしない場合でも、僕をキャスティングすることで振付が少しバレエ寄りになるということはあると思います」
――本作のキャッチコピーには、劇場中が幸せで溢れるというフレーズがありますが、それにちなんで、アダムさんの最近のハッピーエピソードを教えてください。
アダム「もちろんこの作品ができることです。この作品を舞台で上演できて、演じられて、お客様とも一緒に作り上げているという感覚は、何ものにも代え難いものです。だから何度も上演したいと思っています」
――今回が『SINGIN’ THE RAIN ~雨に唄えば~』を観られるラストチャンスということですが、最後を迎える心境はどんなお気持ちですか?
アダム「不思議な気持ちです。もうずっと長いことこの役を演じていましたし、自分の人生の中でもとても大きい割合を占めるものなので、それにさよならを言うのは寂しいことでもあります。できる回数も限られていますし、この役も750回800回演じているので、もうそろそろ新しいチャレンジをする時かな、新しい道のりを歩む時かなと思っています。これで最後となりますが、今回は今までで一番楽しみながらやっています」
――2014年、2017年の2回の日本公演を振り返って印象深いエピソードがありましたらお願いいたします。
アダム「印象にとても残っているのは、2014年に行った時のお客様の反応です。それまでに日本でいろいろな作品を上演してきましたが、本作を上演した時はあんな反応は見たことがなかったんです。おそらく日本のお客様にとっても、新しい経験だったのではないかと思っています。なので、それが一番印象に残っています」
――2012年の初演から演出のジョナサン・チャーチらとともに本作をつくり上げてこられましたが、これまでを振り返って思い出に残っていることは何ですか?
アダム「覚えているのは、2012年に作品をつくっていた時にはどれほど素晴らしい作品かと自分たちがまったく気付いていなかったということです。曲、ダンスなど、いいものであったと思ってはいましたが、全力を尽くしてつくっていたということに意識が向いていたので気付いていませんでした。開幕してお客様の反応がとても良くて、素晴らしい作品ができたのではと、気付き始めました。そのいい反応がドンドンドンドン続いて、ウエストエンドで18カ月も上演できたり、その後UKツアーがあって、日本やロシア、南アフリカ、オーストラリアにも行かせていただきました。本当に素晴らしい作品ができたんだなと思っています。これだけ続けられたということは、作品の力が大きかったからだと思います。だからできるだけ多くの人に観続けてほしいと思います。振付家のアンドリュー・ライト、演出家のジョナサン・チャーチをはじめ、素晴らしいクリエイターが揃ったと思います。今回10年ぶりにきちんとしたお稽古をそのクリエイターチームと共にまたできて、2021-22年用にアップデートすることができたのも良かったことです。今までで一番いいものに仕上がっていると思うので、日本のお客様にお見せするのが待ちきれません」
――今回の日本公演では、東京に加え、大阪での公演も決まり温泉にも行ってみたいとコメントされていましたが、日本での食事で楽しみにしている料理は何ですか?
アダム「もう疑いなしにしゃぶしゃぶです」
――ちなみに、ごまだれとポン酢のどちらで召し上がりますか?
アダム「ごまです(笑)」
PROFILE
アダム・クーパー
Adam Cooper
1971年7月22日生まれ、イギリス・ロンドン出身。
バレエダンサーとしてキャリアをスタートし、バレエにて輝かしい賞を幾度と受賞。
1997年に英国ロイヤル・バレエ団を退団後、ミュージカルへの出演や自ら演出・振付も手がけ活躍。
ミュージカル映画の傑作『雨に唄えば』の舞台版にて2012年主演を務めて好評を博し、世界各国の人々を魅了。
STORY
エンターテイナーとしての華々しいキャリアを元に、今やサイレント映画界のビッグスターとなった俳優ドン・ロックウッド(アダム・クーパー)は、作品の中で常にカップルを組まされる大女優リナ・ラモントとプライベートでもカップルだと噂されていた。リナは本気だったが、 そんな気がまったくないドンは、パブリックイメージが壊れないよう振る舞いながらも、ある日のプレビュー上映会の後、若手女優を目指すキャシーと偶然出会う。舞台女優を目指していたキャシーは、映画スター然と接してくるドンをたかが映画の有名人とわざと軽くあしらおうとするが、スターへの憧れは禁じ得ない。また、そんなキャシーの言動に傷つきつつ、省みて共感できるものを感じたドンは、駆け出しのキャシーが気になり始める。
まだサイレント映画全盛時代だったが、ある日『ジャズ・シンガー』という音声付き新たな作品が大ヒットし、映画会社は一斉に音声付き映画(トーキー映画)に流れ始めた。ドンがリナを相手役に製作中だったサイレント映画も、トーキー化が検討される。ところが、作品の試写は大不評。致命的な問題が発覚したからだった。なんとリナは、その美貌とはかけ離れた悪声の持ち主だったのだ。
そこでドンは、昔からの友人コズモと共に、若手実力派のキャシーを相手役にし
、だんだん人気を集め始めた作品の“ミュージカル化”を会社に提案するのだが
......。
ミュージカル「SINGIN’ IN THE RAIN ~雨に唄えば~」とは―
名優ジーン・ケリーとデビー・レイノルズによる名作ミュージカル映画『雨に唄えば』を元に、英国ロイヤル・バレエ団の元プリンシパル、アダム・クーパーを主演に迎え、英国名門パレス・シアターで2012年に初演され大ヒットを記録したのが本作。そのヒットを受け世界ツアーが展開されたが、2014年、日本公演だけに特別にオリジナルキャストのアダムが出演した。その華麗なステップで日本国内4万人を超える観客を魅了し、当時、会場となった東急シアターオーブの海外招聘ミュージカルでの最高動員記録を樹立。
その後一旦カンパニーは解散したものの、日本のファンからの熱烈なアンコールを受けて
2017年に再演され、日本初演を上回る6万人の動員を達成することができた。そして2021年、パレスシアターと同じく英国名門のサドラーズ・ウェルズ劇場と共に三たびカンパニーを再結成し、英国公演上演後の2022年2月2日(水)より日本で上演。
ミュージカル『SINGIN’ IN THE RAIN ~雨に唄えば~』
音 楽:ナチョ・ハーブ・ブラウン、アーサー・フリード
演 出:ジョナサン・チャーチ
振 付:アンドリュー・ライト
出 演:アダム・クーパー シャーロット・グーチ ほか
公式サイト: https://singinintherain.jp/
公式SNS : #SITR2022 (Twitter/Facebook/Instagram/LINE)
〈公演スケジュール〉
大阪公演
会 場:オリックス劇場
日 程:2022年2月18日(金)~2月21日(月)
チケット料金:S席15,800円 A席7,800円 B席5,800円(全席指定・税込)
SS席(特典付)21,000円(SS席は特製パーカー(非売品・当日引換)付となります)
発売窓口:
[チケットぴあ] https://w.pia.jp/t/sitr/ (Pコード:508-840)
[ローソンチケット] https://l-tike.com/sitr/ (Lコード:55690)
[イープラス] https://eplus.jp/sitr/
CNプレイガイド] (tel:[0570-08-9999)(オペレーター対応/平日11:00~15:00/土日祝10:00~15:00)
https://www.cnplayguide.com/sitr/
[楽天チケット] http://r-t.jp/sitr
主 催:サンライズプロモーション大阪
制 作:TBS/TSP
お問い合わせ:キョードーインフォメーション0570-200-888(11:00~16:00/日祝休業)
東京公演 終了
会 場:東急シアターオーブ 渋谷ヒカリエ11階
日 程: 2022年2月2日(水)~2月13日(日)
チケット料金:
ハッピーレインシート20,000円(前方5列目までのお席、特製ポンチョ(非売品・当日引換)付)
(全席指定・税込) S席15,000円 A席12,000円 B席9,000円 U-25 6,000円(25歳以下対象・当日指定席券引換・要身分証明書/ホリプロ、チケットぴあ、Bunkamuraにて前売販売のみの取扱い)
発売窓口:
[チケットぴあ] https://w.pia.jp/t/sitr/ (tel:0570-02-9999)(Pコード:507-940)
店頭販売:セブン-イレブンマルチコピー機
[ローソンチケット] https://l-tike.com/sitr/
店頭販売:ローソン・ミニストップLoppi(L
コード:31916)
[イープラス] https://eplus.jp/sitr/
店頭販売:ファミリーマート(Famiポート)
[TBSオンラインチケット] https://www.e-tix.jp/tbs/tbsonline/
[ホリプロオンラインチケット]
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[ホリプロチケットセンター] (tel:03-3490-4949)(11:00-18:00平日のみ)
[Bunkamuraチケットセンター] (tel:03-3477-9999)(オペレーター対応10:00-17:00)
[オンラインチケットMY Bunkamura] https://mybun.jp/orb(座席選択可能/登録・システム利用料無料)
[東急シアターオーブチケットカウンター] (渋谷ヒカリエ2階11:00-18:00)
[Bunkamuraチケットカウンター] (Bunkamura1階10:00-18:00)
主 催: TBS/BS-TBS/HORIPRO/ぴあ/TOKYO FM/TSP
協 力: Bunkamura
後 援:ブリティッシュ・カウンシル
企画招聘:TSP
制 作:TBS/TSP
お問い合わせ:チケットぴあインフォメーション0570-02-9111(オペレーター対応10:00~18:00)
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