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1985年を舞台にした少年たちのピュア・ラブストーリー『Summer of 85』。昨年日本でも公開されるやスマッシュヒットを記録した同作のソフトが好評リリース中。鬼才フランソワ・オゾン監督が真正面から挑んだ、ひと夏の青春映画。改めてその魅力に迫りましょう。(文/佐久間裕子 デジタル編集/スクリーン編集部)
画像1: 初恋に溺れた、一度きりの“あの夏”『Summer of 85』

 
16歳のアレックスと18歳のダヴィド。真夏の海で出会った少年たちの刹那的な恋と永遠の別
れを、フランス映画界の人気監督フランソワ・オゾンがみずみずしく描き出した。

原作はオゾン自身が17歳の時に出会ったエイダン・チェンバースの小説「おれの墓で踊れ」。
イングランドの南の町からフランスのノルマンディーにある海辺の町に舞台を移し、時代設定
も彼が小説を読んだ1980年代に変更している。

80年代の流行を忠実に再現した登場人物たちのファッションや髪型も見どころのひとつ。アレックスとダヴィドは、ボーダーTシャツや薄い色のGジャンといった当時のティーンエイジャーらしいカ
ジュアルファッション。ふたりの関係に影を落とす存在でありながら、アレックスの良き理解者となるイギリス人女性ケイトは、80年代イギリスのポップカルチャーに影響を受けたコーディネート。オゾンが衣装デザインのパスカリーヌ・シャコバンヌと共に考えたファッションが、まるで80年代に撮られた映画のような雰囲気を醸し出すことに一役買っている。

1985年、夏。セーリングを楽しむために、ひとりで沖に出たアレックスは、突然の嵐に見舞われヨットが転覆。彼を救助したのはヨットで近くを通りかかったダヴィドだった。ふたりは急速に惹かれ合い、やがて友情を超えた恋愛感情で結ばれる。アレックスにとっては、これが初恋だった。

バイクで2人乗りしたり、クラブで踊ったり、夏の恋を楽しむふたりは、ダヴィドの提案により「どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上で踊る」という誓いを立てる。しかし幸せな日々は長く続かなかった。イギリスから来たケイトという女性の出現により嫉妬するアレックスにダヴィドは「重い」と言い放つ。そして2人の気持ちはすれ違ったまま、バイクに乗ったダヴィドは事故に遭い帰らぬ人に……。

ふたりが一緒に過ごしたのは6週間。その短い間にアレックスは恋する喜びと好きな人を失う痛みを知る。悲しみと絶望に暮れ、生きる希望を失ったアレックスは、やがてダヴィドとの「誓い」に突き動かされる。彼の墓を訪れ、幸せの絶頂で聞いた曲を聞きながら誓いを果たし、喪失の痛みを乗り越えていく。

そして「理想の彼」はいなかったことを理解する。「好きな人の死」という重い題材を扱いながら不思議と清々しい後味を残すのは、傷ついても再生できる若者ならではのしなやかな心の強さが表現されているからだろう。

CHECK1
新星2人が紡ぐまばゆすぎるラブストーリー

画像: CHECK1 新星2人が紡ぐまばゆすぎるラブストーリー

アレックス役のフェリックス・ルフェーヴルと、ダヴィド役のバンジャマン・ヴォワザンは、オゾン自らオーディションで見出した新星。あどけなさが残る顏立ちのフェリックスは、16歳の少年を感情豊かに、バンジャマンは自由奔放だがどこか危うい18歳のダヴィドを繊細に演じきった。身長差も理想的な少年たちの夏の恋は、お互いを「好き」な気持ちで溢れている。終わりが来ることを知っているからこそ観る側にとってはまばゆいばかりだ。

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豪華版にはNGシーンも収録。カットがかかる前に笑ってしまうフェリックスや、ヨットを扱うシーンでうまくいかずイラッとするバンジャマンなど、2人の素の表情も必見!

CHECK2
80年代の空気が詰まったノスタルジックな映像美

画像: CHECK2 80年代の空気が詰まったノスタルジックな映像美

劇中にはふたりでヨットに乗り海に出るシーンや、アレックスがダヴィドにギュッとつかまってバイクに乗るシーンなど、美しい映像がたくさん登場。80年代の空気を感じさせるノスタルジックな映像美は、「時代ものの映画を撮るならフィルムでなきゃ!」というオゾンのこだわりにより全編フィルムによる撮影を敢行したことにより実現。ざらざらした質感を出すために16mmフィルムも使用し、美しく官能的な映像を作り出した。

映像特典でチェック!

16mmと35mmフィルムの質感の違いは映像特典の「16mm/35mm 比較」を観れば一目瞭然。16mmのざらざらとした質感だけでなく、滲んだ色味がノスタルジックさを際立たせていることが分かる。

CHECK3
展開ともリンクする“あの頃”の楽曲たち

画像: CHECK3 展開ともリンクする“あの頃”の楽曲たち

劇中を彩る音楽は80年代を代表するポップミュージックの数々。ザ・キュア−の「In between days」は、軽快なイントロでありながら、恋人の不在中に浮気していたことがバレた楽曲。歌詞の内容を知ってから見るとまた違う楽しみ方ができそうだ。クラブでダヴィドがアレックスの耳につけてあげるウォークマンも80年代らしい小道具。そこから流れるのはロッド・スチュアートの「Sailing」。こ
の曲は終盤最も重要な曲になるので注目だ。

映像特典でチェック!

インタビューでオゾン監督は、大好きな「In Between Days」(1985年リリース)を使用するために当初は『Summer of 84』だったタイトルを『Summer of 85』へ変更したことを明かしている。

『Summer of 85』
Blu-ray&DVD 好評リリース中!

Blu-ray2バージョンとDVDが発売中! Blu-ray豪華版には、インタビューや削除シーンをはじめとする約49分の映像特典を収録。また、ブックレットやポストカード、しおりも封入されるのでファンは必見!

Blu-ray豪華版:7,480円(税込)

画像2: 初恋に溺れた、一度きりの“あの夏”『Summer of 85』

映像特典(約49分):監督&俳優インタビュー、削除シーン集、NGシーン集、ダンスリハーサル、格闘シーンリハーサル、16mm/35mm比較、照明&衣装テスト、ポスター案、予告編集

封入特典:ブックレット(12P)、ポストカード 3枚組、特製しおり

特典仕様:三方背ケース

Blu-ray通常版:5,280円(税込)
映像特典:予告編集

DVD:4,290円(税込)
映像特典:予告編集

発売元:クロックワークス
販売元:ハピネット・メディアマーケティング
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