ロバート・ゼメキス監督と名優トム・ハンクスがタッグを組み、米アカデミー賞®で作品賞を含む6部門を受賞し、全米を感動の渦に巻き込んだ不朽の名作が、日本劇場公開からおよそ25年の時を経て、色鮮やかな4Kニューマスター版でスクリーンに蘇る。1995年に日本で公開されてから、時代に翻弄されながら懸命に生きるフォレスト・ガンプの姿が人々の心を打ち、今なお多くの映画ファンに愛され続けている『フォレスト・ガンプ/一期一会』。人生を豊かにしてくれる沢山の名言・名ゼリフや時代を象徴する名曲の数々。大きな変革を迎えた現在、激動の時代だからこそ胸に響く、今なお色褪せない傑作だ。
本作には、ベトナム戦争で大活躍したフォレスト・ガンプが、ひょんなことから、ワシントンD.C.のリンカーン記念館のリフレクティング・プールで行われた反戦集会の壇上でスピーチを行うシーンがある。フォレストが話そうとすると、集会に反対する軍関係者がわざとマイクのプラグを抜いて、フォレストがどんな演説が行ったのかを群衆は聞きとることが出来ないというシーンだ。
しかしトム・ハンクスが後日明らかにした話では、フォレストはこのように演説を行っていたという。
“ベトナムに向かった人々は、時に足を失くしてママに再会することになったり、時には家に生涯帰れなくなることさえある。それは悪いことだ。ボクが言いたいのはそれだけなんだ。”
ロバート・ゼメキス監督は、脚本家のエリック・ロスが出したスピーチのアイディアがどれも気に入らず、映画に関係していない親交のある俳優達にもアドバイスをもらったが、結局、どのアイディアにも納得がいかなかったため、苦肉の策としてマイクのプラグを抜いてスピーチの内容が聞こえないようにし、映画に出てくる幻の演説シーンに落ち着いたという逸話が残っている。
ブラックパンサー党の仲間として反戦活動を行なうジェニーに再会するシーンとなったが、当時のアメリカでは公民権運動とも連携して、ベトナム戦争に対する反戦運動デモや集会が行われていた。ロシアによるウクライナ侵攻が行われ、世界各国で反戦運動が行われている今こそ、フォレストが訴える「幻のスピーチ」の内容は胸に響くのではないだろうか。
フォレスト・ガンプ/一期一会 4Kニューマスター版
絶賛全国公開中
配給:シンカ
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