他のマーベル映画とどう絡むかも楽しみなモービウス。本誌おなじみの杉山すぴ豊さんに今後の予想を聞きました!(文・杉山すぴ豊/デジタル編集・スクリーン編集部)

ムーンナイトやブレイドと共にヒーローチームを結成するかも⁉

『モービウス』はヴェノム2作同様、スパイダーマンのコミックに登場するキャラを主人公にしたSPUMCの最新作です。作品の作り方も『ヴェノム』に似ていますが、ヴェノム以上に映画化しやすかったのではないかと思います。

画像: ヴェノム以上に映画と親和性が?

ヴェノム以上に映画と親和性が?

というのもヴェノムはスパイダーマンのダークな分身的なキャラであり〝スパイダーマン抜き〞で映画にするというのはかなりリスキー(とはいえ結果的にはうまくいったんですが)だったでしょう。それに対しモービウスはコミックでもやや唐突にスパイダーマンのヴィランとして登場したので、あまりスパイダーマンにしばられず自由に描くことが出来ます。

本作は『ヴェノム』の世界観ともつながっているし、またマイケル・キートンのバルチャーによってMCUともリンクしている。ということでモービウス自身も両映画世界にまたがるキャラになる可能性もある。

コミックの方でモービウスは吸血鬼ハンターのブレイド(マハーシャラ・アリ出演で近々、映画化)やゴーストライダー(ノーマン・リーダスで映画化の噂あり)、ムーンナイト(オスカー・アイザックでドラマ化)とホラー系ヒーローとの相性がよく、こうした怖いヒーローたちによるアベンジャーズとも言うべき〝ミッドナイト・サンズ〞のメンバーでもあります。もしかするとMCU版ミッドナイト・サンズが作られたら登場するかもしれません。

ある意味似た者同士のスパイディとのバトルにも期待!

とはいえ元々スパイダーマンのヴィランですから何らかの形でスパイダーマンとの戦いも観たい。戦うスパイダーマンはトム・ホランドでも、アンドリュー・ガーフィールドでも、トビー・マグワイアでもいいですが(笑)。

実際、サム・ライミ監督はトビー版スパイダーマンのヴィランにモービウスも考えたことはあったみたいです。監督自体がホラー畑の人なので、スパイダーマンVSモービウスはヒーロー物×ホラージャンルの組み合わせになりますからね。

またモービウスはちょっとスパイダーマンと似ているところもある。ピーターは蜘蛛にかまれ蜘蛛の力を手にいれますが、モービウスも吸血蝙蝠から超人になりました。どちらも自然×科学で生まれた怪人なのです。コミックでもスパイダーマンはモービウスに同情します。モービウス博士も自分と同じようになりたくてなったわけではない、だろうからと。

再びアメコミ映画に戻ってきたジャレッドは最高のキャスティング!

画像: 実は無限の可能性を秘めている?モービウス

実は無限の可能性を秘めている?モービウス

さて『ヴェノム』がトム・ハーディ出演で成功したように、本作もキャスティングが重要。今回、個人的に嬉しいのがジャレッド・レトの出演。DC映画の『スーサイド・スクワッド』(2016)のジョーカー役も素晴らしかったのですが、ジャレッド版ジョーカーがいま現在DCの方で出る予定がない。ジャレッド・レトにもっとアメコミ・ヒーロー物に出てほしかっただけに今回のモービウス役は最高のキャスティングでした。

『モービウス』の他のキャストに注目するとタイリース・ギブソン演じるFBIの捜査官サイモン・ストラウドはコミックの方でも活躍するキャラ。ギブソン曰く複数の作品で契約の予定ということで、もしかするとSPUMC作品をつなぐ重要なキャラになるかもしれませんね。

本作で主人公と敵対するマイロ(マット・スミスが演じています)という人物が出てきます。このキャラは映画オリジナルですが、恐らくコミックに登場するハンガーというヴィランをベースにしています。コミック版のハンガーは、あのヒドラ党のエージェントでモービウスの力を研究しようとして自らヴァンパイアになってしまいます。けれど、この映画のマイロは主人公の幼なじみで同じ病気を持つ人物として描かれます。

ヒーローとヴィランがコインの表と裏的に描かれる作品は盛り上がる。『モービウス』は正にこの鉄板の展開を取り入れていますね。

モービウス
2022年4月1日(金)公開

アメリカ/2022/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
監督:ダニエル・エスピノーサ
出演:ジャレッド・レト、マット・スミス、アドリア・アルホナ、ジャレッド・ハリスほか
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