—映画が彼の人生すべてだった—
フランソワ・トリュフォーは1932 年パリで生誕。劣悪な家庭環境の中、孤独な少年時代を過ごした彼は度々学校をズル休みして、映画館を逃避の場に。何度も放校された挙句、14 歳のときに独学を決意。以降も学びの場は常に映画と書物。まさにメインビジュアルに記載された「映画が彼の人生だった。」のコピーの通り、映画を愛し、映画に愛された生涯を送った。
本特集上映はそんな彼の人生が反映された“冒険”と“多様性”に満ちた映像表現を体感できる絶好の機会となる。
上映作品は短編含め全12 本。中心となるのはカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した1959 年の処女長編『大人は判ってくれない』をはじめ、自己を投影した “アントワーヌ・ドワネル”を主人公とする作品群。『アントワーヌとコレット<二十歳の恋より>』(62・短編)『夜霧の恋人たち』(68)、『家庭』(70)、『逃げ去る恋』(79)が4K デジタルリマスター版で本邦初公開となります。それ以外にも彼の代表作7本を上映。
自ら“真の初監督作”と呼ぶ短編『あこがれ』、軽快なタッチの犯罪喜劇『私のように美しい娘』、世界中の映画人を魅了した古典的名作『突然炎のごとく』、イザベル・アジャーニの鬼気迫る演技が話題を呼んだ『アデルの恋の物語』など、どれもが一級の愛の名作ばかり。
【上映作品 概要】
『⼤⼈は判ってくれない』4K デジタルリマスター版
カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞し、 トリュフォーの名を⼀躍国際的に知らしめた名作にして、 「ヌーヴェル・ヴァーグ」映画を代表する⼀本。
『アントワーヌとコレット〈⼆⼗歳の恋〉より(短編) 』4K デジタルリマスター版
「アントワーヌ・ドワネルの冒険」第⼆弾として作られた短編。 思春期を迎えたドワネルの、初恋から失恋へいたる悲喜こもごもが描かれる。
『夜霧の恋⼈たち』4K デジタルリマスター版
「ドワネルの冒険」第三弾にして、同連作初のカラー映画。 語り⼝がより軽やかになり、笑いの要素も強まって映画作家トリュフォーの成熟を感じさせる。
『家庭』4K デジタルリマスター版
「ドワネルの冒険」第四弾。結婚し、⻑男をもうけたドワネルだが、 ⼀家の⼤⿊柱となるにはほど遠い未熟ぶりで…… 「快活で可笑しいが、その背景に哀しみと思慕も感じられる映画」(ノア・バームバック)。
『逃げ去る恋』4K デジタルリマスター版
「ドワネルの冒険」五作⽬。 「ほんもののおとなになれず、⼦どものままでいる」(トリュフォー) 中年にさしかかったアントワーヌ・ドワネルを軽快に、だがその底に苦悩を滲ませつつ描く完結編。
『私のように美しい娘』
ベルナデット・ラフォンの陽気な⼈間的魅⼒が 遺憾なく引き出された、男性社会に対する諷刺的視線を秘めた軽やかな犯罪喜劇。
『恋のエチュード』
『突然炎のごとく』の原作者ロシェの⼩説を翻案した、 もう⼀つの親密にして激しい三⾓関係の物語。トリュフォー⾃⾝、本作を「傑作」だと考えていたといわれる。
『突然炎のごとく 』
「『突然炎のごとく』は⽣と死への賛歌であり、 カップル以外にはいかなる愛の組み合わせも不可能であることを1歓びと哀しみを通じて表明した作品である」(トリュフォー)。
『あこがれ(短編)』
ブリュッセル映画祭で最優秀監督賞を受賞した、 トリュフォーにとっての「真の初監督作」。ベルナデット・ラフォンの映画デビュー作でもある。
『終電⾞』
ナチスへの秘かな抵抗を続けながら上演活動を続ける劇団の⼥座⻑。 その奮闘ぶりを、スリルとロマンスを絡めて描いた、トリュフォー映画中最⼤の世間的成功を収めた⼀本。
『野性の少年』
「精神的⽗親」アンドレ・バザンと「孤独な⾮⾏少年」 トリュフォーの関係が重ねられるかにも⾒える、感動的な医師と野⽣児の物語。
『アデルの恋の物語』
新進⼥優イザベル・アジャーニの ⻤気迫る演技に世界が注⽬した、(狂気の)愛をめぐるきびしくもロマンティックな内省。
『生誕90周年上映 フランソワ・トリュフォーの冒険』
6/24(金)~7/14(木)東京・角川シネマ有楽町、名古屋・伏見ミリオン座、
7/1(金)~大阪テアトル梅田にて開催他、全国順次公開予定
上映スケジュールは公式サイトから。