1950年代後半に映画界に登場し、瞬く間にフランスのみならず世界の映画史を塗り替えたフランソワ・トリュフォー。時代を問わず愛されるトリュフォー作品の魅力を、生誕90年を記念して開催される特集上映「フランソワ・トリュフォーの冒険」の楽しみ方とともにお届けします。(文・井上健一/デジタル編集・スクリーン編集部)

生誕90周年上映 フランソワ・トリュフォーの冒険

2022年6月24日(金)~ 7月14日(木)東京・角川シネマ有楽町、名古屋・伏見ミリオン座
7月1日(金)~大阪テアトル梅田にて開催他、全国順次公開予定

画像: 生誕90周年! 今こそ見たい フランソワ・トリュフォーの魅力/特集上映作品一覧

提供・配給:KADOKAWA ※劇場によって上映作品の変更の可能性あり

まずは…映画のような生き様をチェック!
Who is トリュフォー?

没後40年近く経った今となっては、フランソワ・トリュフォーは若い映画ファンになじみの薄い名前かもしれない。だが、かつてはジャン=リュック・ゴダールらと共に映画の歴史を変えた〝ヌーヴェル・ヴァーグの旗手〞として世界の注目を集めた人物なのだ。

画像1: まずは…映画のような生き様をチェック! Who is トリュフォー?

生まれは1932年2月6日のパリ。しかし、母親が18歳で未婚だったため、里子に出されたり、祖父母の間を行き来したりと、辛い少年時代を過ごすことに。孤独なトリュフォー少年の心を支えたのが映画だった。その熱中ぶりはすさまじく、たちまち筋金入りの〝映画オタク(という言葉は当時なかったが)〞に成長。シネクラブ(=映画愛好会)の活動にも没頭するが、行動が行き過ぎて借金を重ねた挙句、鑑別所に送られる失敗も。

一方でその熱意は、有名評論家アンドレ・バザンやゴダールらとの交流にも繋がり、評論家の道を切り開く。1954年には映画雑誌「カイエ・デュ・シネマ」で、フランス映画の現状を痛烈に批判。同時に、当時は職人監督と見られていたアルフレッド・ヒッチコックらハリウッドの映画監督を芸術家として評価する〝作家主義〞を提唱し、現代の映画評論にも受け継がれている。

やがて自ら映画制作に乗り出すと、1959年に『大人は判ってくれない』で長編監督デビュー。女優の魅力を引き出すことに長け、随所に映画史的記憶と自伝的要素を取り入れながら恋愛を追求。1984年10月21日、脳腫瘍により52歳で亡くなるまで、4本の短編と21本の長編を世に送り出した。

この他、スティーヴン・スピルバーグ監督の『未知との遭遇』(1977)には役者として出演。ヒッチコックにインタビューした「定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー」は時代を越えて読み継がれる名著になるなど、その功績は超特大。言ってみればトリュフォーは、映画監督から評論家、俳優までマルチな才能を発揮した〝スーパー映画人〞なのだ。日本でも人気は高く、来日した際はファンの熱い歓迎を受けている。

画像2: まずは…映画のような生き様をチェック! Who is トリュフォー?

本特集をガイドに生誕90周年記念上映に足を運ぶことで、その偉大な才能の一端を窺い知ることができるはずだ。

This article is a sponsored article by
''.