今、フランスで最も注目を浴びる若手映画作家の一人が新星レア・ミシウス。4月22日(金)より公開される新作『パリ13区』でジャック・オディアール、セリーヌ・シアマとの共同脚本に大抜擢されている。彼女のこれまで、そして『パリ13区』で見せる才能とは?

カンヌ国際映画祭パルムドール受賞『ディーパンの闘い』、グランプリ受賞『預言者』など数々の名作で世を驚かせてきた、今年70歳を迎える鬼才ジャック・オディアール監督が “新しいパリ”の物語を洗練されたモノクロの映像美で大胆に描き出した『パリ13区』。2021年第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門でお披露目されるや、フランス映画界屈指の世代を超えたビッグコラボが大きな注目を集め、絶賛を浴びた。舞台は、高層住宅が連なり多国籍なパリ13区。ミレニアル世代の男女4人の、孤独や不安、愛やセックスにまつわる人間模様が描かれる。

画像1: 『パリ13区』

『パリ13区』

ジャック・オディアールと『燃ゆる女の肖像』監督のセリーヌ・シアマがタッグを組み脚本を務めたことが話題を呼んでいる本作だが、もう一人、共同で脚本を務めたのが1989年生まれの新星レア・ミシウスである。

『Summer of 85』監督フランソワ・オゾンなどを輩出した世界屈指の名門映画学校ラ・フェミスで映画技術を学び、脚本家そして監督として才能を発揮した彼女。初の長編映画監督作となる『アヴァ』は、カンヌ国際映画祭のカメラ・ドールを含む4部門にノミネートされ、「美しく知性溢れる長編デビュー作。」(VARIETY誌)「性の目覚めを確かな感覚で描き出す。肉体と官能の美がときに弾けるようにこぼれる瞬間が眩しい。」(LES INROCKS誌)と絶賛を浴びた。現在、フランスで最も将来を期待される若手映画作家の一人である。

今回、本作の共同脚本に大抜擢されたミシウスは、オディアールとシアマによって作成されたシナリオを元に、原作であるエイドリアン・トミネの3作品を2人と共同で編成する形で脚本を完成させていったという。物語の中にはこれまでのオディアール作品とはまた違うシアマとミシウスならではの視点が散りばめられている。

彼女は脚本制作時を振り返り、次のように述べる。「ジャックは会話のシーンを多く入れることを望んでいました。演技の中では常に会話が求められ、特にエミリーとカミーユとの間で強く要求されました。この2人は直接話し、ベッドを共にする間柄です。しかしそれで彼らは愛し合っていると言えるのでしょうか? 2人の関係とは一体何でしょう? 関係性を名づけるということは必要なのでしょうか? 一方で、ノラとアンバー・スウィートは直接話したこともなければ寝たこともありません。それでも彼女たちは恋人同士であろうとします。しかしそれは本当に恋人であると言えるのでしょうか? こうした問いや謎に包まれた、まるで迷宮のようなこの映画を私は愛おしく思いますし、登場人物たちが歩む入り組んだ道の中に、観る側は愛や自分自身を見出すのではないかと考えています。」

画像2: 『パリ13区』

『パリ13区』

ミシウスが監督を務める最新作では『アデル、ブルーは熱い色』のアデル・エグザルコプロスを主演に迎えるなど、彼女の今後の活躍にも注目だ。

オディアール、シアマ、そしてミシウス、3人の脚本家の要素を物語の中で追い求めるのも楽しい本作を、劇場のスクリーンで堪能してみよう。

パリ13区
4月22日(金)、新宿ピカデリーほか全国公開
配給:ロングライド
©︎ShannaBesson ©PAGE 114 - France 2 Cinéma

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