カバー画像:『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』より ©Marvel Studios 2022
LESSON3
今後はMCU以外のマーベル映画キャラや既存キャラの別バージョンが登場!?
マルチバースの導入によってMCUの可能性はさらに広がります。まず『ノー・ウェイ・ホーム』で3人のスパイダーマンが登場したように、本来MCUでなかった過去のマーベル映画とMCUをマルチバースの関係と説明することで融合させることができます。これにより20世紀フォックス(現・20世紀スタジオ)のXーMENやSPUMC(ソニー・ピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベル・キャラクターズの意味。『ヴェノム』(2018)や『モービウス』のようなソニー映画が主体のマーベル映画)のキャラをMCUに参加させることも可能です。
実際『モービウス』ではMCUの『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)のヴィラン、バルチャーがSPUMCに迷い込みました。また現時点でのMCUでは〝死んでしまった〞キャラを別バースでは生きていた、ないしこれに該当するキャラ(「ホワット・イフ…?」におけるキャプテン・アメリカに変わるキャプテン・カーター)がいた、という形で登場させることができる。
MCUではトニー・スターク/アイアンマンは亡くなっていますが、別バースにもアイアンマンがいて、このヒーローの活躍を観ることが出来るかもしれないのです。その場合、どの俳優がこのキャラを演じるのか?も楽しみですね。
さらにこうしたマルチバース同士が合体して、新バースが誕生する可能性も十分あるのです。マルチバースはMCUを最大化させると共に、フェーズ5を意識したMCUの再起動を担うかもしれませんね。
MCUの“マルチバース”を知るならこの3作品!
ヒーローたちの「もしも」を映像化!
「ホワット・イフ…?」(2021)
「マルチバース」という概念を一番わかりやすく語っています。たら・ればの数だけバースがあり、その数の分だけ様々なバリエーションのヒーロー、ヴィランが存在することがわかります。本編でフィーチャーされたスティーブではなくその恋人ペギー・カーターが超人血清を打ち誕生したキャプテン・カーター、ダークサイドに堕ちたドクター・ストレンジは『ドクター・ストレンジ/MoM』に(しかも実写版で!)登場すると言われています。
時間軸の分岐によるマルチバース化を描く
「ロキ」(2021)
マルチバースが今後のMCUに与える影響を示した作品です。最後のエピソードに登場した、TVAを創設しマルチバースが発生しないように一つの時間軸=バースだけを守ろうとしていたタイムキーパー/在り続ける者(演じるのはジョナサン・メジャース)に注目。
なぜなら彼が恐れていた自分自身の邪悪な変異体である〈征服者カーン〉が次の『アントマン&ワスプ』映画に登場しこの先のMCUのメイン・ヴィランになっていく可能性があるのです。
開いたマルチバースが奇跡を起こした!
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)
マルチバースの楽しさ・可能性を見せてくれた作品。なんといってもトビー・マグワイアの『スパイダーマン』3作、アンドリュー・ガーフィールドの『アメイジング・スパイダーマン』2作の世界とMCU=トム・ホランド版スパイダーマンの世界がマルチバースの関係であり、次元を超えて3人のスパイダーマンが共演するというミラクルが実現しました。こういう嬉しいサプライズがこの先のMCU作品でガンガン仕掛けられていくかもしれません。
ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
2022年5月4日(水・祝)公開
アメリカ/2022/ウォルト・ディズニー・ジャパン
監督:サム・ライミ
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、エリザベス・オルセン、ベネディクト・ウォン、レイチェル・マクアダムス、キウェテル・イジョフォー、ソーチー・ゴメス
©Marvel Studios 2021