ノーベル賞作家のカズオ・イシグロ、ニューヨーカー誌、タイム紙などに絶賛された小説「マザリング・サンデー」を原作とする『帰らない日曜日』の舞台は1924年、第一次世界大戦後のイギリス。天涯孤独なメイドのジェーンは英国名家の跡継ぎのポールとの秘密の恋に身も心も捧げるが、たった一日のある出来事が、すべてを変えてしまう。監督は、カンヌ国際映画祭常連のエヴァ・ユッソン。W主演を務めるのは、今大注目の新星女優、オデッサ・ヤングと、大人気ドラマ「ザ・クラウン」で各賞を席巻した人気急上昇中の英国俳優、ジョシュ・オコナー。さらに、『英国王のスピーチ』のコリン・ファースと『女王陛下のお気に入り』のオリヴィア・コールマンという、アカデミー賞受賞俳優の贅沢な共演が実現。絵画のようなイギリスの風景、そして匂い立つエレガントな官能。秘密の恋に陶酔する、眩いほどに美しい愛の物語が誕生した。
アカデミー賞受賞俳優のコリン・ファースとオリヴィア・コールマンという豪華キャストの競演でも話題の本作だが、現在のジェーン役として、『恋する女たち』(69)、『ウィークエンド・ラブ』(73)でアカデミー賞を2度受賞した大女優グレンダ・ジャクソンが出演している。
彼女は1992年に政界入りのため一度女優を引退し運輸大臣などを務めたが、引退から四半世紀の時を経て、2019年にブロードウェイで上演されたシェイクスピアの四大悲劇のひとつ『リア王』で女優復帰を果たした。現在86歳のジャクソンだが、近年ではBBCテレビ映画“Elizabeth is Missing”(19・原題)で英国アカデミー賞TV賞とインターナショナル・エミー賞で主演女優賞を受賞するなど、その勢いは留まることを知らない。本作は女優復帰後初の長編映画出演作である。
今回到着した場面写真は、かつてメイドだったジェーンが小説家となり、ノーベル文学賞の受賞の知らせを受けるシーンを切り取ったもの。これは、実在するイギリスの女性作家、ドリス・レッシングがノーベル賞を受賞した際の出来事を元にしている。
人生を変えた特別な一日のことを小説にしようと、幾度も追想を重ねた月日を体現するかのようなジャクソンの奥深い演技について、10代~40代のジェーンを演じたオデッサ・ヤングも「後年のジェーンはノーベル文学賞を受賞しますが、その時のジェーンは冷静で、敢えて賞による功績を必要としていません。そのシーンを見て、グレンダ・ジャクソンは最高のキャスティングだと思いました。実際にグレンダはアカデミー賞を2度受賞した際に、授賞式に参加していなかったのですから。グレンダはジェーンと同じく自分の仕事に自信を持っていて、それに対する他人の評価は気にしていない。彼女がジェーンを演じると聞いたとき、完璧な配役だと思いました。」とコメントし、役との共通点や配役を絶賛している。
身も心も捧げた階級違いの恋の行く末に、生涯心に刻まれる特別な一日を経験したジェーンが最後に見たものとは一体何なのか。今なお現役で活躍し続ける大女優が魅せる、圧巻のラストシーンに注目だ。
帰らない日曜日
2022年5月27日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国公開
配給:松竹
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