――「るろうに剣心」のような、漫画もアニメも実写映画も人気の作品を舞台でやることについてどう思われました?
「本当にたくさんの方に愛されている作品ですし、支えてきたファンの方がいらっしゃるのでプレッシャーは感じました。今回の舞台は、漫画に忠実に脚本が作られているので、原点の薫に少しでも近づけたいなという想いがすごくありました。私が漫画で読んでいた場面のある稽古の時に、同じシーンの漫画を持ち込んで、『稽古をして。漫画を読んで』を交互に繰り返していました(笑)。
原作を読むとよく分かるのですが、物語の中でキャラクターたちが語る言葉一つにも色んな意味があるんですよ。舞台を観る方たちに作品の中にある、人物たちの想いを伝えていければと思っています」
――‟るろ剣“には魅力的な登場人物がたくさんいます。井頭さんのお気に入りのキャラクターはいますか?
「四乃森蒼紫です! すごく魅力があるキャラクターですよね。悪と正義を両方備えていて、この人なりの強い想いがあるのを感じます。また、二刀流で闘っているところもかっこいい(笑)! ちょっと影のある感じなんて、女子は絶対、好きなはず(笑)! とにかく、一言では語れない魅力に溢れていますね。今回のミュージカルでは、松下優也さんが蒼紫を演じているのですが、結構、イメージそのまんまです。稽古の時、初めて見て、‟四乃森がいる!”と感動しました(笑)。四乃森ファンの皆さん、期待して観に来てください!」
――井頭さんは、子どもの頃に観たミュージカル『アニー』に憧れて芸能界を目指したと伺いました。今回の‟るろ剣”はミュージカルですが、そういう意味では、夢が叶ったのでは?
「そうなんです! ずっと抱いていたミュージカルの夢が叶って、本当にこれまで仕事してきた中でいちばん嬉しかったことかもしれません(笑)! 子どもの頃に初めて観た時、舞台上の演者さんたちから感じるパワーに圧倒されたのを覚えています。それが、ミュージカルの世界に行きたいと思ったいちばん最初のきっかけです。今でもその感動を覚えています。今度は、自分が演じる側として、人の心を動かせる作品を作り上げていきたいです。お客さんの耳に残る曲を歌い、みなさんに余韻に浸ってもらえるようにできればと思っています」
――歌やダンスだけでなく、殺陣も披露するんですよね!
「映画でもマーベル作品が好きで、ヒーローへの憧れが強かったんです。それで、学生の頃に殺陣を習っていました。最近、時代アクション作品で出会った殺陣の師匠がカッコよくて、身近に目標もできました!」
――これまでの目標や学んだ経験が、この作品で一気に出せますね!
「そうなんです。今年で芸能生活が10年目になるんですが、これを機会に新しいことを見せていきたい気持ちがすごくあります。それにぴったりな作品になりました」
井頭愛海●いがしらまなみ
2001年3月15日、大阪府生まれ。2012年、第13回全日本国民的美少女コンテストで審査員特別賞を受賞しデビュー。2013年、『おしん』で映画初出演。2016年度下半期の連続テレビ小説『べっぴんさん』で、主人公・芳根京子の娘役に起用。2020年公開の『鬼ガール!!』で、映画初主演し、おおさかシネマフェスティバル2021新人女優賞を受賞。初の舞台に挑戦する、ミュージカル『るろうに剣心 京都編』がIHIステージアラウンド東京にて6/24(金)まで上演中。