「ザ・スーサイド・スクワッド」のスピンオフドラマ、主人公にピースメイカーを選んだ理由とは?
映画の中で一番伸び幅があるキャラがピースメイカーだったんだ。人物の心の変化や成長が描かれるドラマには、彼がピッタリだった。ピースメイカーは不器用で、人付き合いが苦手で、劣等感をでっかいエゴで包み隠している人物なんだ。彼のそんな側面を、ドラマでじっくり描きたかった。
かわいい一面からシリアスな一面まで深堀りされピースメイカーの印象が180°変わったという声も
このドラマを観た人の多くが「映画では嫌いだったけど、今はピースメイカーが一番好き」って言ってくれる。映画ではどちらかというと憎まれ役だったしね。サイテーと思っていたやつにも良いところがある。観るにも作るにも僕はそんなストーリーが大好きなんだ。
善悪の境界はあいまいで表裏一体、監督の作品に共通するテーマが本作にもある?
現実世界では、ヒーローと呼ぶべき最高な人物もいれば、ヴィランとしか言いようのない極悪人もいる。でも大半はどちらでもなくて、良い面と悪い面を持ち合わせた単なる人間なんだ。ロクでもない一面を持ったヒーローもいるし、犬とか子どもが好きな優しいヴィランもいる。誰もがそんなグレーの領域を抱えている。僕がヒーローや大悪党を描くときは、「世の中白黒ハッキリしたものではない」そんなテーマが必然的にあるんだ。
本作の製作は、映画「ザ・スーサイド・スクワッド」と同時期にスタートしていた?
ああ、本当だよ。全8話の脚本を2ヶ月ほどで一気に書き上げた。コロナが始まってから全話書いた。自主隔離になったとき、家にこもって映画の編集作業にかかっていたんだけど、それもほぼ完成して、やる事がなくなっちゃってさ(笑)。そこで「ピースメイカー」の脚本に着手したというわけだ。僕がこのドラマを愛して止まないのは、“純粋な創造力”から生まれたものだから。このドラマはお金のためじゃなく、僕自身が純粋に楽しんで創り出したもので、脚本を書き進めるにつれ、登場人物たちがどんどん好きになっていったよ。かつてないほどピュアな体験だったし、これからも、あの感覚は忘れないようにしたい。
第1話から人気沸騰のワシの相棒・ワッシー、どんなふうに作られたのか?
ワッシーは全てCGだ。これまで僕の映画に登場した動物キャラと違って、擬人化されていないのがワッシーの特徴だ。「ザ・スーサイド・スクワッド」に登場するネズミのセバスチャンも、仕草や見た目こそネズミだけど、人間並みに賢いネズミだったよね。でも、ワッシーに関してはあくまでワシのままでいて欲しかったんだ。ご主人さま大好きな犬っぽい一面もあるけど、擬人化されたマンガチックなワシにはしたくなかった。
シリーズに登場するヒトデやバタフライといったKAIJU、日本の特撮ヒーロー好きの監督だが、やっぱり今回も影響を受けている?
「ウルトラマン」と「仮面ライダー」には、めっちゃ影響を受けているよ。僕の監督としてのスタイルには日本やアジア文化の影響が色濃く反映されているけど、それは僕自身が日本をはじめとする他国の文化に深い影響を受けていて、ストーリーテリングの手法を取り入れているからなんだ。(日本で公開中の映画『シン・ウルトラマン』に関して)超楽しみで早く見たくて仕方ないよ(笑)。
日本のファンへメッセージ
日本は世界一好きな国だし、訪れる度に素晴らしい体験をさせてもらっている。大好きな日本の皆に
また会えるのを心待ちにしているよ。「ピースメイカー」はじめ、僕の作品を支持してくれるだけじゃなく、独自の素晴らしい文化と美意識で僕にインスピレーションを与え続けてくれる。そんな日本のファンの皆には、心から感謝しているよ。
「ピースメイカー」
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