カバー画像:Photo by Erik Tanner/Contour by Getty Images
【トピック2】投票前にチェックしたい!
英国づくしの作品が配信&公開
傑作ドラマの劇場版第2弾から、英国男優ブームの先駆けとなった約40年前の名作再上映、そして名監督の新作ドラマまで、舞台もキャストも監督も英国づくしの3作品をピックアップ。(文・前田かおり)
伝説のパンクバンドの新たな一面を英国若手俳優でドラマ化
「セックス・ピストルズ」
ディズニープラスのスターで配信中
『トレインスポッティング』(1996)のダニー・ボイル監督が伝説のパンクバンド「セックス・ピストルズ」を描くオリジナルドラマ。1970年代のカルチャーとファッションを再現した中で、今なお強い影響を残す彼らの熱量を英国の新星たちが体現する。
ヴェネチア映画祭最優秀新人賞受賞のトビー・ウォレスが物語をけん引するギタリストのスティーヴ・ジョーンズ役を務め、『1917 命をかけた伝令』(2019)のアンソン・ブーンがボーカルのジョン・ライドン役、『エノーラ・ホームズの事件簿』(2020)のルイス・パートリッジが甘い美青年ぶりを封印してシド・ヴィシャスに挑んでいるほか、バンドのマネージャー役でトーマス・ブロディ=サングスターも出演。ざらついた映像からあふれ出るパワーと凄まじく訛ったセリフに圧倒される。
大ヒット英国ドラマが再びスクリーンへ!
『ダウントン・アビー/新たなる時代へ』
2022年9月30日(金)全国公開
20世紀初頭の英国貴族の壮麗な屋敷を舞台に、伯爵一族と使用人たちの人間模様を描き、大ヒットした英国ドラマの劇場版第2弾。前作から1年後の1928年、映画の撮影のため、ハリウッドからやって来た撮影隊一行で大わらわになるダウントンと、一方、先代の伯爵夫人が旧知の侯爵から譲られた南仏にある別荘で、当主ロバートらが思いも寄らぬ秘密と対峙することになるという二つの物語が交錯する。
本作で2度のエミー賞受賞の大女優マギー・スミスはじめ、当主であるロバート役のヒュー・ボネヴィル、長女メアリー役のミシェル・ドッカリーらお馴染みのキャストが顔を揃えるほか、英国男優ヒュー・ダンシーとドミニク・ウェストも参加して見どころをプラスしている。
コリン・ファースのデビュー作が美映像で上映
『アナザー・カントリー HDニューマスター版』
12ヶ月連続名作上映プロジェクト「12ヶ月のシネマリレー」第2弾として9月2日(金)より全国順次公開
今も続く、日本における英国男優ブームの火付け役となった作品。1930年代の名門パブリックスクールを舞台にエリート学生たちの愛と青春を描く。美しきオックスフォードの景色を背景に、トラッドファッションに身を包んだ学生たちが送る青春の日々は眩しく、なかでも、主人公ガイ役のルパート・エヴェレットはひと際、華やかで退廃的。ケアリー・エルウィス演じる美青年を見初めるシーンから、彼と2人で月夜にボートで寄り添うシーンなどどこを取っても美しく、身悶えしてしまう。
SCREEN“英国俳優総選挙”のランキング常連のコリン・ファースはガイの親友トミー・ジャド役を好演し、本作が彼にとっての映画デビュー作。20代の頃の甘いコリンに魅了される。