ベネチア国際映画祭〈主演女優賞〉に輝くアルバ・ロルヴァケルの凄み
「ニューヨーク・タイムズ」 2017年〈注目の本〉に選出、全米で絶賛された家族小説をイタリアの名匠ダニエーレ・ルケッティが映画化。唯一無二の存在感を放つアルバ・ロルヴァケル(『幸福なラザロ』『おとなの事情』)、巨匠マルコ・ベロッキオから俊英の若手監督までを虜にする実力派ルイジ・ロ・カーショ(「いつだってやめられる」シリーズ、『夜よ、こんにちは』)が若かりし日の夫婦を、そして熟練の名優ラウラ・モランテ(『息子の部屋』)、シルヴィオ・オルランド(『息子の部屋』『ボローニャの夕暮れ』)が老年期の夫婦を演じる。イタリア映画界の実力派オールスターキャストが集結!
4人家族の平穏な暮らしは、夫の浮気で終わりを告げた。家を出たい夫、繋ぎ止めようとする妻、静かに見つめる子供たち。ばらばらになった家族は、ささやかなきっかけで再び一緒に暮らし始める。彼らの人生は混沌とした家族の崩壊と再生を経て続いてゆく―。ふと思い知る愛情、歪に絡まった絆を断ち切り、解放された先にあるものとは。不気味な崩壊と衝撃、軽やかで強烈な余韻がめぐる「家族映画」の新たな傑作が誕生した!
1980年代初頭、ナポリで生活するアルドとヴァンダ、そして二人の子供たち。仲睦まじく外出し、皆で揃ってテレビを見る―4人家族の平穏な暮らしがずっと続くと思っていた。そんなある日の夜に、アルドは突然「女性と関係を持った」と告白。耳を疑いたくなるような信じられない夫の言動に取り乱し、理解できずに詰め寄ると「滑稽な修羅場を演じないでくれ」となだめすかすような態度をとるアルド。ヴァンダは平手打ちをくらわし、家から追い出すも、胸中は穏やかではなく…。そんなひとり傷つきながらも、整理しようと様々な感情が綯い交ぜになった複雑な表情を見せるヴァンダを演じるアルバ・ロルヴァケルの姿から目が離せない・・・
このほころびを発端に、家を出たい夫、もつれても繋ぎ止めようと壊れていく妻、その姿を目撃することになる子供たち‥‥円満にみえた家族の絆は、それぞれの思いを胸に歪にもほどいて結びを繰り返し、絡まり合ってゆく。ある家族の不気味な崩壊と衝撃、その先にあるものとは――?軽やかで強烈な余韻、かつてない後味として、記憶に残る一作を味わってみてはいかがだろうか。
『靴ひものロンド』配給:樂舎
9月9日(金)、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
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