ひょんなことからひとつ屋根の下で暮らすことになった男女の恋模様と家族のつながりを描く映画『いつか、いつも‥‥‥いつまでも。』(10月14日公開)。温かい家族との会話やおいしい食事、二人の関係性の変化が楽しめる味わい深い作品だ。本記事後半では本作を鑑賞した美容クリエイター・佐々木あさひの寄稿文をご紹介!(文/タナカシノブ)

他人の家だからクスッと笑える「あるある」

画像1: 他人の家だからクスッと笑える「あるある」

本作は『西の魔女が死んだ』(2008)の長崎俊一監督によるラブストーリー。感情表現の苦手な主人公・俊英を『賭ケグルイ』シリーズや『前田建設ファンタジー営業部』(2020)の高杉真宙、思いもよらない共同生活を通して自分自身を取り戻していくヒロイン・亜子を『コンフィデンスマンJP』シリーズや『町田くんの世界』(19)の関水渚が演じている。

画像2: 他人の家だからクスッと笑える「あるある」

物語は、看護師たちから「感情はあるのか?」と疑われるほど態度のそっけないイケメン医師・俊英の前に、密かに思いを寄せていた女性…にソックリな亜子が現れたことで幕を開ける。俊英の祖父・じいさん(石橋蓮司)のひとことから、ひとつ屋根の下で暮らすことになった俊英、亜子。家政婦のきよさん(芹川藍)を加えた4人がおいしい食事と気の置けない会話を楽しむ時間は、俊英、亜子の心をも温め、溶かしていくのだった。

強烈なインパクトを放つ親戚の叔母さん、言葉は多く交わさずとも心が通じ合える友人、「この人、ちょっぴり変」と気になってしまうキャラクターもたくさん登場するが、「なんだこの人?!」とはならず、どこか懐かしさを感じるのも本作の魅力。実家に親戚が集まるシーンでは自分ごとと捉え共感もできるし、他人の家だからクスッと笑える「あるある」が詰まっているのも見どころだ。

画像3: 他人の家だからクスッと笑える「あるある」

俊英、亜子、じいさん、きよさんとの食卓や親戚の集まりで登場するボリュームたっぷりの食事など、本作では「みんなで食卓を囲む時間」を描くシーンが多く登場する。コロナ禍で生活スタイルや価値観、人との距離や一人で過ごす時間などにさまざまな変化をもたらした。食事においては“孤食”や“個食”という言葉を耳にする機会もグッと増えたが、本作に登場する「食事シーン」は、誰かと一緒に食卓を囲むこと、大好きな人と一緒に食事をする時間を見つめ直すきっかけにもなりそうだ。

次に紹介するのは本作を鑑賞した美容クリエイター・佐々木あさひの寄稿文。美容だけでなくライフスタイル動画も幅広く支持を集める佐々木は、本作を観てなにを感じたのか。

美容動画クリエイター・佐々木あさひが感じた「現代人に大切にしてほしいこと」

画像: 美容動画クリエイター・佐々木あさひが感じた「現代人に大切にしてほしいこと」

私は『美味しいね』と言い合いながら食事をする時間が大好きだ。こんな当たり前なこと誰でもそうでしょと言われそうなものだが、もっと詳しくお伝えするとこんな具合だ。私は全ての感覚を食事に集中できていて、相手も同じような感覚であると感じ取った時、心から『美味しいね』と言い合いながら食事をする時間が大好きだ。一気に気難しそうな人だと思われたかもしれないが、私もあなたも本当の意味でこの環境を作るには誘惑が多い時代を生きているように感じる。

例えばスマホをいじりながら食事をしている時に、いつのまにか食べ終わっていたり、味を感じずにただ生きるための栄養を摂っているような虚しさに襲われた事はないだろうか。テレビを観ながら携帯をいじり食事をする、全てを器用に切り替えながら乗りこなしているように見えているかもしれないが、人間はそう器用な動物ではない。五感は視覚や聴覚に偏りをみせて、味覚がグッと鈍る。おざなりになるのはいつだって食事だ。それでも情報が多い時代、限られた時間の中で出来るだけ沢山の事に触れていないと物足りなさを感じてしまう錯覚に陥る人も多いのではないだろうか。

正に私自身が疲れている時や自分を大切に出来ていない時に陥りやすい体感そのもの。だからこそ、外側に振り回されるのではなく自分の内側へ矢印を向けたい時は、五感を丁寧に扱うように意識をしている。その中でも食事は意気込まなくても1日に必ずおとずれる、五感を丁寧に扱う絶好のタイミング。食事をする時はスマホは置いて、音楽は切るかボリュームを下げて味に集中する。

そうすると味覚や嗅覚、舌触りがより感じるし、今までスマホに気を取られていた視覚や聴覚が食事に気が回るので、目や耳からも美味しさを感じられる。文字で見ると難しく感じるかもしれないが、『食べることだけに集中する』幼い時、親に一度は言われた事があるような当たり前なことだ。それなのに、いざやってみると集中力が持たない事にきっと驚く方もいるだろう。無理せず最初は数分から試してみてほしい。

最初にも述べたように、私は全ての感覚を食事に集中できた時、この感覚を誰かと共有できる瞬間がこの上ない充足感で満たされる。他愛もない会話をしながらも、同じものを食べ、今この瞬間を共に生きている感覚。恋人と抱きしめ合っている時にも似た、体温を感じるような心地よさ。誰かと食卓を囲む事が当たり前じゃ無くなった今、この当たり前の幸せに気付けた時、世界はもっと優しくなる。そんな気がする。

PROFILE

佐々木あさひ

美容動画クリエイターの第一人者。YouTubeチャンネル登録者数は91万人を超える。幅広く支持を集め、コスメやスキンケアアイテムなどの丁寧なレビューが好評。美容だけではなく日常のライフスタイルを投稿しており、ジャンルに捉われず発信し続けている。

STORY

海辺の診療所で祖父と一緒に勤務している医師の俊英(高杉真宙)は、ある日憧れの女性にそっくりな亜子(関水渚)と出会う。胸がときめく俊英だったが、亜子はかなりの“こじらせ女子”で、俊英の思いはあっけなく砕け散る。亜子を心配する祖父の一言から、思いがけず二人は同じ家で暮らすことに。諦めきれない夢と現実の間で揺れ動く亜子の素顔を知るうちに、淡々と過ごしてきた俊英の何かが揺らぎはじめ、亜子もまた、俊英や彼の家族と過ごす日々にかけがえのないものを見出していく。

画像: 映画『いつか、いつも……いつまでも。』予告【2022年10月14日(金)全国ロードショー】 www.youtube.com

映画『いつか、いつも……いつまでも。』予告【2022年10月14日(金)全国ロードショー】

www.youtube.com

【作品情報】
映画『いつか、いつも……いつまでも。』10月14日公開
監督:長崎俊一
出演:高杉真宙、関水渚、石橋蓮司、芹川藍、水島かおり、小野ゆり子、DJ松永
配給:バンダイナムコフィルムワークス
©2022『いつか、いつも‥‥‥いつまでも。』製作委員会

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