数々のハリウッド大作に出演する一方、マーティン・マクドナーやヨルゴス・ランティモスなど異才監督たちと積極的にタッグを組み、独自路線を築いているコリン・ファレル。新作『アフター・ヤン』では『コロンバス』(2017)でデビューしたコゴナダ監督とタッグ。A24が放つ注目作です。
カバー画像:Photo by Mike Windle/Contour by Getty Images
画像: Photo by Mike Windle/Contour by Getty Images
Photo by Mike Windle/Contour by Getty Images

コリン・ファレル プロフィール

1976年5月31日、アイルランド・ダブリン生まれ。『タイガーランド』(2000)に主演し一躍注目を集め、以後『マイノリティ・リポート』(2002)、『デアデビル』(2003)、『アレキサンダー』(2004)、『マイアミ・バイス』(2006)など数々のハリウッド大作に出演。近作『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(2022)で演じた悪役ペンギン役も話題に。盟友マーティン・マクドナー監督と再び組む『イニシェリン島の精霊』が2023年1月公開予定。

故障した人型AIロボット〝ヤン〞のメモリに隠されていた〝ある秘密〞とは?

イントロダクション

長編デビュー作『コロンバス』(2017)で注目された韓国系アメリカ人コゴナダ監督が、独創性溢れるジャンル映画を世に送り出している映画会社「A24」とタッグを組んだSFタッチのヒューマン・ドラマ。〝テクノ〞と呼ばれる人型ロボットが一般家庭にまで普及した未来世界を舞台に、人型ロボットのヤンとかけがえのない絆で結ばれた家族の姿を描く。

画像: イントロダクション

原作はアレクサンダー・ワインスタインの短編小説「Saying Goodbye to Yang」。テーマ曲は坂本龍一、音楽はAska Matsumiya(アスカ・マツミヤ)が手掛け、岩井俊二監督作品『リリイ・シュシュのすべて』の名曲「グライド」を、Mitski(ミツキ)が歌う新バージョンで甦らせている。

主演を務めるのは『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(2022)での怪演も記憶に新しいコリン・ファレル。『ウィズアウト・リモース』(2021)のジョディ・ターナー=スミス、TVシリーズ「アンブレラ・アカデミー」のジャスティン・H・ミン、子役マレア・エマ・チャンドラウィジャヤが、切なくも温かな〝未来の家族〞の物語を感動的に演じている。

ストーリー

画像: もう一人の家族だったロボットのヤンが突然動かなくなってしまう

もう一人の家族だったロボットのヤンが突然動かなくなってしまう

今から数十年先の未来。小さな茶葉の販売店を営むジェイク(コリン・ファレル)、妻のカイラ(ジョディ・ターナー=スミス)、中国系の養女ミカの一家には、もうひとり大切な家族がいた。〝テクノ〞と呼ばれる精巧な家庭用ロボットのヤン(ジャスティン・H・ミン)だ。

だがある日、ヤンが突然の故障で動かなくなってしまう。ジェイクはヤンの修理の手段を模索するが、その過程でヤンが撮り溜めた断片的な記録映像を発見する。そこには、家族に向けられたヤンの温かなまなざしと、ある秘密が残されていた……。

画像: アジアの文化や歴史などにも詳しいヤンはミカの本当の兄のような存在

アジアの文化や歴史などにも詳しいヤンはミカの本当の兄のような存在

キャラクター/ロボットが普及した近未来の一家

画像: キャラクター/ロボットが普及した近未来の一家

>>画像左から

ジェイク(コリン・ファレル)
繁盛しているとはいえない茶葉の販売店を営む。故障してしまった家庭用ロボットのヤンのメモリに残された謎を探る。

ミカ(マレア・エマ・チャンドラウィジャヤ)
中国系の養女。ヤンを本当の兄のように慕い、「グァグァ(哥哥)」「メイメイ(妹妹)」と呼び合う。

カイラ(ジョディ・ターナー=スミス)
ジェイクの妻。植物学や園芸の権威として多忙な日々を過ごしている。夫との間には微妙な緊張関係がある。

ヤン(ジャスティン・H・ミン)
“テクノ”と呼ばれる精巧な家庭用ロボット。人間と何ら変わりない外見を持つ。ある日突然動かなくなる。

【インタビュー】コリン・ファレル、最新作『アフター・ヤン』を語る

“20年間この仕事をやってきて最も特別な経験のひとつ”

── 『アフター・ヤン』の脚本を読んで、どのような印象を持ちましたか?

最初に読んだときから信じられないくらい感動した。それは優しい感動だった。僕にとっては、読んだ瞬間から今日にいたるまで、感情的な重みと心理的な影響を与え続けている物語。

コゴナダ監督の前作『コロンバス』(2017)を観ただけで、そしてこの脚本を読んだだけで、彼がとても繊細で優しい映画監督だと分かる。初日から一緒に仕事をするのが楽しくて仕方がなかった。20年間この仕事をやってきて、最も特別な経験のひとつだ。

── あなたが演じるジェイクはどのようなキャラクターですか?

ジェイクは茶葉専門店を経営している。経営はまったくうまくいっていない。妻は別の仕事をしていて、植物学や園芸の分野で非常にうまくいっている。夫婦の間には緊張関係があり、その理由は明らかにされていない。なぜならコゴナダは寛大な監督だから、物語の最低限の情報を伝えた上で、僕たちに判断を委ねるんだ。僕は、この映画は、愛することや生きることの意味をどう見出すかについて、それぞれが異なる葛藤を持ちながらもがく家族の物語なのだと思っている。

── ジェイクは故障した家庭ロボットのヤンが撮り溜めた記録映像を見て彼の秘密を知っていきます。

ヤンの目的の一つは、ジェイクが見失っていた人生の美しさを伝えることだと思う。ヤンは(1日につき)3秒間だけを記録映像に収める能力を備えていて、それが体内にメモリとして保存されている。自分たちと共に過ごしたヤンの思い出が明らかになることは、ジェイクにとって衝撃的な瞬間だった。それは彼の人生がいかに美しく、日々そこにある幸せと向き合ってこなかったことが分かる瞬間でもあると思う。

【チェックポイントはここ!】

『リリイ・シュシュのすべて』の名曲が甦る劇中、ミカが歌う印象的なナンバー「グライド」は、2001年の日本映画『リリイ・シュシュのすべて』で使われた曲。「あの曲を甦らせることが僕の夢だった」というコゴナダ監督が、眠りを誘うような新バージョンを歌ってもらいたいと歌手のMitskiにコンタクトしたところ、Mitskiも『リリイ・シュシュのすべて』の熱心なファンだったという。

アフター・ヤン
2022年10月21日(金)公開

アメリカ/2022/キノフィルムズ
監督:コゴナダ
出演;コリン・ファレル、ジョディ・ターナー=スミス、ジャスティン・H・ミン、マレア・エマ・チャンドラウィジャヤ、ヘイリー・ルー・リチャードソン

ⓒ2021 Future Autumn LLC. All rights reserved

This article is a sponsored article by
''.