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まもなく最新作『ブラックアダム』が日本でも公開されるDC映画。2023年以降も話題作が続々ですが、何やら大きな動きも。気になる今後の動向を杉山すぴ豊さんに徹底解説してもらいました! (文・杉山すぴ豊<DC映画の今後の動向>/デジタル編集・スクリーン編集部)*本記事は11月21日発売SCREENの記事を再編集した内容になります。

あのジェームズ・ガンがDCスタジオの共同CEOに!

2022年10月25日、アメコミ映画ファンをビックリさせるニュースがありました。あのジェームズ・ガン監督がDC映画のボスになる!と。これは一体どういうことなのか?

DCスタジオを率いるジェームズ・ガン

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DCの親会社であるワーナー・ブラザース・ディスカバリーのCEOのデヴィッド・ザスラフはマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の立役者でマーベル・スタジオの社長でもあるケヴィン・ファイギ的な人物がDCに必要であると主張。

この“DC版ケヴィン・ファイギ”としてジェームズ・ガン監督と映画プロデューサーのピーター・サフランを抜擢。彼ら2人は今後のDC映画、ドラマ、アニメを総括する新部門(新会社)「DCスタジオ」の共同CEOに就任するというわけです。

共同CEOのピーター・サフラン
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ここでDC映画の現状について説明しましょう。いわゆるDC映画は現在3ライン存在します。一つは2013年の『マン・オブ・スティール』に始まる映画世界。ガル・ガドットのワンダーウーマンやジェイソン・モモアのアクアマン、マーゴット・ロビーのハーレイ・クイン、そしてドウェイン・ジョンソンのブラックアダムもここの住人。MCUにならいDCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)と呼ぶメディアもいました。

一方DCEUと全く別の世界観で作られているのがトッド・フィリップスの『ジョーカー』(2019)、マット・リーヴスの『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(2022)。『ジョーカー』と『ザ・バットマン』の世界観もお互い異なり、それぞれ続編が作られる予定なので独自のユニバースとなっています。

というわけでDCEU、『ジョーカー』世界、『ザ・バットマン』世界の3ライン。DCEU以前の『スーパーマン』『ダークナイト』等は“過去作”ということで一旦現役ラインから除外。マーベルと比べ複雑ですがDCは一人一人のヒーローをキチンと描いた方がいいという判断から完全独立路線の『ジョーカー』『ザ・バットマン』も作られました。

DCEUは今後“DCU”へ! 人気ヒーロー復活にも期待

今回のDCスタジオ、つまりガン監督らが管轄するのは、とりあえずDCEU路線で『ジョーカー』ラインは管轄外。『ザ・バットマン』ラインがどうなるかはいまのところ不明です。

ちなみにガン監督たちがDCスタジオで展開するDC世界は、今後はDCEUという俗称を使わずDCユニバース=DCUという正式名称で呼ばれるそうです。(なので本コラムもここからDCU表記)。

では今後のDCUはどうなるのか? ブラックアダムでJSA(ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ)などジャスティス・リーグ以外にもヒーローがいることが明らかになり、あの重要キャラも再登場。

続く『シャザム!〜神々の怒り〜』はギリシアの神アトラスの娘たちとシャザムたちの戦いになるようですが、神々つながりで本作にワンダーウーマンがカメオ出演か? 注目作は『ザ・フラッシュ(原題)』。この作品でDCにおけるマルチバースが描かれ、その再統合が行われるはず。

統合後の新世界のバットマンはベン・アフレックではなくマイケル・キートン! そうDCU以前の1989年の『バットマン』をマルチバースの一つとしてとらえ、そこからの越境。なので『アクアマン・アンド・ザ・ロスト・キングダム(原題)』はこの『ザ・フラッシュ』以降の新世界での話となる?

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マイケル・キートンがDCユニバースのバットマンに?

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パティ・ジェンキンスは『ワンダーウーマン3(仮題)』の脚本を完成させたと言っており、ダイアナの勇姿もまたみられそうです。一方で『ブルービートル(原題)』のような少しなじみの薄い新ヒーローも映画デビューが決定。

気になるのはキアヌ・リーヴス出演で『コンスタンティン』(2005)の続編が作られると発表されており、彼もDCヒーローの一人。なのでDCUに参戦か? DCスタジオはドラマやアニメも統括する部門ではあるので映画とドラマの連動も積極的に展開?

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キアヌの『コンスタンティン』もDCユニバースに参戦する?

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すでにガン監督は映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)のスピンオフ・ドラマ「ピースメイカー」の実績があり、こうした試みもますます増えそう。

『ジョーカー』『ザ・バットマン』の続編に人気ヴィランが登場か

DCU以外のDC映画についても。『ジョーカー』の続編でレディー・ガガがハーレイ・クインを演じる『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(原題)』が2024年に全米公開予定。すでにガガが自身のSNSでティザー映像をUP。なんとミュージカル仕立てになるらしい!

ガガは監督のトッド・フィリップスがプロデュースした『アリー/スター誕生』(2018)に出演しており、相性は良いのかと思います。副題はフランス語で“二人の狂気”ですが一人の妄想が他の誰かにも感染していく精神障害のこともさすらしく、ジョーカーに感化されハーレイ誕生?

DCU映画で同キャラを演じているマーゴット・ロビーは“いろいろなハーレイがいてもいい”とガガにエールを贈っているようです。

画像: レディー・ガガが『ジョーカー』続編でハーレイ・クインに! Photo by Axelle/Bauer-Griffin/FilmMagic

レディー・ガガが『ジョーカー』続編でハーレイ・クインに!

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『ザ・バットマン』の続編は2025年以降になりそう。どのヴィランを描くのか? 前作の流れで言うとハリー・コーガンのジョーカーですが、監督のリーヴスは『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』でシュワちゃんが演じた冷凍怪人Mr.フリーズを登場させたがっているとも伝えられています。

その一方でコリン・ファレル演じるペンギンを主役にしたドラマ・シリーズの準備が進んでおり、先日クリスティン・ミリオティがファルコンの娘役で出演と報じられました。このドラマが映画とつながるか?

いかがだったでしょうか? DC映画の未来に夢が膨らみますね。なお『ブラックアダム』はDC映画に残る快作! まずはここからお見逃しなきよう!

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