『母の聖戦』が1月20日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMA ほかにて全国ロードショーされる。それに合わせ、世界のリアルを知ることができる、今観るべき映画を2作をピックアップしてご紹介!

終息のみえないロシアのウクライナ信攻による日本への影響

グローバル化が進む昨今、遠い外国で起こる出来事が、日本に暮らす私たちの生活にも大きく影響を及ぼしている。例えば、終息のみえないロシアによるウクライナ侵攻により、日本でも小麦や原油の価格が高騰し、市民生活まで余波を与えている。今や世界情勢は私たちの生活と切っても切り離せないものとなっている。特に2022 年は、ロシアのウクライナ侵攻が激化し、中国が台湾を、そして北朝鮮が韓国侵攻の様相を一層強めた激動と混沌の年だった。2023 年、新たな年の映画初めにおすすめしたいのが、そんな世界のリアルを知ることができる、今観るべき映画。

年間約6 万件(推定)の誘拐事件が発生するメキシコを舞台に、娘を麻薬カルテル組織に誘拐され、我が子の奪還を誓った母親の目線から、決して裕福ではない庶民が犯罪組織に搾取され、警察にも取り合ってもらえない非情な現実を描き出した『母の聖戦』、そしてTBSテレビに在籍し、中東支局長として現在ロンドンを拠点に世界中を飛び回る特派員の須賀川拓監督が、抜群の行動力と分析力でガザ、ウクライナ、アフガニスタン、世界の戦地を徹底的に歩き、戦地の状況とその裏に潜む社会の問題を伝えた『戦場記者』の2作品をピックアップしてご紹介する。

『母の聖戦』1月20日(金)より 公開

画像: 『母の聖戦』© MENUETTO FILM, ONE FOR THE ROAD,LES FILMS DU FLEUVE, MOBRA FILMS,TEOREMA All rights Reserved.

『母の聖戦』© MENUETTO FILM, ONE FOR THE ROAD,LES FILMS DU FLEUVE, MOBRA FILMS,TEOREMA All rights Reserved.

現代のヨーロッパを代表する名匠のダルデンヌ兄弟、ルーマニア・ニューウェーヴの重要監督クリスティアン・ムンジウ、メキシコの俊英ミシェル・フランコの3 監督がプロデューサーとして参加し、ワールドプレミアとなった第74 回カンヌ国際映画祭で大反響を呼び「ある視点」部門で勇気賞を受賞、第34 回東京国際映画祭では審査委員特別賞を受賞した、テオドラ・アナ・ミハイ監督の劇映画デビュー作。

メキシコ北部の町で暮らすシングルマザー、シエロのひとり娘である十代の少女ラウラが犯罪組織に誘拐された。冷酷な脅迫者の要求に従い、20 万ペソの身代金を支払っても、ラウラは帰ってこない。警察に相談しても相手にしてもらえないシエロは、自力で娘を取り戻すことを胸に誓い、犯罪組織の調査に乗り出す。そのさなか、軍のパトロール部隊を率いるラマルケ中尉と協力関係を結び、組織に関する情報を提供したシエロは、誘拐ビジネスの闇の血生臭い実態を目の当たりにしていく。人生観が一変するほどのおぞましい経験に打ち震えながらも、行方知れずの最愛の娘を捜し続けるシエロは、いかなる真実をたぐり寄せるのか……

『戦場記者』 全国公開中

画像: 『戦場記者』©TBS テレビ

『戦場記者』©TBS テレビ

戦争が続くウクライナでは、クラスター弾が降り注ぐ南部の街ミコライウの住民や、ロシア軍の占拠で放射能汚染のリスクが激増したチョルノービリ原発の職員に取材し、ロシアのプーチン大統領が「ネオナチからの解放作戦」と主張する“軍事作戦”が、紛れもない侵略・破壊行為であることを示した。本作は、普段我々が触れる国際ニュースだけでは知りえない、圧倒的なリアル、真実を映しす。
また、普段テレビや動画では見られない“平時”の須賀川に、権威ある「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞したスター記者の葛藤や、戦地に足を運び続ける思いも語らせる。彼は異国の地で何を感じ、何を考え、何を我々に伝えようとしているのか?我々が住む日本から遠く離れた現場で悪戦苦闘するひとりの日本人の瞳に映るものとは一。

『母の聖戦』1月20日(金) 公開
ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー

【監督】テオドラ・アナ・ミハイ
【製作】ハンス・エヴァラエル
【出演】アルセリア・ラミレス、アルバロ・ゲレロ、アジェレン・ムソ、ホルヘ・A・ヒメネス
【配給】ハーク
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