これは3人のドラァグクイーンの物語。
“オネエ”仲間である“なっちゃん”の突然の死をキッカケに、バージン(滝藤賢一)、モリリン(渡部秀)、ズブ子(前野朋哉)の3人のドラァグクイーンが、お葬式に参列する為に、なっちゃんの地元である岐阜県・郡上八幡へと向かうことに。“オネエ”であることを知らない家族の為に、なっちゃんの秘密を守り抜こうと“普通のおじさん”になりきる3人が繰り広げるハートフルヒューマンコメディ『ひみつのなっちゃん。』(2023年1月13日に公開予定。岐阜・名古屋は6日から上映)。
田中和次朗による完全オリジナル脚本・初の監督作品としても注目されている本作で主演を務める滝藤賢一と主題歌「ないしょダンス」を担当した渋谷すばる。俳優とアーティストという全く異なる立場にある両者は、『ひみつのなっちゃん。』を通して何を感じ取ったのだろうか? このストーリーの中で感じたこと、大切に想ったことなど、共鳴し合う想いを語り合ってもらった。

カッコイイ! 痺れるね! 最高だね!って思わず声出しちゃったくらい、嬉しくなったんです

──今回、『ひみつのなっちゃん。』という映画を通して、滝藤さんは主演をご担当され、渋谷さんは主題歌をご担当されたという繋がりで、ここ最近対談という機会を頂けたことで、お二人でお話して頂く機会が何度かあったと思います。なかなか接点がありそうで無いお立場ではありますが。

滝藤「普段アーティストの方とお話する機会がないからね。いろんな刺激をもらってます」

渋谷「いや、こちらこそです。ありがとうございます。今回いろいろとお話させて頂いて、滝藤さんが普段、こんなことを考えていらっしゃるんだなということを知ることが出来たことで、だからあんなにすごいお芝居されているんやなぁって思ったら、本当にすごい人やなって改めて感じました」

──再会となる今回は、少しは慣れましたか? 相当な人見知りで知られる渋谷さんですが(笑)。

渋谷「本当にすみません(笑)。滝藤さん、お話しやすいです。すごく引き出してもらってます。本当にありがとうございます」

滝藤「こちらこそ! 僕も人見知りですから」

渋谷「え!? そうなんですか!?」

滝藤「正確に言うなら、“人見知りだった”かな。昔はすごい人見知りだったんですよ、こう見えて(笑)。でも、主演を張らせてもらえる様になって、一緒に演じる方たちに楽しんで帰ってもらいたいから、威圧しないように自分から話しかけるようになったんだよ。最初は無理して頑張って話しかけるようにしたんです。女優さんとか何の話をしたらいいのか分からないんだけど、下の名前で“ちゃん”付けで呼んだりして。そうすると向こうの壁がなくなるのかな? “〇〇さん”って呼ぶより、“〇〇ちゃん”って呼んだ方が距離が近くなるというか、フレンドリーに話してくれるようになるから」

渋谷「周囲の方への気遣いですね。やっぱりそういうところまですごいですね、滝藤さん。(インタビュアーに)やっぱり女性はそういうコミュニケーションは嬉しいものなの?」

──軽い感じの人に言われるのはちょっと抵抗がありますが、滝藤さんみたいな方だったら、誠実だし、嬉しいですね。すごく目線を合わせてくれている感じがして。信頼度が増す感じがします。

滝藤「あははは。なるほどね! 僕は大丈夫?(笑) 親近感沸く?」

──沸きます、沸きます。

滝藤「よし。じゃあ今後も使っていこう(笑)」

渋谷「あははは」

──人見知りの人って、気を遣っているときほど頑張って喋っている気もしますからね。

渋谷「あ、たしかに、そういうときあるかもしれないです(笑)。僕ね、寡黙ではないんですけど、本当に初めての人とは上手く話せないし、そんなに自分から喋りかける方でもないし、よく喋る方でもないし、言葉には出さないんですけど、現場とかで“大丈夫ですか? 今日元気ないですか?”とか“体調悪いですか?”って言われるんですよ。でも、全くそんなことなくて、めちゃくちゃ楽しかったって思ってるんですけど、ほんまによく言われるんですよ。なんでやろ? 今、俺、めっちゃ楽しいんやけど……みたいに思うこといっぱいあるんですよね……」

滝藤「あははは。僕もそうかもな。喋らないと威圧感あるみたいだから気を付けてます(笑)。だからいっぱい喋ってるのかもしれない。そうしているうちに人見知りが治ったのかな? どうなんだろう? 実は治ってないのかな?(笑)」

──渋谷さんのバンドメンバーのドラマー(茂木左)が、“自称おばちゃんキラー”で、スタッフさんを、みんなが集まっていた打ち上げの席で、いきなり下の名前で呼んだことによって、スタッフ間の距離が一気に縮まったと言うことがあったんです。

滝藤「そういうのって絶対あると思うんだよね。場が和むというか。僕も常に意識してます」

──さすがは滝藤さん、本当に初対面のときから壁のない自然な接し方でお話していらっしゃって、素晴らしいなと感じました。

渋谷「本当に。人間性が素晴らしいなって思いました。話しているだけでいろんなことを学べてる気がします」

滝藤「ありがとう。そんな褒められたもんじゃないんだけど(笑)」

渋谷「いや、すごいです。すごく大きな人だなって感じます。でも、こんなに優しい感じの方だとは。お会いするまで怖い人だったらどうしようと思ってました」

滝藤「あははは。でも、よく言われる! 若い子が緊張するって(笑)。だから頑張って喋ってるんだよ(笑)」

渋谷「あははは。でも、すごく優しい方だっていうのが伝わってきます! でも、演技は田中監督がおっしゃっていたように、本当に熱いなって思いました。この映画を観せて頂いたとき、滝藤さんたちの演技を見て、あぁ、やっぱりこのほとばしる感じの強さをバンドサウンドにして良かったなって思えたんです」

滝藤「そう言ってもらえると嬉しいね。すごく光栄なことだと思うよ。僕としては、本当にアーティストってすごいなって思う。生まれ変わったら音楽やりたいと思ってるからね。音楽って1曲で人の人生を変えられる力を持っていると思うから。俳優はそれほど大きな影響力を持たないと思っていて。音楽は習慣性を生じる、自分にとってなくてはならなくなるみたいなものというか、それくらい必要不可欠になっていく存在で、ものすごく憧れがあるんだよね。だから、すばるくんのことも本当に尊敬するよ。例えば、震災があったとき、アーティストは被災地に一人でも歌を歌いに行ってあげられるでしょ。芸人さんもそう。自分達だけで行って笑いを届けてあげられるでしょ。でも、役者は1人じゃ何も出来ないから。自分が出来ないことをやれる人、といういう意味でもアーティストへの憧れは本当にずっと強くあるんだよ」

渋谷「いやいやいや、そんなことないと思います。音楽の力ももちろんすごいと思いますけど、役者さんって、本当にすごいなって思います。うまく言葉に出来ないですけど、音楽と同じくらい人生を変えられる力を持っていると思います」

滝藤「ありがとう。でも、そういう意味では役者も音楽を作る人も同じ感覚で作品に向き合うのかもしれないよね。今回、すばるくんが作ってくれた「ないしょダンス」は、この映画のために作ってくれたこともあって、すごく共感する部分がたくさんあったんだよ。さっき、“「ないしょダンス」を演じる前に聴かせて貰っていたら、またちょっと演じ方が変わっていたかもしれない”って言ったけど、本当にそう思った。試写で観た後に「ないしょダンス」の音源を貰ってからずっと聴いているんだけど、本当に好きで。何回もリピートして聴いているんだよ」

渋谷「うわ。それめちゃくちゃ嬉しいです。本当に嬉しいです。ありがとうございます」

──滝藤さんは試写の段階で初めて主題歌をお聴きになられたのですか?

滝藤「はい。でも、クレジットではすばるくんの名前が入っていたので、“どんな曲を作ってくれているんだろう? 早く聴きたいな”って、ずっと楽しみにしていたんです。試写で初めて最後に流れたのを聴いたとき、“カッコイイ! 痺れるね! 最高だね!”って声出しちゃったくらい。こんなに力強くて熱い曲をこの映画のために書いてくれたんだな、この映画から、こんなに熱い想いを受け取ってくれたんだなって、本当にすごく嬉しかったです」

渋谷「(恥ずかしそうに俯き加減で)いや、そんな……。そんなふうに言って貰えたことが、今、本当にすごく嬉しいです。ありがとうございます」

滝藤「こちらこそありがとう。台本を見て書いたの?」

渋谷「はい。台本を見て書かせて頂いたんです」

滝藤「台本を見ただけで、あの曲をイメージしたってこと?」

渋谷「はい。バッと頭の中に浮かんで来たんです」

滝藤「監督とは何回も会ったの?」

渋谷「いや、お会いする前に台本を読ませて頂いて、そこから曲を自分のイメージで書かせて頂いてからお会いしたんですけど、1回だけ会ってお話しさせてもらったんです。そこから最後の1行をちょっと手直しさせて頂いたくらいでした。原曲が出来たのは、一昨年の夏くらいだったと思います」

滝藤「そんなに早く!? まだ撮影が始まっていないくらいの頃だね。ちょうどこの映画に取り掛かろうというときに状況的にコロナの蔓延が酷くなって、撮影スケジュールが後ろ倒しになってしまったからね。撮影に入る前に監督に「ないしょダンス」を聴かせて貰えば良かったな。そしたら、またちょっと演じ方が変わっていたかもしれないなって思う。それくらい力のある曲だと感じたから」

渋谷「ありがとうございます。僕は逆に映像を観る前に、台本だけで書いたので、OKを頂くまで、“バラードっぽい方がいいのかな?”とか、いろんなことを考えてたりもしたんです」

滝藤「すばるくんがこの映画をイメージして作ったバラードも聴いてみたいけど、やっぱ今回はすばるくんが「ないしょダンス」に込めたあのパンクな感じが最高に映画を引き立ててくれていたと思うよ!」

渋谷「本当に嬉しいです。ありがとうございます!」

滝藤「こちらこそ!」

画像1: カッコイイ! 痺れるね! 最高だね!って思わず声出しちゃったくらい、嬉しくなったんです
画像2: カッコイイ! 痺れるね! 最高だね!って思わず声出しちゃったくらい、嬉しくなったんです

何処かで魂削って、自分の私生活を曝け出してやっている感じなんだろうなって思う

──今回滝藤さんは舞台挨拶のとき、バージンという役を通してドラァグクイーンに扮してみて、いろいろと感じることや思うところがあったとおっしゃっていましたが、それはどういうところだったんですか?

滝藤「そこは一言で語り尽せるところではない深いものだと思うんだけど、自分自身、初めての経験でもあったから、すごく不思議なエクスタシーを感じました。実際のドラァグクイーンの方に監修に入って頂いたこともあって、とてもリアルな世界観を表現出来たんじゃないかと思ってはいるんですけど、自分がドラァグクイーンの衣装を付けてメイクをさせてもらったことで、全く見えなかった世界が、少しだけ覗き見れた気がしたんです。自分が綺麗かどうかは別として、メイクしてもらってどんどん変化していくことがとても嬉しかったし、今までには感じたことのない部分で自信が持てた感覚になったりもしたし、この姿でステージに上がって、お客さんの前でスポットライトを浴びて、僕は踊れはしないけど、踊ったり歌ったり出来たら、どんなに素敵だろう!って、本気で憧れが沸いたんですよね」

渋谷「すごく綺麗でした。似合ってましたもん、滝藤さん。ドラァグクイーンの方達のメイクや衣装や生き様は、本当にその人の人生そのものが詰まっているところだと思うので、すごく尊いですよね」

滝藤「そうだね。すごく強いこだわりがあるみたいだからね。“女性に見られたらダメなんだ”って言ってた。僕は役柄として、オネエでもあったから、女性らしい所作をすごく勉強して追求したけど、ドラァグクイーンの方たちは、女性が少しでも出たらプイっとされちゃうんだって。でもさ、女性よりも女性っぽく振る舞わないと、女性らしくみえないからね。そんな中で本質を見せていくことで、よりリアルになると思ったんです。そこで男を出し過ぎちゃうと男になっちゃうから、本当に難しかった」

──特別な難しさだったんだなということが伝わってきます。滝藤さんは、自分に近い役、自分とは全く違う役、渋谷さんは自分自身を歌詞に書くとき、タイアップなどで全く自分ではないところを歌詞に書くときでは、どっちが演じやすい、書きやすい、というのはありますか?

渋谷「自分自身を書くときは、そこに近すぎるからこその苦しさみたいなのは生まれることはありますね。タイアップとかで全く自分に無いことを書く場合は、違うことを書きながらもやっぱりどこかに自分らしさが出てしまう気がしますね」

──お二人は、演じるとき、ライヴをするときは、どこまで自分自身だったりするんですか? どこでスイッチが切り替わるとか、意識されていたりするんですか?

滝藤「役者をやってる人全員がそう感じているとは思わないけど、役者をやっていると、どの自分が本当の自分なのか分からなくなってくるんだよ」

渋谷「僕は、普段歌詞を書いているときは自分自身ですね。タイアップ曲を作るときは全く別の自分というか、自分じゃない対象に向けて、そこに沿わせて書くので、そこは自分自身じゃないんですけどね。でも、やっぱり自分に頼んでくれたというところを考えると、全く渋谷すばるじゃない感じも違うんだろうから、自分が出過ぎない程度に自分を匂わせつつ作る感じです。今回の「ないしょダンス」みたいに、『ひみつのなっちゃん。』のために書き下ろした楽曲に関しては、タイアップだけど、自分にすごく重なる部分があったので、すごく自分自身に近い歌詞になったし、いつもやっている音楽に近いサウンドになったんです。ステージに立ったときの自分は……どうなんかな? 特別に切り替えるとか、スイッチがあるっていう感じではないんですけど、みんなからはどう見えてるんでしょうね?」

滝藤「分からなくなるよね。自分が自分のことを。すばるくんも、知らず知らずのうちに無意識でそこに入り込んでしまっているんだろうしね」

渋谷「あぁ、そうかもしれないです。ライヴ中とか、“なんであんなこと出来たんやろ?”って後から自分で自分をビックリすることありますからね。そういうのってありますか?」

滝藤「あるよ。昔、僕は俳優の仲代達矢さんがやっていらした俳優養成所の無名塾(1998年から2007年まで在籍)っていうところで10年近くお世話になって勉強させて頂いていたことがあったんだけど、その頃は、“普段から演じろ”って言われていたからね。“普段から演じるって何だろう? どういうことだろう?”って思っていた。私生活から演じなくちゃダメなんだって言われても、誰に対して何の為に演じるのか分からなくて。それに私生活も演じ出したら、いよいよ何が本当の自分なのか分からなくなってくる。でも、境界線がないんだよね、曝け出しだから俳優も。本当に泣いたり、怒ったり、恋したり。虚構の世界でいかに真実を足して、相手の役者さんとセッションしてリアクションをとるか。嘘の世界を少しでも本当のピースで埋めていく作業を必死で頑張っている感じ。嘘の世界で嘘を重ねていくと大変なことになってしまうから。やっぱり何処かで魂削って、自分の私生活を曝け出してやっている感じなんだろうなって思う。
 最近の話なんだけどね、この前、芝居で信じられないくらい泣いたんですよ。普段あんなに人前で泣くことないのに。涙も鼻水もたらたら流れ出た状態で泣きまくるの。こんな姿を人前で晒していいのかな? 大丈夫かな?って、ちょっと恐かったですよ。でもそのシーンの撮影が終わったときは、安堵しかなかった。“あぁ、このシーンの責任を果たしたぞ”っていう安堵。そこで一滴も涙が出なかったら、“じゃあ、明日もう一回やりましょう”とはならない。涙が出ようが出まいがそれでおしまい。全8話の最後のシーンという重圧の中、時間の無い限られた中で、照明さんや音響さんやカメラマンさんやいろんな人たちが僕の演技を撮る為に最高の環境を作ってくれている中で、奥さんとの思い出の詰まったデジカメを覗き込みながら号泣するっていう場面だったんだけど、そのデジカメには実際、何も写っていない(笑)。もちろん、写っているからといって感情が起きるわけではない。イメージを最大限膨らませてやった方が感情が起きるかもしれない。このドラマのオファーを受けた時からこのプレッシャーと戦わないといけない」

渋谷「いや……大変だなって思います、役者さんって本当に。すごいと思います。本当に尊敬しますもん」

滝藤「泣けなかったらどうしよう……じゃダメだから。その苦しさってあるんだよね。プレッシャーと恐怖との戦いなんだよね」

──今のお話し聞いていて、心がギュッとなりました。削っているんだな……って。

渋谷「分かる。本当に身を削っているんだなっていうところがすごく伝わってきました」

滝藤「でも、すばるくんたちもそうなんじゃない? アーティストって、逆に演じていないんだもんね。本当に丸腰というか、そのままの自分な訳でしょ」

渋谷「そうですね。でも、自分自身そのままだから、プレッシャーとか恐怖とかとはまた違うのかもしれないですね。一番素になってるときは、歌詞を書いているときで、自分ととことん向き合って書いているので、そこで苦しくなったりはあるんですよ。完全に独りだし、自分自身を抉り出していく作業だから、痛みを伴うというか」

滝藤「なるほどね」

渋谷「でも、もうそれが曲となって、ライヴで歌うというところまでくると、もう意識は、“来てくれたお客さんに楽しいって思ってもらって帰ってもらうには、どうしたらいかな?”っていうことばかりに向くんです。せっかく来てくれたみんなに、何を恩返し出来るかな?って」

滝藤「生で返ってくる恐怖はあるよね」

渋谷「たしかに、それはありますね」

滝藤「僕もやっぱり舞台はそういう生で返ってくる恐怖を感じるよ。でも、すばるくんたちアーティストは、それも作られたものじゃなく、自分自身が0から作ってるものでしょ。そこへの責任感という意味では相当なプレッシャーはあるんだと思う。僕ら役者は、台本も台詞もメイクも衣装もシチュエーションも照明もマイクも全部用意してもらって“はい、お願いします!”っていうものだから。また違った責任感やプレッシャーの形なのかもしれないよね」

渋谷「それはそれですごいことですよ」

滝藤「すごいことだよね。考えてみたら。演じる瞬間まで、暑いときは扇風機当ててもらったり、寒いときは暖かくしてくれたり、至れり尽くせりしてくれて、そこまでしてもらって、みんなが納得するパフォーマンスが出来なかったら、もう辞めた方がいいからね。やって当たり前ぐらいの気持ちでいないと。そこでしょうもない芝居をしたら、撮ってる方も“なんだよ!”って怒りたくもなるでしょ。この緊張感がたまらないんだよね。すばるくんは0から作り出したもので、自分自身を曝け出してその全てが自分に返ってくるって、アーティストって本当にすごい職業だなって思う。職業というか、すごいことをしている人たちだなって思う。だから僕は尊敬しているんだよね、アーティストという存在を。僕たちは撮影したものを後からいろんなプロの人たちが色を変えたり編集したりしてちゃんと完成形にして、お客さんに届けてくれてる訳だから」

渋谷「いやいや、やっぱりそれぞれ身を削る感じはありますよね。僕は恐怖とは言葉違うかもしれないけど、一緒にやってるみんなのことを背負ってる感じのプレッシャーは感じてますね。渋谷すばるとしてやっている以上、みんなを俺が守っていかなくちゃって思っているから」

滝藤「素敵なことだね」

──それは滝藤さんが、ご自身が主演の現場で、出演者のみなさんやスタッフさんに気を遣われる感じと同じなんでしょうね。

滝藤「そうかもしれないね」

渋谷「本当に今回お話出来て良かったです。本当にありがとうございました」

滝藤「こちらこそ! すばるくん、話せて良かった。とても楽しかったよ。本当に素敵な時間と曲をありがとう!」

渋谷「こちらこそです! すごく楽しかったです。いろんなお話聞けて嬉しかったです! ありがとうございました!」

滝藤「これからも「ないしょダンス」リピートしまくるからね!」

渋谷「ありがとうございます! 是非! この映画を観てくれた人たちが笑顔になってくれることを願っています」

画像: 何処かで魂削って、自分の私生活を曝け出してやっている感じなんだろうなって思う

撮影/久保田 司
ヘアメイク/山本晴奈(滝藤賢一)
      矢内浩美(渋谷すばる)
取材・文/武市尚子

PROFILE

画像: PROFILE

滝藤賢一 KENICHI TAKITOH

1976年11月2日生まれ、愛知県出身
舞台を中心に活動後、映画『クライマーズ・ハイ』(08年)で注目を浴びる。近年の出演作に、映画『関ヶ原』(17年)、『狐狼の血』(18年)。TVに「半沢直樹」(13年)、「半分、青い」(18年)、「麒麟がくる」(20年)、「探偵が早すぎる」(18、22年)等多数。主演ドラマ「グレースの履歴」(NHKBSプレミアム 全8話)が3月19日22時〜放送予定。

画像: 滝藤賢一 KENICHI TAKITOH

渋谷すばる SUBARU SHIBUTANI

1981年9月22日生まれ、大阪府出身
関ジャニ∞のメインボーカルとして活動後、2019年よりソロアーティストとしての活動をスタート。2022年9月より楽曲「7月5日」「ぼーにんげん」「これ」「Stir」を4ヶ月連続配信リリース。
2023年の1月11日に配信シングルとしてリリースされた映画「ひみつのなっちゃん。」の主題歌「ないしょダンス」は、初の書き下ろし映画主題歌となる。

映画『ひみつのなっちゃん。』

画像1: © 2023「ひみつのなっちゃん。」製作委員会

© 2023「ひみつのなっちゃん。」製作委員会

画像2: © 2023「ひみつのなっちゃん。」製作委員会

© 2023「ひみつのなっちゃん。」製作委員会

〈STORY〉
つまらない冗談を言っては「笑いなさいよ!」と一人でツッコミを入れていたなっちゃんは、新宿二丁目で食事処を営むママ。そのなっちゃんが急死した。店で働くモリリン(渡部秀)は、ドラァグクイーン仲間のバージン(滝藤賢一)とズブ子(前野朋哉)を呼び出す。なっちゃんは家族にオネエであることをカミングアウトしていなかったのだ。
証拠を隠すためなっちゃんの自宅に侵入した3人は、なっちゃんの母・恵子(松原智恵子)と出くわしてしまう。何とかその場を取り繕った彼らだが、恵子から故郷で行われる葬儀に誘われてしまい、なっちゃんの“ひみつ”を隠し通すため”普通のおじさん”に扮し、一路、郡上八幡へ向かうことになる……。
ドラァグクイーンたちが贈る、笑いと涙の珍道中!

1月13日(金)新宿ピカデリーほか全国公開

監督・脚本:田中和次朗
出演:滝藤賢一
   渡部 秀 前野朋哉 カンニング竹山
   松原智恵子
主題歌:渋谷すばる「ないしょダンス」(World art)
配給:ラビットハウス 丸壱動画

画像: 映画『ひみつのなっちゃん。』

This article is a sponsored article by
''.