ティモシー・シャラメやルカ・グァダニーノ監督も絶賛するテイラー・ラッセル
本作は、アカデミー賞《作品賞》《主演男優賞》など主要4部門にノミネートされ《脚⾊賞》に輝いた『君の名前で僕を呼んで』(17)に続くティモシー・シャラメとルカ・グァダニーノ監督の再タッグ作。ヴェネツィア国際映画祭後もアカデミー賞の前哨戦に数えられるインディペンデント・スピリット賞やゴッサム賞でも複数の部門にノミネートされている。社会の⽚隅で⽣きるマレンとリーが抱える秘密。それは⽣きるため本能的に⼈を喰べてしまうこと。その「謎」を解くための⼆⼈の逃避⾏、予想だにしない純愛のゆくえが、世界中で賛否を呼んでいる話題作だ。
今回の映像でフィーチャーされるマレンを演じるテイラー・ラッセルは、A24製作の『WAVES/ウェイブス』(2019)でのエモーショナルな演技で注目された逸材。本作では生まれながらに“人喰い”という宿命を背負い、逃避行を続ける主人公を演じている。
映像は、本能の赴くままに同級生に噛みついてしまったマレンがカセットテープの父の声を聴くシーンからスタート。「もう助けられない。お前のせいじゃない。生まれつきだ」と父に見放された彼女は、たったひとりで孤独な旅を始めることになる。
「こんな脚本は読んだことがなかった」というラッセルは、「マレンはとてもユニーク。彼女は人と繋がりたいけど、うまくいかない」と、禁断の宿命を背負ったマレンは社会のアウトサイダーで孤独な存在だと指摘。初のアメリカでの撮影に臨んだルカ・グァダニーノ監督は、「マレンは18歳くらいの女性だ。10代真っ只中だけど、失ったものに対して強い気持ちがある」と説明する。
自分探しの旅を続けるマレンは、自分と同じ宿命を背負う青年リーと出会う。「仕方がない。俺たちはこの生き方だ」と言うリーを演じるのは、今作で映画プロデュースに初挑戦したティモシー・シャラメ。リーとの旅を続けるマレンは、「俺を悪い人だと思わない?」と問われ、「ただ、あなたを愛している」と切なる胸の内を吐露するが・・・。
『君の名前で僕を呼んで』でアカデミー主演男優賞にノミネートされたシャラメは「テイラーとの共演はとても楽しかった。彼女はとてもオープンで、撮影では新しいことに挑戦していた」と彼女との共演を絶賛。グァダニーノ監督も「テイラーしかいない」と思ったというと太鼓判を押している。さらに、突然現れる謎の“人喰い”サリーを演じた、アカデミー賞受賞の名優マーク・ライランスも「リアルな演技ができる俳優だ。カメラを通して、彼女の考えていることがわかる」と褒めたたえている。
映像のラストでは、ラッセルが「本能に従って演技をすると、不思議な境地にたどり着くことが多い。何かに逆らった演技ではないので、良いことだと思う。人生の不思議さにただ身を委ねている感じ」だったと、女優としての新たな領域に進化できたと結んでいる。
『ボーンズ アンド オール』
2023年2月17日(金)全国公開
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