高校銃乱射事件の被害者加害者の両親、6年後の再会
アメリカのある高校で生徒による銃乱射事件が発生し、多くの同級生が死亡。犯人の少年もそのまま校内で自ら命を絶った。それから6年、事件で息子を殺された“被害者”の両親と、事件を起こした“加害者”の両親が、セラピストの勧めで対面することになる――
ほぼ全編に渡って主要キャスト4人よる密室の会話劇という斬新でチャレンジングな設定ながら、英国アカデミー賞をはじめ各国の映画賞81部門でノミネート、釜山国際映画祭フラッシュフォワード部門観客賞をはじめ各国の映画賞43部門で受賞。Rotten Tomatoesでは、批評家95%・観客90%FRESH(1月11日時点)という最高級の評価を獲得している。
監督を務めるのは、映画『キャビン』などで知られる俳優出身のフラン・クランツ。これが初監督・初脚本作品とは思えない緻密な脚本と演出により、密室4人の限られた設定ながら、どんなスリラーにも勝る衝撃的なほどの緊迫感に満ちた物語に仕上がった。
不寛容やリアルな人間関係の希薄さが問題視される現代社会で、<被害者と加害者の対話>という極めて重くセンシティブなテーマを圧倒的な臨場感と手に汗握るスリルをもって描き切る、まさに今見なければならない傑作が、ついに日本上陸する。
苛立ちと慟哭。事件か6年を経て始まる対話を捉えた予告編が公開!
予告編は、本作を絶賛する白石和彌監督による「とにかく凄まじいものを見た。多くの悲しみと憎悪の溢れる世の中に、静かな光を差し込む映画です。」というコメントからスタート。そして、加害者の母親リンダ(アン・ダウド)が今にも泣き出しそうな悲痛な表情で告げる「私は人殺しを育てた」というショッキングな言葉が続く。
カウンセラーの仲介により久しぶりに対面を果たし、ぎこちなく会話を始めた4人だったが、リンダと激しい口論になった被害者の父親ジェイ(ジェイソン・アイザックス)がついに怒りを爆発させる様子や、その妻で被害者の母親ゲイル(マーサ・プリンプトン)がジェイに向かって「あなたともう一度見つめあって生きたい」と涙ながらに訴える姿、息子が感じていた苦しみを淡々と語る加害者の父親リチャード(リード・バーニー)の姿など緊迫の対話の様子を切り取っている。
映画本編全体の約7割を占める4人による対話のシーンの中に回想シーンなどの映画的手法は一切なく、監督・脚本のフラン・クランツによると、この人生をかけた会話の全てがスクリーン上にリアルタイムで展開していく構成にしたかったという。命を奪った側と奪われた側という立場に留まらず、それぞれの想いや事件が人生に与えた影響をも感じさせる臨場感あふれる映像となっている。
<STORY>
アメリカの高校で、生徒による銃乱射事件が勃発。多くの同級生が殺され、犯人の少年も校内で自ら命を絶った。それから6年、いまだ息子の死を受け入れられないペリー夫妻は、事件の背景にどういう真実があったのか、何か予兆があったのではないかという思いを募らせていた。夫妻は、セラピストの勧めで、加害者の両親と会って話をする機会を得る。場所は教会の奥の小さな個室、立会人は無し。「お元気ですか?」と、古い知り合い同士のような挨拶をぎこちなく交わす4人。そして遂に、ペリー夫人の「息子さんについて何もかも話してください」という言葉を合図に、誰も結末が予測できない対話が幕を開ける──。
『対峙』
2023年2月10日(金) TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
監督・脚本:フラン・クランツ(初監督)
出演:リード・バーニー(「ハウス・オブ・カード 野望の階段」シリーズ)、アン・ダウド(『へレディタリー/継承』)、ジェイソン・アイザックス(『ハリー・ポッター』シリーズ)、マーサ・プリンプトン(『グーニーズ』)
2021年アメリカ / 英語 / 111分 / ビスタ / カラー / 5.1ch / 映倫G
配給:トランスフォーマー
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