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今回はテレビ中継も! 最多受賞にも注目
2023年1月10日(現地時間)ロサンゼルスのビバリーヒルズで「第80回ゴールデングローブ賞授賞式」が開催された。主催のハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)が閉鎖的過ぎるとの批判が起こり、昨年は公式ウェブ等での発表のみとなったが、今回はテレビ中継もあり、華やかなセレブたちが式典に戻ってきた。
会員数を増やしたりHFPAの状況は大きく改善されつつあると『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』で助演女優賞受賞のアンジェラ・バセットもスピーチで語った。多くのセレブが出席したのもその表れだろう。受賞者の顔ぶれもアフリカ系、アジア系など様々な人種から選出されている。
さらにキャロル・バーネット賞を受賞したライアン・マーフィがLGBTQの若者たちに語りかけたり、セシル・B・デミル賞受賞のエディ・マーフィが昨年のオスカーで平手打ち事件を起こしたウィル・スミスに絡んだジョークを放ったり、ホストのジェロッド・カーマイケルが三つのゴールデングローブ賞トロフィーを返還したトム・クルーズをジョークのネタにしたり、ウクライナのゼレンスキー大統領による「勝利は近い」とのメッセージが上映されたことなども話題になった。
今回映画部門で最多受賞となったのは『イニシェリン島の精霊』の3部門(作品&主演男優「ミュージカル/コメディ」と脚本賞)。次いで2部門の『フェイブルマンズ』(作品「ドラマ」と監督)と『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(主演女優&助演男優賞「ミュージカル・コメディ」)だ。この受賞結果が来たるアカデミー賞にどんな影響を与えるかに注目したい。
第80回ゴールデングローブ賞受賞リスト
【映画部門】
作品賞(ドラマ):『フェイブルマンズ』
作品賞(ミュージカル/コメディ):『イニシェリン島の精霊』
監督賞:スティーヴン・スピルバーグ(『フェイブルマンズ』)
主演女優賞(ドラマ):ケイト・ブランシェット(『TAR/ター』)
主演男優賞(ドラマ):オースティン・バトラー(『エルヴィス』)
主演女優賞(ミュージカル/コメディ):ミシェル・ヨー(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)
主演男優賞(ミュージカル/コメディ):コリン・ファレル(『イニシェリン島の精霊』)
助演女優賞:アンジェラ・バセット(『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』)
助演男優賞:キー・ホイ・クァン(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)
脚本賞:マーティン・マクドナー(『イニシェリン島の精霊』)
アニメーション作品賞:『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』
外国語映画賞:『アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~』(アルゼンチン)
作曲賞:ジャスティン・ハーウィッツ(『バビロン』)
オリジナル歌曲賞:Naatu Naatu(『RRR』)
セシル・B・デミル賞:エディ・マーフィ
キャロル・バーネット賞:ライアン・マーフィ
【テレビ部門】
作品賞(ドラマ・シリーズ):「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」
作品賞(ミュージカル/コメディ):「アボット エレメンタリー」
作品賞(リミテッド・シリーズ/テレビ映画):「ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル」
主演女優賞(ドラマ・シリーズ):ゼンデイヤ(「ユーフォリア/EUPHORIA」)
主演男優賞(ドラマ・シリーズ):ケヴィン・コスナー(「イエローストーン」)
主演女優賞(ミュージカル/コメディ・シリーズ):クインタ・ブランソン(「アボット エレメンタリー」)
主演男優賞(ミュージカル/コメディ・シリーズ):ジェレミー・アレン・ホワイト(「一流シェフのファミリーレストラン」)
主演女優賞(リミテッド・シリーズ/テレビ映画):アマンダ・サイフリッド(「ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女」)
主演男優賞(リミテッド・シリーズ/テレビ映画):エヴァン・ピーターズ(「ダーマー モンスター:ジェフリー・ダーマーの物語」)
助演女優賞:ジュリア・ガーナー(「オザークへようこそ」)
助演男優賞:タイラー・ジェームズ・ウィリアムズ(「アボット エレメンタリー」)
助演女優賞(リミテッド・シリーズ/テレビ映画):ジェニファー・クーリッジ(「ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル」)
助演男優賞(リミテッド・シリーズ/テレビ映画):ポール・ウォルター・ハウザー(「ブラック・バード」)