人気アメキャラ系映画ライター・杉山すぴ豊さんが、アメコミ・ホラー・SFなど多様なジャンル映画の情報を"深い知識と深い愛"をもってお届けする本連載。2023年発売号で初となる今回は年末年始に飛び交ったアメコミ映画の噂、そして心配なジェレミーさんへの想いを綴ってもらいました。(文・杉山すぴ豊/デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:Photo by Jesse Grant/Getty Images for Disney

杉山すぴ豊
アメキャラ系映画ライター。雑誌や劇場パンフレットなどにコラムを執筆。アメコミ映画のイベントなどではトークショーも。大手広告会社のシニア・エグゼクティブ・ディレクターとしてアメコミ映画のキャンペーンも手がける。

「マルチバース・サーガ」のトリは
マーベル映画ヒーローが大集合!?

今回は、年末から年明けにかけてアメコミ映画界隈で騒がれた噂をいくつかご紹介しましょう。あくまで噂です(笑)。でもワクワクしますよ。まずはマーベルから。今度の『アントマン&ワスプ:クアントマニア』でマーベル・シネマティック・ユニバース/MCUのフェーズ5が始まります。MCUはフェーズ4・5・6をマルチバース・サーガとくくっており、その最後にあたる作品が2025年11月7日公開予定の『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ(原題)』となります。つまり本作はMCUフェーズ1・2・3で構成されたインフィニティ・サーガのトリとなった『アベンジャーズ/エンドゲーム』的位置づけです。

しかしすべてのヒーローが集結した『エンドゲーム』を超えることが出来るのか? どうやら『シークレット・ウォーズ』はマルチバースを超えてすべてのヒーローたちが集結することになりそう。そしてここにヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンやトビー・マグワイアのスパイダーマン、そして別バースでは生きていたという設定でロバート・ダウニーJr.のアイアンマンも駆けつける、という噂が(笑)。そう『エンドゲーム』がすべてのMCUヒーロー・アッセンブルだったのに対し、『シークレット・ウォーズ』は歴代のすべてのマーベル映画ヒーロー大集合になるかもなのです!

MCUにベン・アフレックが来る? GODZILLAは宇宙怪獣とバトル?

さてDCの方ですが、すでに多くのメディアが伝えている通り、DCの新しいボスになったジェームズ・ガン監督が大幅にDC映画世界をリセットしようとしているらしい。その象徴的なニュースがヘンリー・カヴィルのスーパーマンの引退だったわけです。となるとベン・アフレックのバットマンもこのままフェード・アウトの可能性も高い。であるならば、と今度はMCUがベン・アフレックに水面下で出演交渉をしてる、というのです。MCUがアフレックに打診しているのはダリオ・アガーというヴィラン。大実業家ですがミノタウルス(ギリシア神話に出てくる牛頭の魔人)に変身する力を持っています。

もしこの話が本当なら、マイケル・キートンがスパイダーマンの敵バルチャー、クリスチャン・ベールが『ソー:ラブ&サンダー』のゴアを演じたことに続き三人目の歴代バットマン役者のMCU入り、となります。しかしかつてのDCヒーローをヴィランで使うとは贅沢なキャスティングですね。なおアフレックは前述の『シークレット・ウォーズ』で、別バースのデアデビルを演じるという噂も。彼はもともと2003年公開の20世紀フォックス(現20世紀スタジオ)版のデアデビルですから!

最後にアメコミ映画以外からホットな話題。2024年公開予定の『ゴジラvsコング』の続編。前作ではこの2頭が手を組み小栗旬さん操るメカゴジラと戦いましたが、今度 “彼ら”が共闘する相手はスペース・ゴジラ(!)との噂が。地球怪獣チームvs宇宙怪獣というわけですね。

また元気な姿を見られるまでずっと待っています

画像: とにかく今は治療に専念を・・・ Photo by Jesse Grant/Getty Images for Disney

とにかく今は治療に専念を・・・

Photo by Jesse Grant/Getty Images for Disney

この原稿を書いている最中、ジェレミー・レナーさんの事故のニュースがとびこんできました。一報は予断を許さない状況。本当に言葉を失うというか気が気でなかったです。1日たって本人が病室からインスタでメッセージを送っているのをみて涙が出ました。大好きなスターがけがをしたらファンとして心配になるのは当然です。ただ今回の場合、自分の親友ないし家族が事故に遭ったぐらいの衝撃でした。この10年、マーベルの映画でジェレミーさんの姿をずっと見続けてきました。だからなおさら近しく感じてしまうのかもしれない。

そして2回の東京コミコンでご一緒させていただいて、ジェレミーさんがコミコンを盛り上げてくれた大恩人という気持ちもあります。大変僭越な言い方になってしまいますが、僕にとっては憧れのスターであると同時に大切な同志なのです。一命はとりとめたものの大けがであることに変わりはありません。とにかくいまはゆっくり休んで治療に専念して欲しい。また元気な姿を見られる日までずっと待っています。

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