『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』以外の作品、ディズニープラスで配信中
キーワード2:多様性
2代目ホークアイことケイト・ビショップ、ミズ・マーベル、アメリカ・チャベス、アイアンハート等の十代女子ヒーローが続々登場。サムが新キャプテン・アメリカになったり、モニカ・ランボーが超人になったりと黒人ヒーローも絶好調ですが、それ以外にもアジア系のシャン・チーやウォン、ムーンナイトのレイラはエジプト系の女性ヒーロー。パキスタン系のミズ・マーベルも大活躍と人種の幅も広がっています。
『エターナルズ』(2021)に至ってはダイバーシティの見本のような人員構成です。フェーズ3まではアイアンマン、キャプテン・アメリカ、マイティ・ソーと主要の3人のヒーローが白人の男性だったわけですが、一気にヒーローの多様性が広がりました。
キーワード3:神話
さてMCUというのは基本SFだと思いますが、ソーやシャン・チー、そしてムーンナイトを通じて北欧神話、ギリシア神話、中国神話、エジプト神話の神々もまたこの世界の住人であることがわかりました。そう、MCUでは宇宙人とスパイと神様が同じように存在するのです。また死んだジェーンがヴァルハラに行ったり、ムーンナイトも死後の世界を彷徨ったりと「あの世」というのも描かれました。今後MCUの世界では一度死んだキャラでも何らかの形で復活できる可能性も示唆されています。
一方『ウェアウルフ・バイ・ナイト※2』(2022)がついにMCUに狼男というホラー映画要素を本格的に持ち込みました。この路線の延長に吸血鬼ハンターのブレイドや地獄の精霊ゴーストライダーの登場があるのかもしれません。こうしてみるとフェーズ4と言うのは、結構何でもありで今まで以上にMCUの世界・要素を拡大させる機能を果たしていたことがわかります。こうして広げるだけ広げて、フェーズ6のとりを飾る『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ(原題)』で、すべてがまたアッセンブルするという大興奮が味わえるのではないでしょうか?
※2 正式タイトルは『マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ウェアウルフ・バイ・ナイト』
新キャラが続々とデビューしたフェーズ4ですが、その中でも今後のMCUのキーになりそうなのがヴァルですね。「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」(2021)、『ブラック・ウィドウ』そして『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』で暗躍。ニック・フューリー的黒幕感がありますよね。恐らく彼女が曲者たちを集め『サンダーボルツ(原題)』(フェーズ5のラスト)を組織、ヴィブラニウムを狙ってワカンダに攻めに行く、みたいな展開になるのかも。
個人的には3人のスパイダーマンの集結に涙し、サム・ライミ節炸裂のワンダとエターナルズのセルシに心を奪われたり、チャーリー・コックス演じるデアデビルことマット・マードックが本格的にMCU入りしたことを心から祝いたい。そうした中やはりフェーズ4で忘れられないのは『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』でしょう。出演のチャドウィック・ボーズマン氏の現実の死と劇中の主人公の運命を重ねあわせる構成は確かに賛否がありました。けれどMCUを愛する者にとってこういう形で彼にきちんとお別れ出来たことは本当に良かった。
さあ、いよいよ『アントマン&ワスプ:クアントマニア』でフェーズ5の始まりです。今後のMCUのメイン・ヴィランとされるカーンが本作でデビュー。新たなるMCUが何を見せてくれるのか? ワクワクがとまりません!
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』以外の作品、ディズニープラスで配信中
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