数々のアクションムービーの主演を務めてきたリーアム・ニーソンが、アルツハイマーで記憶を失っていく殺し屋役に挑戦した映画『MEMORY メモリー』。『007/ゴールデンアイ』『007/カジノ・ロワイヤル』を手掛けたマーティン・キャンベル監督とタッグを組み、『L.A.コンフィデンシャル』のガイ・ピアース、『007/スペクター』のモニカ・ベルッチと共演を果たした本作。今回、リーアム・ニーソンのリモートインタビューが実現。余命わずかとなった殺し屋が、FBIに追われながら黒幕と対決する姿を描いた本作について語ってくれた。(取材・文/奥村百恵)

"アルツハイマー"を必要以上に誇張しないよう意識して演じた

ーー本作のどんなところに魅力を感じてオファーを受けられたのでしょうか。

「本作は2003年に公開されたベルギーのスリラー作品『ザ・ヒットマン』のリメイクなのですが、その『ザ・ヒットマン』をプロデューサーから勧められて観てみたら、すごく面白かったんです。殺し屋の主人公がアルツハイマーを発症するというオリジナリティ溢れる設定がいいなと。物語の面白さに惹かれたのはもちろんですが、マーティン・キャンベル監督が昔撮った英国のテレビシリーズや映画『007/カジノ・ロワイヤル』を拝見して以来、彼と仕事をしてみたいと思っていたので撮影が楽しみでしたね」

画像1: "アルツハイマー"を必要以上に誇張しないよう意識して演じた

ーーマーティン・キャンベル監督とお仕事をされてみていかがでしたか?

「常に現場全体の状況をしっかりと把握していて、スタッフの皆さんの動きをよく見てらっしゃいました。時には良い働きをしたスタッフに賛辞を贈ることもあって、みんなとよくコミュニケーションを取っていたのが印象的でしたね。たまに俳優だけを特別扱いして、スタッフの声には耳を貸さない監督もいますが(笑)、マーティンの現場は全員が平等。僕はそういう現場が大好きです」

ーー監督の演出で印象に残ったことはありますか?

「まずマーティンが「こういう風に撮りたい」という具体的なビジョンとその理由を説明して、そのあと俳優やスタッフみんなの意見を聞いて調整していました。カメラワークに関しては監督の領域ですが、役の心情や俳優同士のやり取りに関しては僕の考えや意見を言ってもいいだろうと思い、素直に伝えたらすごく尊重してくださったんです。またマーティンとはタッグを組んで作品を作りたいですね」

画像2: "アルツハイマー"を必要以上に誇張しないよう意識して演じた

ーーアルツハイマーを患う主人公・アレックスを演じる上で、意識されたことや心掛けたことを教えていただけますか。

「本作のようなアクションスリラー作品の場合、クライマックスに向けて展開がどんどんスピーディーになっていく傾向がありますよね。ところがアルツハイマーについて調べたところ、そんなにすぐには症状が進行しないことがわかったんです。僕にはアルツハイマーを発症して亡くなったアイルランドの友人がいたのですが、少しずつ体が弱っていく姿を目にしたことも大きいです。そういったリアリティを大事にしなければ当事者にも失礼になりますから、物語の展開に無理に合わせるのはやめようとマーティンと話しました」

ーーとても誠実にこの作品や役柄と向き合っていたことがわかるエピソードですね。
「幸いなことにマーティンも同じ考えだったので、リアルさを大事にしながらも、“アルツハイマー”を必要以上に誇張しないよう意識して演じました」

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