ディズニー作品をこよなく愛してきたデヴィッド・ロウリー
本作『ピーター・パン&ウェンディ』は、1904年にスコットランドの作家ジェームス・マシュー・バリーの戯曲および小説によって発表されて以降、映画やミュージカルそしてテーマパークのアトラクションとしても世界中で親しまれてきた「ピーター・パン」を、新たなストーリーで実写映画化した作品。
手掛けたのは、かねてよりディズニーの大ファンだと公言してきたデヴィット・ロウリー監督。8歳の時に『リトル・マーメイド』(1989)のアリエルに恋したというロウリー監督。幼いころからディズニー作品に触れ、『美女と野獣』(1991)『ピノキオ』(1940)など数あるディズニー作品をこよなく愛してきた。
2013年には、米バラエティ誌が選ぶ「注目すべき監督10人」の1人に選出され、同年に発表した映画『セインツ 約束の果て』で多くのファンの心を掴んだ彼は、その後、ディズニーの名作ファンタジーを実写映画化した『ピートと秘密の友達』(2017)の監督を務め、少年とドラゴンの絆を温かに描き出した同作で持ち前の“ディズニー愛”を存分に発揮し、世界中に多くの感動を届けた。
近年は、アメリカの映画評論サイトRotten Tomatoesで91%の高評価を獲得した異色のヒューマンドラマ作品『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』(2018)や、ダーク・ファンタジー『グリーン・ナイト』(2022)を、気鋭の製作会社A24とタッグを組んで手掛けたことでも注目を集めている。そんなロウリー監督の最新作となるのが、ピーター・パンと宿敵フック船長の知られざる過去が明らかになる『ピーター・パン&ウェンディ』なのだ。
本作のポイントは「大人になれないピーター・パン自身」
もとより「ピーター・パン」の物語も大好きだったと話すデヴィット・ロウリー監督。誰もが知る人気作品だからこそ、最初はプレッシャーもあったというが、「自分なりに『ピーターパン』の定義を考えていたら、いつの間にか夢中になっていた」と語っている。
本作の見どころについて、「この作品のポイントは、なんといっても大人になれないピーター・パン自身にある。だから、この作品では、彼が大人への第一歩を初めて踏み出す瞬間を描くことにしたんだ」「大人にならないことが理想であり、そのために努力するピーターの姿を通じて、成熟した大人になるということはどういうことなのかを改めて考えてみようと思った。大人になることの意義に正面から向きあい、それが可能であることを伝えたかったんだ」と熱弁。
その言葉の通り、本作では、“ネバーランド”に隠された過去と共に、これまで描かれてこなかったピーター・パンの成長が初めて描かれる。ピーター・パンだけでなくウェンディにもフォーカスがあたる本作では、ピーター・パンと共にネバーランドへ向かったウェンディが、ピーター・パンの宿敵フック船長と出会い、スリル溢れる冒険を繰り広げていく。その先で<大人になることの意味>に気づいたウェンディが、大人になることを拒むピーター・パンにも影響を与えていく――。初めて明かされるピーターのドラマから目が離せない。
アニメーション版にも敬意を表するデヴィット・ロウリー監督が生みだした、新たなピーター・パンの物語に要注目だ。
『ピーター・パン&ウェンディ』
4月28日(金)よりディズニープラスにて独占配信
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