本年度アカデミー賞で主要6部門にノミネートされた話題作『TAR/ター』が、2023年5月12日(金)、いよいよ日本上陸。音楽界の頂点に立つ天才指揮者ターの栄光と狂気を“怪演”するのは、アカデミー賞二度受賞の名優ケイト・ブランシェット。キャリア史上最高傑作との呼び声も高い一作です。

『リトル・チルドレン』の鬼才トッド・フィールド監督がケイト・ブランシェットに脚本を当て書き

画像: 『リトル・チルドレン』の鬼才トッド・フィールド監督がケイト・ブランシェットに脚本を当て書き

『アビエイター』(2004)『ブルージャスミン』(2013)で二度アカデミー賞を受賞するなど数々の栄誉に輝き、現代を代表する女優の一人として名高いケイト・ブランシェット。その“最高傑作”とも呼び声の高い最新作は、天才指揮者リディア・ターの栄光と心の闇を描くサイコスリラー。

世界最高峰のオーケストラの一つであるドイツのベルリン・フィルで、女性として初めて首席指揮者に任命されたターが、名声を守り続けるための重圧と、何者かに仕掛けられた陰謀によって、次第に心に闇を広げていく。

監督と脚本を手掛けるのは『イン・ザ・ベッドルーム』(2001)『リトル・チルドレン』(2006)でアカデミー賞脚色賞にノミネートされたトッド・フィールド。これが16年ぶりの新作で、ケイト・ブランシェットに向けて脚本を当て書きした。

本格的なクラシックの世界を描きたいという監督の要請で、現役指揮者のジョン・マウチェリが脚本を監修。『ジョーカー』(2019)のヒドゥル・グドナドッティルが音楽を担当している。

主人公ター役のケイト・ブランシェットは、ピアノや指揮法を本格的に学び、すべての演奏シーンを自身で演じきっている。ターの恋人役に『東ベルリンから来た女』(2012)のニーナ・ホス。ターのアシスタント役に『燃ゆる女の肖像』(2019)のノエミ・メルラン。ターの財団を支援する投資銀行家役に『キングスマン』(2014)のマーク・ストロング。

本年度アカデミー賞にて作品賞・監督賞・主演女優賞・脚本賞・撮影賞・編集賞の6部門でノミネートされた。

【あらすじ】音楽界の頂点に上りつめた天才指揮者が悪夢のような状況に追いつめられていく

アメリカの5大オーケストラで指揮者を務めた後、ベルリン・フィル初の女性首席指揮者に就任したリディア・ター(ケイト・ブランシェット)。彼女は並外れた才能とそれを上回る努力、類稀なる自己プロデュース力で、音楽界の頂点に君臨。ヴァイオリン奏者の恋人シャロン(ニーナ・ホス)と養女のペトラを一緒に育てながら、作曲者としての創作や自伝の出版、ジュリアード音楽院での講義など多忙な日々を送っている。

そんな中、ショッキングな報せが届く。財団のプログラムでターが指導したクリスタという若手指揮者が自殺したのだ。彼女とのトラブルを抱えていたターは、巻き込まれることを恐れて彼女に関するメールをすべて削除。

しかし、新曲の生みの苦しみも抱えるターは、精神的な重圧からか幻聴のような物音を耳にするようになり、その強権的な振る舞いでアシスタント(ノエミ・メルラン)や楽団員たちとの関係を悪化させていく。そして思いがけない陰謀が、彼女を悪夢のような状況に追いつめていく。

【登場人物紹介】

天才指揮者
リディア・ター(ケイト・ブランシェット)

画像: 天才指揮者 リディア・ター(ケイト・ブランシェット)

現代の音楽界を牽引する天才的な指揮者。世界最高峰のオーケストラの一つであるドイツのベルリン・フィルで、女性として初めて首席指揮者に任命された。孤高の存在であり、傲慢で繊細。常に高みを求め、絶対的権力を振りかざす。作曲者としての才能も発揮し、エミー賞、グラミー賞、アカデミー賞、トニー賞のすべてを制している。

ヴァイオリン奏者
シャロン(ニーナ・ホス)

画像: ヴァイオリン奏者 シャロン(ニーナ・ホス)

ターの恋人で、養女を一緒に育てるパートナー。オーケストラのコンサートマスターを務めるヴァイオリン奏者。

ターのアシスタント
フランチェスカ(ノエミ・メルラン)

画像: ターのアシスタント フランチェスカ(ノエミ・メルラン)

ターの副指揮者を目指すアシスタント。厳格なターの要求に応えているが、彼女を完全には信用していない。

ロシア人チェロ奏者
オルガ(ソフィー・カウアー)

画像: ロシア人チェロ奏者 オルガ(ソフィー・カウアー)

新人チェロリスト。輝く才能と物怖じしない奔放さでターを魅了。ターの彼女への寵愛が波紋を広げることに。

ターの財団を支援
エリオット・カプラン(マーク・ストロング)

画像: ターの財団を支援 エリオット・カプラン(マーク・ストロング)

若手女性指揮者にチャンスを与えるターの財団を支援する投資銀行家。アマチュアオーケストラの指揮者の顔も。

【制作秘話】本作鑑賞前にチェック!

1.世界的マエストロが全面協力

トッド・フィールド監督は指揮者の世界を描くにあたり、音楽界のマエストロの監修を仰ぐ。著書「指揮者は何を考えているか」で知られ、伝説的音楽家レナード・バーンスタインと親交の深かった指揮者ジョン・マウチェリだ。

映画にも造詣が深いマウチェリは本作の脚本を監修。監督のために講義を行い、電話を通して多くの時間を過ごしたという。

2.ケイト・ブランシェットの驚異の役作り

画像: 2.ケイト・ブランシェットの驚異の役作り

天才指揮者ターを演じたケイト・ブランシェットは本作のためにドイツ語とアメリカ英語、ピアノと指揮法を習得。演奏シーンはすべてケイト自身が演じている。その訓練は撮影中も続いていたといい、監督は「ろくに睡眠も取っていなかったのではないか」と振り返る。

しかも彼女は当時同時進行で他2作品にも参加していたというからまさに驚異的。

3.名作『ベニスに死す』でも有名な楽曲が登場

画像: 3.名作『ベニスに死す』でも有名な楽曲が登場

本作で重要な役割を果たすのがマーラーの交響曲第5番第4楽章「アダージェット」。ターはこの曲のライブ録音・発売に向けてリハーサルを進めていく。

この楽曲はマーラーが愛する女性へ送った“愛の楽章”として知られ、映画『ベニスに死す』(1971)のテーマ曲としても有名。監督が最も愛する楽曲の一つということで、今回の物語のベースになっている。

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『TAR/ター』
2023年5月12日(金)公開
アメリカ/2022/2時間39分/配給:ギャガ
監督:トッド・フィールド
出演:ケイト・ブランシェット、ノエミ・メルラン、ニーナ・ホス、マーク・ストロング

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