“仮想と現実の空間の狭間で、今の自分の居場所を常に確認しながら演技していました。”
hair&make/スズキユウジ(MAXSTAR) styling/津野真吾(impiger)
衣装協力:シャツ5万1700円 中のカットソー1万3200円 パンツ5万5000円(Ground Y/ヨウジヤマモト プレスルーム) その他スタイリスト私物
プロフィール
生駒里奈
1995年12月29日生まれ、秋田県由利本荘市出身。乃木坂46ではデビューシングルから5作連続でセンターを務め、2018年に同グループ卒業後は俳優として舞台やテレビドラマ、映画などで活躍中。
NHK Eテレ「ストレッチマン・ゴールド」にマイマイ役としてレギュラー出演中で、2021年には舞台「僕とメリーヴェルの7322個の愛」で初のひとり芝居に挑戦。日本テレビ系ドラマ「真犯人フラグ」では謎の女・本木陽香役として出演し、その怪演が話題を呼んだ。
そのほかにもABCテレビ「OTHELLO」で連続ドラマ初主演を務め、現在東海テレビ・Leminoで放送中のドラマ「にがくてあまい」でも主演を務める。テレビ東京で放送中のドラマ「好感度上昇サプリ」へも出演しており、6月16日(金)には清水崇監督最新作『忌怪島/きかいじま』の全国公開も控えるなど、活躍の場を広げている。
──生駒さんは本作以外にも『コープスパーティー』や『ROOOM』といったホラー作品に出演されていますが、実はホラー映画を観るのは苦手だとか?
怖い映画を観るのは正直苦手ですね。でも、出るのは平気なんです。なぜかというと、ホラー映画の撮影現場だからといって実際に怖いことが起きるわけではないし、むしろどうやって作っているのか裏側を知ることができるので、本作への出演も楽しみでした。
──本作は島を舞台に、VRという科学的要素を融合した新しいホラー映画ですが、最初に台本を読んだ時の感想をお聞かせいただけますか。
昔から“口裂け女”や“メリーさんの電話”のような都市伝説にまつわる怖い話はたくさんあって、それがホラー映画になっていたりもしますが、劇中で使われるツールが時代と共に進化していますよね。その最新版が本作で使われたVRなんじゃないかなって。“メタバース=仮想空間”がホラーと融合するとこんなに怖いのかと台本を読んで思いました。
──VRのホラーゲームもありますし、確かに相性の良い組み合わせですよね。
VRのホラーゲームは絶対にプレイできないです(笑)。もしも本作のように現実とそっくりの仮想空間で怖い体験をしたら、トラウマになりそうですよね。
──その現実世界そっくりの仮想空間を作っているシンセカイのプログラマーである深澤未央を演じるうえで、どんなことを意識されましたか。
未央は物語の進行上、あまり前に出すぎず、少し控えめに存在する方がいいなと思ったので、そこは意識して演じました。劇中では登場人物たち全員のバックボーンは描かれませんが、監督からは裏設定の資料を頂いたので、それを見ながら演じ方を考える作業がとても楽しかったです。
──ちなみに裏設定の資料にはどんなことが書かれていたのですか?
チームメンバーの関係性が詳しく書かれていました。でも、それはご覧になった方がそれぞれ想像した方がいいと思うので、ここでお話しするのはやめておきますね(笑)。
──わかりました(笑)。ところで島での撮影はいかがでしたか。
最初に奄美大島で撮影をすると知った時は、日焼けと虫が苦手なのでちょっと不安だったんです。ですが実際に行ってみたら自然のパワーに癒されましたし、島ならではの得体の知れない怖さみたいなものも感じることができて、いい意味でゾクゾクしました。
──共演者のみなさんとはどんな風にコミュニケーションを取っていましたか。
みなさんフレンドリーで、すぐ仲良くなりました。中でも葵役の川添野愛ちゃん、春樹役の平岡祐太さんとはずっとしゃべっていましたね。
ある日、奄美海洋展示館という場所でウミガメの餌やり体験ができるらしいという話で盛り上がって、野愛ちゃんと平岡さんと3人で行こうとしたのですが、結局行けなくて。なのでいつかプライベートで奄美大島に行って、ウミガメにレタスをあげたいです(笑)。
──他に現場で印象に残ったことを教えて頂けますか。
本作にはイマジョという赤い女の怨念が登場するのですが、演じているのは祷キララさんで、海の中での段取りやイマジョの動きを説明する際にはホラー担当の川松尚良さんがご指導されていたんです。
それで、イマジョが自分の目の前にいるシーンの確認の時に、ダイビングスーツを着た川松さんがイマジョを演じていたのですが、あまりの熱演に驚いちゃって(笑)。川松さんの本作にかける思いが伝わってきたので、私も応えなければという気持ちでやっていましたね。
──イマジョの恐怖シーンの裏側にはホラー担当の川松さんの頑張りがあったのですね。
とっても頑張ってくださっていました。完成版を観たらイマジョが怖すぎたので、きっと川松さんの苦労は報われたと思います。
──劇中には人が床の中に引き込まれていってしまうような恐怖シーンもありましたね。
あのシーンは現場では超アナログな方法で撮影していて、バケツに貯めたお水をタイミングに合わせてバシャーンとぶちまけて、その映像と別撮りした映像を組み合わせていたりするんです。ああいうシーンを観るとVFXの効果に驚きますよね。VRや仮想空間といった世界観がリアルさを増しているので、すごいなと驚きました。
──リアルすぎて現実世界と仮想空間の区別がつかなくなるシーンも…。
わかります! 現場でもシーンごとに現実世界なのか仮想空間なのかを明確にしてから撮っていました。そこの認識を間違えて演じてしまうと成立しなくなるので、みんなで『これから撮るのは現実世界だよね』と確認し合っていましたね。
──最後に本作を楽しみにしている方にメッセージをお願いします
新しいホラー作品になっているので、ぜひ劇場の大きなスクリーンで楽しんでいただけたらうれしいです!
『忌怪島/ きかいじま』2023年6月16日(金)公開
あらすじ
島という閉鎖空間でVR研究を進めるチーム「シンセカイ」。チーフ脳科学者・井出文子に招かれて島にやってきた天才脳科学者・片岡友彦は早速VR研究に取り掛かるも突如、赤い女のバグが発生。仮想と現実という2つの世界のシンクロによって解き放たれた赤い女=イマジョの怨念が、瞬く間に島を覆うなか、友彦ら研究チームのメンバーは、謎を解き明かそうとするが…。
〈恐怖の村〉シリーズに続く清水崇監督最新作は、古来の「怨念」が眠る島を舞台に、「VR」という科学的要素を融合。現実と仮想、2つの世界での恐怖を描く。
友彦と共に不可解な連続死の謎を探る園田環役に、山本美月。「シンセカイ」のメンバー役に、生駒里奈、平岡祐太、水石亜飛夢、川添野愛。井出文子役に伊藤歩。笹野高史演じる「シンセカイ」の世話人・新納シゲルを気に掛ける女子中学生・金城リン役を當真あみが演じている。
深澤未央(生駒里奈)
天才脳科学者の片岡友彦が所属する「VR」研究チーム“シンセカイ”のメンバー。優秀なプログラマーで、現実世界とそっくりの仮想空間を作る研究に没頭している。
『忌怪島/ きかいじま』
2023年6月16日(金)公開
日本/2023/1時間49分/配給:東映
監督:清水崇
出演:西畑大吾(なにわ男子)、生駒里奈、平岡祐太、水石亜飛夢、川添野愛、大場泰正、祷キララ、吉田妙子、大谷凛香、笹野高史、當真あみ、なだぎ武、伊藤歩、山本美月
©︎2023「忌怪島/きかいじま」製作委員会