思春期の煌めきと痛みを描く青春映画『ファルコン・レイク』本編映像が解禁

14歳になる少年と、3歳年上の少女。二人が辿る“忘れられないひと夏”

湖畔の避暑地を舞台に、14歳になる少年と16歳の少女が辿る“忘れられないひと夏”を描いた『ファルコン・レイク』。文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞に輝き、日本でも人気を博すバンド・デシネ （フランス語圏のマンガ）の名手バスティアン・ヴィヴェスによる「年上のひと」（リイド社刊）を原作に、監督のシャルロット・ル・ボンが自ら脚本を手掛け、映画オリジナルの物語を紡いだ。

「思春期の絶頂で経験して以来、未だまとわりつくこの憂鬱感は、私にとって安全な避難場所であり、背中を押してくれるものなの。憂鬱な気分は飼いならして自分の味方にしないと。悲しみに対抗するための一生の友達なのだから」と本作の重要なテーマである“思春期の憂鬱さ”について監督が語るように、本作の映画化にあたっては自らの思春期の実体験を反映させた。

今回解禁された映像では、大人に足を踏み入れ、メランコリックな雰囲気をたたえる16歳の少女クロエと、14歳を迎える少年バスティアンのぎこちなくもリアリティのあるやりとりが収められており、この先、一体2人は、どのようにひと夏を過ごすのか。物語の展開に期待させられる本編映像となっている。

思春期の煌めくような美しさと痛みを独自の視点で描いた本作は、「残酷であり、美しい青春の肖像。観る者すべてが無傷ではいられない」（Ioncinema）、「10代特有の“脆さ”と“恐怖”を見事に表現した、異色の青春映画」（Cheatsheet）、「青春ドラマとしては誰も観たことがない、未開拓の領域へと観客を導いてくれる」（Cineuropa）など、海外メディアも絶賛している。

本作に合わせて観返したい青春映画のマスターピースもご紹介！

『君の名前で僕を呼んで』(17／ルカ・グァダニーノ監督)

アンドレ・アシマンの同名小説を『胸騒ぎのシチリア』のルカ・グァダニーノ監督、ティモシー・シャラメとアーミー・ハマー主演で映画化。世界で旋風を巻き起こした青春ラブ・ストーリー。北イタリアの避暑地を舞台に、17歳の高校生エリオがアメリカからやって来た24歳の青年オリヴァーと情熱的な恋に落ちていく瑞々しくも切ないひと夏の出来事を、郷愁溢れる筆致で美しく繊細に綴った傑作。

『アメリカン・スリープオーバー』(10／デヴィッド・ロバート・ミッチェル監督)

『イット・フォローズ』のデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督の長編監督デビュー作。新学期を目前に控えた夏の終わりに催された“スリープオーバー（泊まり会）”を通して、一目惚れした女性を探す少年や、双子の姉妹の間で揺れる大学生、「楽しいなにか」を求める少女など、それぞれの青春を追いかける思春期の少年少女たちの揺れ動く心を、切なくも瑞々しく描く。

『mid90s ミッドナインティーズ』(18／ジョナ・ヒル監督)

俳優ジョナ・ヒルが初監督・脚本を手がけ、自身が少年時代を過ごした1990年代のL.Aを舞台に、13歳の少年の成長を描いた青春ドラマ。兄に負けてばかり、早く見返したいと願う少年スティーヴィーは、スケートボードショップに出入りする少年たちと知り合う。子どもから大人へと足を踏み入れていく自由さと不安を繊細かつ力強く描いた青春映画。サニー・ソルジックが主演を務め、兄をルーカス・ヘッジズが好演した。

『早春』（1970／イエジー・スコリモフスキ監督）

ポーランドの名匠イエジー・スコリモフスキによる青春映画の金字塔。15歳の少年マイクが年上のスーザンに惹かれていく、不器用な初恋を色鮮やかな映像美で綴った伝説の青春ドラマ。日本では72年に劇場初公開。2018年にデジタルリマスター版でリバイバル上映され、話題となった。