本当の自分を見つける! 親友三人組のロードムービー!
学生時代、「三銃士」と呼ばれた仲良し三人組。卒業後はそれぞれの人生を歩んでいたが、彼らの内の一人が結婚することになった。学生の頃に交わした約束通り、三人は「バチェラーズ・パーティー」の一環でスペイン旅行に出る。そこで彼らは様々な出会いや体験を通して人間的に成長し、本当の自分を見つける。
監督のゾーヤー・アクタルと主演の一人ファルハーン・アクタルは姉弟。ファルハーンはプロデューサーでもあり、彼らの父親ジャーヴェード・アクタルが挿入歌の作詞を担当している。この映画はいわばアクタル一家のホームプロダクションである。
インドでは女性監督が娯楽特化の商業映画を手掛けることは少なかったが、ゾーヤー監督は現代的な娯楽映画を撮ることのできる監督の一人だ。
また、女性監督の作品ながら、「男の友情」を基軸にした男性視点の友情映画になっているのがユニークだ。特に、結婚を前にした男性の、実は憂鬱な気分を不思議なほどによく表現している。
劇中には悲しい要素も多いのだが、「三銃士」のまぶしい友情のおかげで楽しく鑑賞し通すことができる。インドを代表する美男美女、リティク・ローシャンとカトリーナ・カイフが共演しているのも大きな見どころであるし、俳優たちが身体を張ったスキューバダイビングやスカイダイビングなどのシーンも爽快だ。ほぼ全編スペインロケのロードムービーでもある。
インドでは2011年の大ヒット映画の一本になった。
見どころ1:この映画で観光客急増! スペインの魅力たっぷり
スペイン政府観光局の全面的な支援を受けて撮られた映画であり、まるでスペイン観光のプロモーション動画のような作りだ。バルセロナ、コスタ・ブラバ、ブニョール、パンプローナなどスペイン各地を点々とし、有名な「トマト祭り」や「牛追い祭り」もしっかりストーリーに組み込んでいる。
この映画の公開後、スペインを訪れるインド人観光客が急増したとされ、スペインロケのインド映画もよく見掛けるようになった。
見どころ2:当時の世相を反映! 社会へのアンチテーゼ
2000年代のインドは「BRICs」の一角として急成長し、人々は勉強や仕事、金儲けに躍起になった。しかしながら、2008年のリーマンショックを機に経済は停滞し、人々の中には、広がってしまった格差や、成長を追い求める中で失ってしまったものに目を向ける者も現れた。
リティク演じるアルジュンはFIREを目指してがむしゃらに働く証券トレーダーだったが、スペイン旅行を通じて人生観が180度変わる。当時のインドの世相を象徴したキャラである。
注目スター
リティク・ローシャン
1974年生まれ。映画一家に育ち、幼少時から子役で映画に出演していたが、本格的なデビューは2000年。デビューと同時に大人気になり、瞬く間にトップスターに上り詰めた。
精悍なマスクと見事な肉体美から「ギリシア彫刻」の異名を持つ。ダンスが非常にうまく、出演作では毎回、彼の超絶ダンスが注目される。
日本公開作には『クリッシュ』(2013)、『スーパー30 アーナンド先生の教室』(2019)、『WAR ウォー!!』(2019)などがある。
2023年8月2日(水)発売
『人生は二度とない』
DVD:4,290円(税込)
封入特典:ポストカード
映像特典:日本版予告
提供:SPACEBOX
発売元:フルモテルモ
販売元:ハピネット・メディアマーケティング
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