「トランスフォーマー」シリーズ全5作の監督を務めたマイケル・ベイ。ベイ印の1つでもある、ダイナミックな“爆発”は「やりすぎだよ!」と言われることも多々ありますが、現在に至るまで、その作家性を惜しみなく発揮して観客を楽しませてくれる作品を撮り続けている、才能に溢れた監督の一人であることは言わずもがな。そんなマイケル・ベイの魅力を余すところなく、たっぷりとお届けします!(文・高橋ヨシキ/デジタル編集・スクリーン編集部)カバー画像:アフロ

\監督作鑑賞の際はここをチェック!/
ベイ映画の愉しみ

それぞれの監督作には特徴が必ずある。マイケル・ベイと言えば“爆発”や“破壊”を思い浮かべるかもしれないけれど、でもそれだけではない! マイケル・ベイ監督作品を鑑賞する際に特に注目して欲しい7つのポイントに分けてご紹介します! これであなたもベイマスター!

何はなくともヘリコプターを飛ばせ!

画像: 『アンビュランス』でもベイ印のヘリコプターを飛ばしまくり!

『アンビュランス』でもベイ印のヘリコプターを飛ばしまくり!

マイケル・ベイはCM・MTVの監督としてキャリアをスタートさせた。ダニー・オズモンドやティナ・ターナー、エアロスミスなど錚々たるアーティストのMTVを手掛けているが、中でも代表作はミートローフ「愛にすべてを捧ぐ」のビデオ。

撮影現場にやってきたミートローフは驚愕した。あまりに撮影のスケールが大きく、「おまけに頭上をヘリが何機も飛び回っていたんだ!」。ヘリコプター・ショットはベイ映画の「基本のき」なのだ。

何もかもをグラマラスに魅せろ!

CMやMTVの世界でマイケル・ベイが学んだことは「既にグラマラスな被写体を、さらに極限までグラマラスに撮影する」ことである。

被写体は何でも構わない。筋肉モリモリのヒーローでも、男性誌の表紙から飛び出してきたかのようなセクシー美女でも、戦艦や戦闘機、はたまた巨大ロボットでも、ベイはCM撮影において商品を限界まで魅力的に見せる「ブツ撮り」の技法を駆使し、神話の世界のごとき黄金のシズル感をまとわせるのである。

進化し続けるカメラワーク!

画像: ベイ映画には欠かせない、登場人物の周りを回り込む超絶カッコイイシーン!『バッドボーイズ2バッド』

ベイ映画には欠かせない、登場人物の周りを回り込む超絶カッコイイシーン!『バッドボーイズ2バッド』

重要な場面で登場人物の回りを回り込むカメラワークもまたベイ映画の刻印である。ヘリコプターやドリーを駆使して人物の回りを旋回するカメラは場面に奥行きを与え、また他の手法では得られないダイナミズムをももたらす。

ベイは斬新なカメラワークにこだわる監督で新しいテクノロジーを貪欲に取り込むことでも知られている。2022年の『アンビュランス』では猛スピードで信じられない動きをするドローン・ショットが観客の度肝を抜いた。

横殴りのギラギラ照明がもたらす強烈な画力!

画像: 『ペイン&ゲイン』では日焼けマシーンの紫外線ランプさえも照明として効果的に使用!

『ペイン&ゲイン』では日焼けマシーンの紫外線ランプさえも照明として効果的に使用!

マイケル・ベイ監督作品は照明をみればすぐに判別できる。とにかくキツい横殴りの照明がすべての輪郭をギラギラと輝かせているからだ。巨大で強力な照明装置をふんだんに使ったリッチでやり過ぎの照明は他の追随を許さない。

逆にベイ映画によく登場する軍隊の作戦司令室などはペンを落としたら二度と見つからなくなりそうな暗さが特徴だが、そういうシーンでも下や横から差し込む緑色のギラギラ照明が人物やメカの輪郭を際立たせている。

エモーションを揺さぶるスローモーション!

マイケル・ベイはスローモーション撮影(高速度撮影)を多用する作家だが、やり過ぎだと言われることを全く恐れていない(これは他の要素についても言える)。

スローモーションが全てを流麗に見せる効果を熟知しており、ド派手なアクションがスローモーションで映し出されるときの息を呑む感覚をよく理解しているからだ。

それに対するキャラクターのリアクションもスローモーションだが、引き伸ばされた時間は感情を強く揺さぶるのである。

編集はセオリーよりもインパクトだ!

「トランスフォーマー」シリーズのスピーディで豪快なアクション・シーンをコマ送りで観ると理解できるが、マイケル・ベイ独特の「アクション繋ぎ」編集には教科書的な編集のセオリーを越える自由さがある。

そこで重視されているのは常に大きな動きのインパクトとそれぞれの視点であり、いわゆる「イマジナリー・ライン」に縛られることはない。観客が混乱しないギリギリのラインで最大のインパクトと臨場感を与える編集なのだ。

「ベイヘム」の立役者、驚異の大爆発!

ヘリが飛び敵味方が入り混じり、同時に車が宙を飛び建物が崩れ落ちる、カオティックなベイ映画の独擅場を「ベイヘム(「ベイ」+「メイヘム(大混乱)」と呼ぶ。

それを盛り上げるのは何といっても度を越した大爆発の数々で、『ザ・ロック』(1996)では全部で8回しかなかった爆発シーンが『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』(2011)ではトータル380回という文字通りギネス級の回数を誇るまでになった。大爆発こそベイ映画の華だ!

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