映画ファンなら誰もが知っている名物キャラクターとなったジャック・スパロウ船長。そんな愛すべき人物をクリエイトしたのは稀代の名優ジョニー・デップですが、彼のジャックに対する思いはどんなものだったのか、インタビュー発言などをふりかえるとその絆の固さが見えてきます。また、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズを彩った人気キャラクターを演じた俳優たちはいまどうしているでしょうか。それぞれの現在の活躍ぶりを探ってみました。(文・米崎明宏/デジタル編集・スクリーン編集部)カバー画像:© 2023 Disney

映画史に残る名キャラクターと彼を生み出した名優の“絆”

画像: 『パイレーツ・オブ・カリビアン/ 生命の泉』ディズニープラスで配信中 © 2023 Disney

『パイレーツ・オブ・カリビアン/ 生命の泉』ディズニープラスで配信中

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あの(ジャックの)ファッションはすべて僕が考えたものだよ。当時の海賊とは今のロックスターみたいなものなんだろうって考えたんだ。それで思いついたのが“ザ・ローリング・ストーンズ”のキース・リチャーズさ。実際彼って海賊みたいだろ(笑)。
(『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』 公開時インタビューより)

6歳ぐらいの頃かなあ。彼ら(海賊たち)が髪をなびかせて船に乗り、大海に乗り出す姿にあこがれてね。(中略)だから今回は幼いころの夢がかなったというところかな。
(『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』 公開時インタビューより)

映画だけでなくジャック自身が多くの人に愛されているのは本当に驚きなんだ。5歳の子がジャックの真似をしているのを見ると感動しちゃうね。
(『デッドマンズ・チェスト』来日時インタビューより)

ジャックという人物を演じる機会をもらえたことが、僕にとってはこのシリーズの持つ最大の意味なんだ。言ってみれば“犯罪的に”面白いキャラだからね。
(『デッドマンズ・チェスト』来日時インタビューより)

ジャックは僕の世界にいろんなものを運び込んでくれた。僕の子どもたちの世界にもね。彼のことは一つ高いところに揚げておきたいよね。楽しい時間をどうもありがとうってね。
(『ワールド・エンド』 公開時インタビューより)

(ジャックは)大好きなキャラだし、ぜひまたジャックを演じたいね。まだまだ新しいストーリー、新しいシチュエーションを探る可能性はいくらでもあると思う。また良い脚本ができたら、前向きに出演を考えるつもりだよ。
(『生命の泉』公開時インタビューより)

(ジャックが世界中で愛されるのは)彼の不遜さは無邪気さにつながり、純粋ですらある。しかも“どんな時でもなんとか乗り切ってしまう奴”だからだと思う。
(『最後の海賊』公開時インタビューより)

人気キャラクターを演じたあのスターたちはいま

ジョニー・デップ (ジャック役)

画像: ジョニー・デップ (ジャック役)

2017年までに5回もジャックを演じたジョニー。その後、元妻アンバー・ハードとの裁判もあったため、「ファンタスティック・ビースト」シリーズから降板などの悲劇も味わったが、小品でも『MINAMATA-ミナマタ-』(2020)などの良作で渋い名演を披露して、キャリア冬の時期を乗り越え、昨年ついに裁判に勝利した。

現在新作のオファーも舞い込んでいるようで、「パイレーツ」シリーズの復帰を望む声も上がっている。ただし本人は今回の騒動に懲りたせいかハリウッド大作からしばらく遠ざかり、音楽活動を優先するかも。先日のカンヌにはフランスで主演した『Jeanne du Barry』を携え映画祭入りして注目を浴びた。

オーランド・ブルーム(ウィル役)

画像: オーランド・ブルーム(ウィル役)

「パイレーツ」シリーズのウィル役で人気爆発したオーランドは、4作目には登場しなかったものの、5作目で復活。その後、2019年からスタートしたTVシリーズ「カーニバル・ロウ」でファイロ捜査官を演じ、新たな魅力を発揮。

私生活ではケイティ・ペリーとの間に2020年第一子である女の子が誕生。最近も家族一緒に来日するなど仲の良いところを見せてくれる。オーランドは東京コミコンにも来場するなどたびたび来日している様子。

そんな彼の新作は9月に公開される人気ゲームソフトの映画化『グランツーリスモ』で、プロレーサーを育成するアカデミーを創設する男ダニーを演じている。

キーラ・ナイトリー(エリザベス役)

画像: キーラ・ナイトリー(エリザベス役)

オーランドと共にエリザベス役のキーラも4作目をパスし、5作目で再登場しファンを喜ばせてくれた。

英国が誇る演技派女優の一人であるキーラは、その後も数々の映画に出演。フランスの有名作家を演じた『コレット』(2018)はじめ、『オフィシャル・シークレット』(2019)『彼女たちの革命前夜』(2019)『サイレント・ナイト』(2021)など主演作が相次いでいる。今年も最新作『ボストン・キラー:消えた絞殺魔』がディズニープラスで配信された。

2019年、夫のジェームズ・ライトンとの間に第二子が誕生し、私生活は順調な模様。インタビューでは彼女なりの子育ての苦労を披露して、共感の声が多数集まっているとか。

ジェフリー・ラッシュ(バルボッサ役)

画像: ジェフリー・ラッシュ(バルボッサ役)

ジャックと共に彼の宿敵バルボッサもシリーズ5作すべてに登場したキャラ。演じる『シャイン』(1995)のオスカー受賞俳優ラッシュは、実はジョニー同様、ある裁判を行っていたため、5作目以降の出演作は思ったより少ない。

彼は舞台で共演した女優に不適切な行為をしたという記事を掲載した豪テレグラフ紙を相手取って名誉棄損で裁判を起こしていたため、キャリアを中断していたのだ。

そして2019年に勝訴したもののその後コロナ禍に入り、新作製作は中断していたが、喜劇俳優グルーチョ・マルクスを演じる『Raised Eyebrows』など撮影予定作はいくつもあり、俳優業の復活はまもなくと見られている。

ジャック・ダヴェンポート(ノリントン役)

画像: ジャック・ダヴェンポート(ノリントン役)

1作目から3作目まで登場した元英国海軍提督でエリザベスを愛するノリントンを演じたダヴェンポート。近年では『キングスマン』(2014)でベテラン・スパイ、ランスロットを演じた。

ビル・ナイ(デイヴィ・ジョーンズ役)

画像: ビル・ナイ(デイヴィ・ジョーンズ役)

ジャックと血の契約を結んだ、深海の悪霊ことデイヴィ・ジョーンズを演じた英国の名優ナイ。今年『生きる LIVING』(2022)でアカデミー賞主演男優賞候補になったのは記憶に新しい。

チョウ・ユンファ(サオ・フェン役)

画像: チョウ・ユンファ(サオ・フェン役)

重要な海図を持つ中国海賊の長であるサオ・フェンを演じるのは香港映画界の大物ユンファ。最近では『プロジェクト・グーテンベルク 贋札王』(2018)などの主演作があり。

『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』いずれもディズニープラスで配信中

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