宇宙人にはしゃぐ子供たち&ルパート・フレンド&マヤ・ホーク
先日のカンヌ国際映画祭で、BGMに合わせてダンスを披露する姿が話題となっていたルパート・フレンドとマヤ・ホーク。マヤ・ホークが演じるのは、ジューンという8歳の10人クラスを率いる先生。一方ルパート・フレンドはバンドとともに旅をする詩人で、カウボーイのモンタナを演じている。 “アステロイド・シティ”で出会う2人は、ジューンの生徒からモンタナが懐かれることで、親交を深めていく。そんな2人と8歳クラスの子供たちによる、キュートで陽気なダンスシーンのメイキング映像が到着した!
“アステロイド・シティ”に出現した宇宙人に夢中になった生徒が、モンタナ、バンドとともに宇宙人を称賛する楽曲を作成。その披露の場が、今回のダンスシーンである。軽快なテンポのなかで、「片足で跳んで踊ろう」という歌詞の通り、跳ねる動きが印象的なダンスが画面上のいたるところで繰り広げられる。手をつないで踊るルパート・フレンドとマヤ・ホークの動きも息がぴったりなのだが、なんとこのダンスシーンはすべてアドリブだったという。
「脚本には「みんな踊る」としか書いていなかった」とルパートは振り返る。「それでみんなで「振付師はいつやってくるのだろう?リハーサルはいつ?」などと疑問に思ったのだけど、そういうものは一切なかった。とにかくやってみるしかなかった。でも高揚感がすごかったのを覚えている。」ルパートが現場で感じたという高揚感は、観客にもあますことなく伝わってくる。さらに、「私はたまたま帽子を投げ上げたのだけど、カメラの後ろのほうで、たまたまセットを訪れていたビル・マーレイが落ちてくる帽子をキャッチしてくれたんだ。完璧だった」と、トレーラーがなく、役者が常に撮影を見守るウェス監督現場ならではの出来事も語ってくれた。
ダンスシーンで使用されている「Dear Alien (Who Art In Heaven)」は、ウェス・アンダーソンと、カウボーイバンドのひとりを演じるジャービス・コッカーによる共同制作。ジャービスは『ファンタスティック Mr.FOX』で声の出演、『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』でサウンドトラックに協力するなど、これまでもウェス監督作品で活躍している。
テネシー・アーニー・フォードの心に響くバリトンの哀歌やロイ・ロジャースの合唱のようなセレナーデといった20世紀中盤のカントリーウェスタンのサウンドにインスピレーションされてつくられたという「Dear Alien (Who Art In Heaven)」。音源は劇中のカウボーイバンドのメンバーであるジャービス、セウ・ジョルジ、ペレ・マレン、ジャン=イヴ・ロザックと、モンタナ役のルパート・フレンドによる演奏を生録音している。
ルパート・フレンドはウェス監督からセッションの依頼をされたとき、「ごくりと固唾をのんだ」という。「ずっと昔から憧れていたミュージシャンたちだったんだ。何せ彼らはプロだし、僕は蚊帳の外だったね。これはウェスが意識的にやっていることなのかもしれないけど、いつもちょっとばかり無理なお願いをしてくる。監督の挑戦状に果敢に挑むことができるから充実感があった」。この楽曲のためにスチールギターの習得をして臨んだルパート・フレンド。その勇姿にも注目したい。
メイキングには、スタッフまでもが音楽に合わせて体を揺らす瞬間もとらえられている。思わず踊りだしたくなること間違いなしのダンスシーン。鑑賞後、ぜひこの夏にみんなで歌って踊ってみては?
© 2023 Pop. 87 Productions LLC & Focus Features LLC. All Rights Reserved